あらすじ
●休校中はプリントを配って家庭任せ、難航するオンライン授業…… ●なぜ日本の教育現場は、子ども本位で動けないのか? ●コロナ禍のデータから見えてきた、教育変革「7つの施策」 コロナ禍の全国一斉休校等の「教育の危機」に際し、主体的に動く学校もあったが、多くは「受け身で指示待ち」の対応に終始し、今日まで変化に対応できずにいる。それは「日本の学校が学習する組織になっていないからだ」と、全国の学校現場の声を聴き続けてきた著者は語る。本書では、コロナ危機のなか生じた「日本の学校教育の失敗」を、著者独自の調査等を通じたデータとファクトによって徹底検証する。学校都合の教育から、子どもたち本位の教育へ、日本の教育が生まれ変わるための「希望の書」。
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Posted by ブクログ
副題にある「 なぜ変化に対応できないのか」って興味があったのですが、うすうすわかっていたように、失敗が許されない世界なんだろうなあ。新しいことに挑戦するよりも前例に倣えの方が無難だし何かと言い訳ができます。でも、それではこれからの教育では世界から大きく遅れるんじゃないかな。挑戦しないことが失敗という価値観を現場も教育委員会も持たないことには進まないことかも。
今日ネットで「3歩進み3歩退いても、ゼロではない。」というのを見ました。本当にそうなんだと思います。もっと言うなら「3歩進んで4歩退いても立ち止まっているよりは進んでいる」時代になったんじゃないかな。
Posted by ブクログ
<目次>
はじめに 学校の本質的な問題を読み解き、失敗から学ぶために
第1章 フリーズした学校~学校が止まっていたとき、子どもたちは?
第2章 子どもたち本位で考えられない学校~今の教育は「学校都合」で動いていないか
第3章 コロナ禍で見えてきた「教育の大問題」~日本の学校の「4つの弱点」
第4章 なぜ、日本の学校は変われないのか~学校・家庭・社会の分断を生む「4つの深層」
第5章 学校・家庭・社会をつなぐ「学習する学校」へ~分断から対話へ、学校都合から子ども本位へ
<内容>
教員からすると耳の痛い本である。まさにコロナ禍は、学校現場の問題点をあぶりだした。それから1年、何も変わっていない。むしろ、アクティブラーニングをしないでもよいので、楽である。自分はわかっていたが、身動きが取れなかった。周りの教員は、何も考えていないように思えた。「仕方がない」の声が聞こえた。解決策の糸口も載っている。ただ、学校が動くのは大変だ。自分のような年長の教員は、すでにフリーズして動きようがない。ここのフリーズ層は消すしかない。若い教師は可能性を秘めている。年長の教師に冒される前に自由に改善をしていければ、可能性はゼロではないと思う。
Posted by ブクログ
コロナ禍で浮き彫りになった学校教育の構造上の問題点をデータ等を紐解きながら分かりやすい指摘し、まとめています。
今、学校はコロナ前の状態に戻りつつある。
GIGAスクール構想など前向きな進展はありつつも、
旧態依然の考え方や組織構造はそう簡単には変わりません。
そんな中でも自分が学校という組織の一員であるという当事者意識を持ち、学習する学校へと転換するために何ができるのかを改めて考えさせられる本でした。
Posted by ブクログ
教師と学校の失敗学なぜ変化に対応できないのか 妹尾昌俊
#読書メモ #同調圧力 #学校 #教育 #事なかれ主義 #同調圧力 #失敗
1読む前に知りたかったこと(事前の好奇心)
・学校や先生は失敗から何を学んで、どう行動を改善しているのか?
2読んでわかったこと
・数少ない成功例?では、リスクをとって行動を起こしている(白川、熊本)
・その成功例も本書には描かれていないそれぞれの苦労がたくさんあるはず。全ての人に当てはまることで、特に成功例をみるときには考えておきたいと常々思っている。
3自分の琴線に触れたフレーズ(意外な発見)
・個別最適な学び
・失敗を許容する組織風土
・開かれた学校
→理念はわかるけど、学校現場でどうやって実現させていくのかが全くイメージできない。
→学校が変わる必要があるのは確かにその通りだが、困ったら国や学校に解決してもらおうとする姿勢も悪い。お互いに負の連鎖を生んでいる。
→自己決定自己責任を大原則として、自分のことは自分でやるくらいの方がいい学びができそう。
4読後、新しくやってみようと思う行動(具体化、実用化)
If 批判を恐れて行動できていないと感じたら
Then 最悪のパターンを想定して、本当にその通りになるか試してみる
→実際には誰も私のことなんで気にしていないから、ほぼほぼ最悪の事態にはならない
Posted by ブクログ
コロナ禍での学校の失敗談をメインに組み立てられている。納得のできる部分も多い。教育委員会や管理職みんなに読んでほしい。また、各校の良かった取り組みが入っているのはとても良かった。欲をいえば、もう少しいろいろな革新的な事例を書いてほしかった。
一方、納得のいかない部分もちらほら。今だからこそあれは駄目な対応だったと言えるが、その時の現場は精一杯なにができるか考えての対応はしていたと思う。もちろん、反省点がないとは言わないが、、、結局は現場の教員がどれだけいいアイデアを出しても、学校長や委員会がストップをかければ実施できないので、とてもやるせない気持ちになる。
あと、コロナ禍でのという本のはずが、唐突にブラック校則の話が2ページだけ入ったところは謎。たしかに大きな問題ではあるが、文章の流れ的になぜ急に?となってしまった。
Posted by ブクログ
コロナでの失敗を説いている。各々のレベルで教育に責任を持ち矢面に立つことが大切という感じが読み取れた。何が、どこが、誰が悪いのかを突き止めようとしている姿勢には疑問。何も、どこも、誰も悪くないからこそ失敗したのではないか。こう言うやり方もある、と提示したいところである。