妹尾昌俊のレビュー一覧
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タイトルに興味を持ち、購入しました。膨大なデータやファクトに基づいて、教師、学校を取り巻くさまざまな問題を分析し、そこで起きている5つの危機を、ティーチャーズクライシスと題して、解決策を提言しています。筆者は、教師の役割を縮小し、授業研究など、重要なことに時間を割くべきだと主張しています。特に興味深いのは、諸外国と日本における教師が担う業務のデータです。フランスでは、登下校の時間の見守り、欠席児童への連絡、休み時間の指導、部活動の指導は教師の役割ではなく、生活指導専門員が行っているということです。予算と人件費をかけ、教師には重要な仕事である授業研究に時間を割いてもらうという状況が見てとれます。
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Posted by ブクログ
公教育の現状をデータとファクトを用いてわかりやすく説明している名著。現職の方はもちろん教師を志す方や文科省に勤めている方もぜひ読んでいただきたい。
本書は公教育におけるクライシスを
「教師が足りない」
「教育の質が危ない」
「失われる先生の命」
「学びを放棄する教師たち」
「信頼されない教師たち」
の5つに分類し、それに対する打開策を打ち出している。
①学校のシェイプアップ=教師の役割の縮小
②教育予算の増設
③全国学力テストなどの無駄な教育施策の削減
を提唱している。
特にフランスの教育インフラを参考にするのは非常に有意義なのではないかと感じた。「生徒指導専門員」は日本にも導入する -
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著者は、「欲ばりな学校」をやめなければ5つの「ティーチャーズ・クライシス」を解決することができず、「教師崩壊」「教育崩壊」を止めることができないと主張しています。「欲ばりな学校」とは、授業、成績処理、生活指導、特別活動、進路指導、特別支援、部活動、清掃、調査への回答、登下校指導、地域の見回り、地域ボランティアへの参加など、教師の本来的な業務だけでなく、長い時間をかけて教師が担うようになった、言い換えれば本来は教師(学校)の役割ではなかった業務まで背負い続けるような学校のことです。何でもかんでも引き受けてしまうことが積み重なり、教師不足や質の低下、過労死、学校不信などを引き起こしています。
二児 -
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教師崩壊というタイトルではあるが、教育現場は教師だけの問題ではないと思うし、本当の原因はもっと複雑であり、社会全体の構造改革が必要でないかと感じた。
学校内も社会全体(日本国内)の縮図であり、同じようなことは企業や社会全体でも起きていることである。
社会変化に追いついていない現場、そして現場の正確な状況を理解してない文科省や政治家たち。
改善していくには大胆な改革が必要であるが、課題も多く難しいと感じる。
私自身小学生の子供がいますが、各家庭が学校へ様々な事柄をゆだねすぎてしまっていると反省。
昔は、家庭教育、地域全体としての社会教育が子供たちにできたのではないかと感じる。
今の時代はそれぞれ -
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副題にある「 なぜ変化に対応できないのか」って興味があったのですが、うすうすわかっていたように、失敗が許されない世界なんだろうなあ。新しいことに挑戦するよりも前例に倣えの方が無難だし何かと言い訳ができます。でも、それではこれからの教育では世界から大きく遅れるんじゃないかな。挑戦しないことが失敗という価値観を現場も教育委員会も持たないことには進まないことかも。
今日ネットで「3歩進み3歩退いても、ゼロではない。」というのを見ました。本当にそうなんだと思います。もっと言うなら「3歩進んで4歩退いても立ち止まっているよりは進んでいる」時代になったんじゃないかな。 -
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<目次>
はじめに 学校の本質的な問題を読み解き、失敗から学ぶために
第1章 フリーズした学校~学校が止まっていたとき、子どもたちは?
第2章 子どもたち本位で考えられない学校~今の教育は「学校都合」で動いていないか
第3章 コロナ禍で見えてきた「教育の大問題」~日本の学校の「4つの弱点」
第4章 なぜ、日本の学校は変われないのか~学校・家庭・社会の分断を生む「4つの深層」
第5章 学校・家庭・社会をつなぐ「学習する学校」へ~分断から対話へ、学校都合から子ども本位へ
<内容>
教員からすると耳の痛い本である。まさにコロナ禍は、学校現場の問題点をあぶりだした。それから1年、何も変わっ -
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教師の仕事が大変忙しい。多種多様でどこまで行えば良いのか、際限なくやってくる感覚もその通りである。どこの職場にも必要以上の仕事を、気を利かせて行わない人はいる。よって特定の人が忙しいことになる。教員が特別な職業だとは思わないが、仕事の内容が多岐にわたっていることは間違いのないことである。仕事をお願いしても、何か理由をつけて引き受けない人が一定数いるがために、職場が崩壊している学校もたくさんあるだろう。例えば、分掌が変更になり、前任者がうかっかり忘れていたことがあるとする。新しく引きついだ人が、処理をする技術を持っているのであれば、前年度の分も引き受けて、処理を行ってあげてもいいと思うのだが、「
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ネタバレ著者があげる「ティーチャーズ・クライシス」を書いておく。
一 教師が足りない
一 教育の質が危ない
一 失われる先生の命
一 学びを放棄する教師たち
一 信頼されない教師たち
以上だ。いずれも昨年まで現場にいた私にとっては「妹尾さん,そのとおり!」と思えるクライシスである。
健康(まれには命さえも)が危ぶまれる学校現場の先生たち。毎日毎日残業で疲れ切っていて,自宅で自分の教養を高めるような勉強をする気にはならない。
教育実習まではやる気満々だったのに,実習中にこういう教育現場を見て,教員志望を止めた学生も多いという。地元金沢大学の教育学部(正式名称は知らない)の学生でさえも石川県の教員 -
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ネタバレ<目次>
はじめに~知られざる「ティーチャーズ・クライシス」の真実
第1章 教師が足りない~担任がいない、授業ができない、優秀な人がいない
第2章 教育の質が危ない~読解力の低下、少ない公的資金、受け身の生徒の増加
第3章 失われる先生の命~長時間労働、うつ病の増加、死と隣り合わせの学校現場
第4章 学びを放棄する教師たち~理不尽な校則、画一的な指導、考えなくなった先生
第5章 信頼されない教師たち~多発する不祥事、失敗から学ばない学校、教育行政
第6章 教師崩壊を食い止めろ!~ティーチャーズ・クライシスを打開策
<内容>
教育評論家の妹尾氏の本。ちゃんと取材をしているようで、現 -
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教師と学校の失敗学なぜ変化に対応できないのか 妹尾昌俊
#読書メモ #同調圧力 #学校 #教育 #事なかれ主義 #同調圧力 #失敗
1読む前に知りたかったこと(事前の好奇心)
・学校や先生は失敗から何を学んで、どう行動を改善しているのか?
2読んでわかったこと
・数少ない成功例?では、リスクをとって行動を起こしている(白川、熊本)
・その成功例も本書には描かれていないそれぞれの苦労がたくさんあるはず。全ての人に当てはまることで、特に成功例をみるときには考えておきたいと常々思っている。
3自分の琴線に触れたフレーズ(意外な発見)
・個別最適な学び
・失敗を許容する組織風土
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Posted by ブクログ
ネタバレコロナ禍での学校の失敗談をメインに組み立てられている。納得のできる部分も多い。教育委員会や管理職みんなに読んでほしい。また、各校の良かった取り組みが入っているのはとても良かった。欲をいえば、もう少しいろいろな革新的な事例を書いてほしかった。
一方、納得のいかない部分もちらほら。今だからこそあれは駄目な対応だったと言えるが、その時の現場は精一杯なにができるか考えての対応はしていたと思う。もちろん、反省点がないとは言わないが、、、結局は現場の教員がどれだけいいアイデアを出しても、学校長や委員会がストップをかければ実施できないので、とてもやるせない気持ちになる。
あと、コロナ禍でのという本のはずが -
Posted by ブクログ
今の日本の教育界の問題を具体的データをもとに分析し、制度などの提言をしてくださっている。とりあえず今ある学校組織の中で、職場のチームワークを高め、探究的な学び•プロジェクト型学習など、好奇心や創造性、問題解決力が高まっていく授業を目指す。
学校現場を俯瞰できてよかった。
※メモ
クライシス1 教師が足りない
担任がいない、授業ができない、優秀な人が来ない
クライシス2 教育の質が危ない
読解力の低下、少ない公的資金、受け身の生徒の増加
クライシス3 失われる先生の命
長時間労働、うつ病の増加、死と隣り合わせの学校現場
クライシス4 学びを放棄する教師たち
理不尽な校則、画一的な指導、考