メアリロビネットコワルのレビュー一覧

  • 宇宙【そら】へ 上

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    1952年、巨大隕石の落下により絶滅の危機が迫る人類は、宇宙開発に希望をつなげるが……。歴史改変SF。

    落下してくるものを阻止しようというアルマゲドンやディープ・インパクトとは逆で、最初に隕石が落ちてしまってからの顛末。1952年の設定で、実在の人物も登場するが、歴史は現実とは大きく異なるものとなっていく。

    隕石落下の影響で、人類の存続が危ぶまれるのだが……。
    あれ?序盤のパニック的な危機感はどこへやら。宇宙開発のさなかで、女性の社会進出問題や黒人とかユダヤ人の人権問題、人間関係のあれこれや自身の弱点との戦いで物語は進んでいく。なんだか、肩すかしをくらったような感じを抱きながらも、主人公の

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    2023年01月27日
  • 宇宙【そら】へ 下

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    アメリカ主要SF3賞受賞作。1950年代のアメリカが舞台。恐竜を絶滅させたのと似た規模の隕石衝突があり、近い将来居住不可能になる地球から脱出すべく宇宙開発を進めなくてはならないという歴史のifを考えるSF。主要なテーマは宇宙開発そのものよりも、女性差別や人種差別、そして宇宙飛行士を目指す女性主人公がパニック障害の性質も持っているという形で、差別や多様性が軸となっており非常に現代的。「地球の限界」を社会や私たちが一律に一丸となっては受け止めないのではという点は現代への風刺とも取れるし、緊迫した場面の描写もうまく、コンピュータの発展前なので計算者などの改変歴史ならではの職業による味付けが程良いこと

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    2022年12月04日
  • 宇宙【そら】へ 上

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     映画『ドリーム(Hidden Figures)』を思い出した。こちらは、実話だが、1950年代のアメリカの宇宙開発に貢献した黒人女性達の話。ケビン.コスナーがいい味出してた。あいや、映画の感想ではなく、時代背景、人種差別、女性蔑視、さまざまな困難を乗り越えて、NASAの数学者としての地位を確立して行く主人公が、この本の主人公と重なって見えたのだ。
     次巻も楽しみ。

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    2022年10月19日
  • 宇宙【そら】へ 下

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    ネタバレ

    巨大隕石が落下したことによって温暖化が起こり、地球は人類が住めない星になる。
    そうなる前に人類は宇宙に移住先を探し、コロニーの建設をしなければいけない。
    という背景は、この下巻では随分薄まっていて、ひたすら主人公のエルマが宇宙飛行士を目指す話に終始してしまった。

    それというのも、解説によればこれは、エルマを主人公にしたシリーズ物というか、年代記なのだ。
    翻訳された作品が少ないのが難だけど、既にエルマが火星に行った作品もあるらしい。
    その中でこの作品は、宇宙飛行士を目指す女性として、能力を訓練しつつ、世間の偏見と闘うところに特化したものとなっている。

    まず、女性には閉じられていた宇宙飛行士と

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    2022年08月04日
  • 宇宙【そら】へ 上

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    ネタバレ

    そもそもこの本が目に留まったのはタイトル『宇宙(そら)へ』
    竹宮惠子の絵が、ダ・カーポの歌声が、瞬時にして脳内で再生されたわけよ。
    『地球(テラ)へ…』
    よく考えたら、方向逆だけどね。


    巨大隕石が地球に落下。
    地球に到達するまで気づけなかったの?
    ミサイルか何かで隕石のルートを変更させるとか、粉々にするとか、できなかったの?
    って思ったのですが、舞台は1950年代のアメリカなのでした。
    つまりアポロ計画の前なのです。

    IBM(つまりコンピュータ)がないわけではないのですが、巨大すぎるしそもそも使える人がほとんどいない状況で、難しい計算は、人が計算尺を使って計算していた時代です。
    でも、隕

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    2022年07月22日
  • 宇宙【そら】へ 下

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    エルマは、国際航空宇宙機構(IAC)所属の計算者としてこのプロジェクトに参画している。まだ、組織は男性優位で、宇宙パイロットは男性だけしか認めていないが、その中で奮闘して、女性の宇宙パイロットを誕生させることを認めさせる。現実に、NASAでは、女性の数学者を計算者として軌道計算などの当時のコンピュータではできない計算に当たらせてきた。

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    2022年01月18日
  • 宇宙【そら】へ 上

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    序盤おもしろくて引きこまれたけれどSFというより女性問題がメインの話だった。けれど不器用で聡明な主人公がとても魅力的でおもしろい。
    翻訳の日本語が古臭く、舞台が1960年代だからわざとかもと思ってたがところどころ無理矢理一昔前の若者言葉っぽいのを織り交ぜてて違和感が、、、。とりあえず宇宙に行ってほしいので火星へを読みたい。

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    2021年09月22日
  • 火星へ 下

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    『宇宙へ』の続編
    宇宙SFを舞台にした歴史改変もので、
    性差別や人種差別と戦う物語でもあり、
    純愛物語でもあるのね

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    2021年08月21日
  • ミス・エルズワースと不機嫌な隣人

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    原題はSHADES OF MILK AND HONEY。milk and honey は富と芳醇さを表す表現のようなので、言い換えれば「豊かさの陰」の意味。邦題、ましてやショルダーコピーに掲げられた「幻想の英国年代記」では伝わらない本書のテーマがタイトルには込められています。つまり、19世紀初頭の英国郊外の上流層のまやかしをめぐるミステリーが本書です。

    「宇宙へ」の作者による2014年の作品。

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    2021年05月15日
  • 宇宙【そら】へ 上

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    「もし」の世界観で進行するストーリーで描かれるのは単なるフィクションでなく、置き換えられた設定の中で浮き彫りになった現実の問題、差別。

    SFながら、主人公が闘う相手は異星の知性でも、過酷な天変地異でもなく(舞台設定は大きな天変地異ですが)、女性として、人間としての生きづらさであり、その困難に立ち向かう冒険。男性としては気がつかない(あるいは無視していた)事実に胸が苦しくなる。

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    2021年05月04日
  • 宇宙【そら】へ 上

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    スチームパンク風[パンチカードパンクと言うらしい]の歴史改変SF
    地球の危機の中、公民権運動・ウーマンリブが好ましい形で展開する物語が楽しく嬉しい

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    2021年03月21日
  • 宇宙【そら】へ 上

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    巨大隕石が落ちて、地球が暑くなりそうだから、宇宙へ旅立つ。いいじゃないですか。どこまで行くの?火星?土星の衛星まで行っちゃう?
    意外と、まだ月にもいけない段階で上巻は終わる。隕石落ちたのは現実との大きな分岐点ではあるのだが、ぶっ飛んだ未来を描く事はなく、かなり現実路線の「過去のIf」を描いている感じ。面白いんだけど、もうちょっとぶっ飛んだ感じが下巻に出て来るといいな。

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    2020年12月19日
  • 宇宙【そら】へ 下

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    大変面白く読みました。
    まぁでもちょっとダンナが理想のダンナすぎるかなぁ…と思ったりもしました。彼だけは欠点なしのパーフェクト夫みたいな感じで違和感。まぁアレで家庭もギスギスしてたら成功するものも成功しないとは思うけど。

    いつの時代も先駆者は大変だなぁと読んでいて感じました。面白かった。NASAの計算をしていた女性のノンフィクも読んでみたいなと思いましたよ。

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    2020年10月01日
  • 宇宙【そら】へ 上

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    帯に色々章を取ったと書かれていたので購入。面白かった!隕石ってミーティアライトっていうのか~ 知らなかったな。
    1950年代(だったかな)に隕石が落ちたという設定も面白い。第二次世界大戦が終わって、アポロが月に降りる前辺りのNASAが盛り上がっていた頃に、人類が宇宙に進出する必要性がある、と持ってくるのは上手いなぁと思いました。

    今でこそ男女対等などと言われていますが(今も言われているということは実際対等ではないという事の証左だと思いますけど)50年代のアメリカでも女性の扱いというのはこんな感じだったのかな~と思いながら読みました。日本は今でも医大の入試に男子学生にゲタ履かせるなんてやってる

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    2020年10月01日
  • ミス・エルズワースと不機嫌な隣人

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    ネタバレ

    ハウルの動く城の映画版ソフィー的な長女の不遇。そんな主人公のジェーンなのでした。
    ※ハウル原作版はソフィーさん美人だし、どちらかというと寓話にある『長女の不遇』を信じてしまっているが故の不遇なので。
    メロディもねぇ…才能まで欲する欲張りと見るか、才能がないことに気が付いて嫉妬し嘆くだけの感性はあったと見るか…。
    まぁなんにせよワガママ娘だし、思いやりを搾り取られるだけ搾り取られて更にもっとと要求されるジェーンに同情してしまうのはいたしかたないかも。
    多少鈍感とはいえ、お父さんが優しいのだけはまだ救いだったかなぁ。
    魔法が出てくるけど、ハリポタのように戦ったりはしません(笑。
    どちらかというと芸

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    2016年01月10日
  • ミス・エルズワースと不機嫌な隣人

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    いつ恋愛要素が始まるのか前のめりに読んでしまった。
    ファンタジーな世界観ではあるものの細かな描写が多く、貴族日常系の物語が好きならおすすめ。

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    2014年08月19日
  • ミス・エルズワースと不機嫌な隣人

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    ネタバレ

    19世紀初頭の英国。音楽や絵画と並んで魔術は女性のたしなみとして日常を幻で飾っている。魔術を使う時の表現が魅力的。だが、予想以上にロマンティックな展開だった。

    結婚せずに地道に生きようと決めているジェーンは芸術に絡んだ豊かな愛情を受け入れるが結局は古典的な幸せの形なのね、と思った。
    舞台設定の時代からいけば当然なのだけれど、女ってばかよね〜とか男ってどうしようもないよね〜とか、読んでいてしんどい。
    ジェーンと家族の関係性も辛い。
    魔術師の再登場は予想通りの形。どうせなら魔術でいかつく見せてたけど実は絶世の美青年くらいやっても良かったのでは。

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    2014年07月06日
  • 宇宙【そら】へ 下

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    隕石の影響で温暖化し続ける地球から脱出するため宇宙開発を加速させた世界線の物語。フォン・ブラウンやアームストロング、オルドリンなど誰もが聞いたことのある人物も登場します。それはいいのですが…。
    本書はタイトルどおり、宇宙へ、そして人類初月着陸ミッションの途中までが描かれています。というか、そこまでしか描かれていません。そのせいか、せっかくの設定(巨大隕石落下、地球温暖化、宇宙移民の必要性など)があまり効いておらず、壮大さや盛り上がりに欠けることは否めません。

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    2025年07月23日
  • 宇宙【そら】へ 上

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    巨大隕石落下の影響で宇宙進出を余儀なくされた世界線の1950年代宇宙開発物語

    「わたしたちは、日々、たくさんの境目に遭遇しています―境目自体は問題ではありません。これからもつねに"以前"と"以後"はあるでしょう。問題は、その境目を越えたとき、自分がどう対処するかなのです」

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    2025年07月22日
  • 宇宙【そら】へ 上

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    隕石が降ってきて温暖化危機発生。それを回避するための地球脱出計画の話だが、前半で月に無人機を送った程度でまだまだ先が長い。タイムスケールが長すぎて人間は本当の危機ととらえられないのはわかる気がする。

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    2024年12月20日