菅野楽章のレビュー一覧
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美術品の贋作についての話と思いきや、世界には様々な「偽物」があるというお話。とても面白かった。
絵画だけでなく、戯曲や手紙、化石、ダイヤモンド、香り、自然(野生生物)、鯨の骨、マヤ文明のコデックス(絵文書)、紀元前の洞窟壁画が題材として扱われている。
本物と偽物を区別する基準は?真正性は、その時代によって変わる、偽物は「悪」なのか。そんなことを考える本だった。
以下メモ
(その絵が本物か贋作化を見分ける決め手のところ。芸術性で見分けるんじゃないところが面白いと思ったり。)
・何か、いくつか、彼女にはしっくりこないところがあった。ひびが入っていた、経年劣化?そうかもしれないし違うかもし -
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2015年、国立歴史民俗学博物館で「大ニセモノ博覧会」という展示があり、偽物を簡単に切り捨ててしまうことができないことを学んでいたが、この本で、より広範囲な偽物とその存在意義を知ることができた。最初は美術の話。ウォホールの死後に作られたシルクスクリーン作品は本物か?中世絵画の贋作を作成したスパニッシュ・フォージャー。どこの誰かもわからない作者だが、特徴的な絵画が今ではコレクションの対象となっている。偽物もストーリーを持つことで、本物のような評価を受けることがあるという例。などの話で本物についての定義が揺らいだところで、科学的な見地からの話になる。人造ダイヤモンドの合成方法を競っている中で、合成
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2013年3月ヴィクトリア&アルバート博物館の企画展『デヴィッド・ボウイ・イズ』がロンドン開催から始まり、世界各地を巡回、5年後に閉じられる。
ロンドンの次の開催地、オンタリオでの開催に先立ち発表されたリストが、本書の元ネタになる。
ボウイ自身が生涯読んできた本の中から、重要で影響の大きいと考えた100冊の本のリストである。
1冊ごとに、その本を読んだボウイや当時のミュージシャンががどんな影響を受けたか?という解説があり、この1冊を読むならボウイのこの曲と共に聴いてほしいと曲紹介と、その1冊に興味を引かれたらこちらの本もいかが?との関連書籍紹介も付してある。ボウイが選んだ100冊の本と、ボウイ -
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ウォーホルが遺した版を使い、生前のウォーホルと同じ手法で刷られたシルクスクリーンプリントは「本物」か? 元素レベルまで天然ダイヤモンドと同一の人工ダイヤモンドを「偽物」のように感じてしまうのはなぜか? ドキュメンタリー映像は本当に「リアル」なのか? 歴史上のさまざまなエピソードを通して、フェイクとリアルの線引きについて考えるノンフィクション。
本書はウォーホルで始まりバンクシーで終わる。モダンアートは本物を認証する権威への批判と挑戦を内包してこそだから、現代美術の世界におけるフェイクとリアルの線引きは今後ますます混沌としていくことだろう。バンクシーが博物館の展示に紛れ込ませたエセ旧石器時代 -
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生涯を通じて、デヴィッド・ボウイは膨大な量の本を読んできた。映画『地球に落ちて来た男』の撮影の際には、1500冊もの本(400冊とも)が収められたトランクを持ってきていたという。
ヴィクトリア&アルバート博物館(V&A)の企画展『デヴィッド・ボウイ・イズ』のために、ボウイ自身が選出した重要で影響が大きい100冊(厳密な意味で「お気に入りの本」ではない)を、ボウイの人生や活動、関連する作品とともに紹介する。
古今の小説、ノンフィクション、評論、オカルトから漫画雑誌まで、さまざまなタイプの本が挙げられている。
フラワー・ムーブメントのとき、ボウイはインドではなくチベット仏教に傾倒して -
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個人的には、第2章が面白くなく、第2章の途中で「読むのを止めようかな」と思ったのですが、第2章の残りはひとまず飛ばして第3章を読み始めたところ、そこからは、「これなら読める」と思えた内容だったので、何とか読み切りました(第2章の残りも、あとで何とか読みました)。
ちなみに、この本を読み終えた直後に、「レンブラントの「夜警」をAIで復活」という記事を目にし、「まさに「ホンモノの偽物」の話だ」と思いました。
我々は何を「本物」と捉え、「偽物」に対し、なぜそう思ってしまうのかは、実はグレーで、「本物」と「偽物」との間にはグラデーションがあります。
そのグラデーションを知る上で、また、「本物」や「