花里真希のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
中学に入学した千紗は、帰宅途中に友だちになったばかりのあーにゃに自宅のトイレを貸せなかったことを気に病んでいた。モラハラ気味の父とそれに従う母はふたりとも教師で、その両親と5歳の妹と暮らす千紗の家は汚屋敷だった。言葉がきつい千紗は、学校でも孤立しがちに。不在の美化委員の穴を埋めるため自発的に出席した美化委員会であーにゃと再会した千紗は、トイレの件を謝ったが、彼女は気にしていた風もなく、一緒に美化ポスターを書くために週末家に誘ってくれた。あーにゃの家はきれいで、母親はケーキを焼いてくれ、自分の家との違いに千紗は驚く。あーにゃの寛容さが美しい部屋にあると感じた千紗は、まず自分の部屋の掃除に取り組んでみる。
モラハラの父親に自分のきつい言い方からの人間関係に悩む少女が、掃除を通じて明るい道を見出す物語。
******* ここからはネタバレ *******
珍しい汚屋敷と片付け、掃除をテーマにした児童書です。
主人公の千紗は、汚い家と自分の物言いのきつさから、自信を持てなくなっています。
母親も、片付けが苦手なことへの引け目から、家事と育児のほとんどを引き受け、モラハラ夫に言い返すこともできません。
あーにゃの家がきれいで、家人も穏やかなのは、きれいな家に理由があると感じた千紗は、まず自分の部屋の片付けと掃除に取り組みます。
あーにゃの家がきれいなのは、不登校中の美化委員、小林の家のハウスクリーニングの働きによるものだと知った千紗は、我が家にもハウスクリーニングに入ってもらいたいと考えます。
母親は賛成したものの、父親は反対します。お前が自分ですればすむことだろう、と。
そうこうするうちに、母娘とも、父親がモラハラだと気づき、毅然とした態度で接しなくてはならないことを知ります。
反抗する千紗に対して「出ていけ」「飯は食わせない」と言う父親に放った、娘をかばう母親のセリフが痛い。
この家は、自分の家でもある。
食費は自分が払っているし、食事も自分が作っている。
というのです。
いやぁ、どこが痛いって、ほぼ専業主婦の私にはこのセリフは決して言えないから。
そして、きっと稼いではいても、夫より収入の少ない妻には言えないセリフだから。
収入の多少が、家庭内の発言権の大小を決めるみたいな解決方法になってしまったことが残念でなりません。
やっぱり、家事や育児なんかの無報酬労働は評価されにくいですよね……。
結局、この母親が突如として強くなって、ハウスクリーニングもしてそれで父親も(ちょっと)穏やかなになって、自分のものは自分の部屋にしまうようになったのはすばらしい。
片付けが苦手な私には、とってもうらやましい物語ですが、いやぁ、そもそも自分のものじゃないものを片付けないといけない難しさが一番のハードルなので、このお父さんの物分りの良さにとても驚きました。
非常に読みやすい本なので、本が苦手な子でも読めると思います。
読み終わった後に掃除をしたくなる気持ちのおまけ付き(笑)。
いやぁ、小林ハウスクリーニング店の連絡先も書いていてほしかったですよ(笑)。
都合よくものごとが進みすぎる傾向はありますが、児童書だからこれぐらいはいいのではないかと考えます。 -
Posted by ブクログ
登校中にちょっとしたいたずらがきっかけでふしぎなことが起こるが、ふとしたきっかけでまた登校班にもどるお話。
そういうことがたびたびある。それを四季それぞれにその時期らしさが描かれ、
日常から非日常への切り替わりと非日常から日常にもどる切り替わりが、なんともふしぎにすっと入れかわっている。
1年生のひろとが主人公で、そのふしぎな体験のために遅刻したり途中いなくなったりするが、周りの上級生たちもなんとなくおおらかだ。
それは自分も同じような体験をしたことがあるからだというあたたかさを感じる。
一度読んだ時はこのお話のよさがわからなかったが、二度読んだらおもしろくなった。
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Posted by ブクログ
中学生活最後の合唱コンクール。
季里たちのクラスは、クイーンの「ボヘミアン・ラプソディ」を歌うことに。
幼い頃クイーンに親しんだので楽しみではあるものの、自分の音痴が心配な季里。
合唱コンクールを通して階段をひとつ上る中学生の物語。
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次に読む本を決めていたけれど、タイトルと表紙が娘と重なって思わず手に取った。(といっても娘たちはまだ中2なのだけど)
まずは「ボヘミアン・ラプソディ」を合唱で歌えるんだ!と驚き。
真剣に合唱に向かう季里の心は美しいと思う。
そしておばあちゃんの様子が少し前の母と重なり、季里と娘が重なった。
「自分の人生」を切り拓いて未来を見つめる子どもたちは脆そうに見える。
その実、とても強い。
そんな子どもたちを過信することなく信じて、背中を押してあげられるといい。
誰も完璧ではない。
だけどそれでいい。
そんなことを考えながら、自分にもエールを送ろうと思った。