伊井圭のレビュー一覧
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ネタバレ明治42年の東京。生活に困窮した啄木は探偵業で生活費を稼ぐことに。
颯爽として、嘘つきでやんちゃ、泣き虫で愛妻家で独りよがり、饒舌で見栄っぱり、酒呑みの女好き、ロマンチックなサディスト、先見の詩人、そして天才歌人の石川啄木が、彼の才能に惚れ込んだ初心な金田一京助を巻き込んで事件を追う。5篇。
浅草の凌雲閣に夜な夜な現れる幽霊の謎。
浅草奥山で評判の生き人形に喉笛を食い破られたような死体の謎。
空を飛ぶ奇術師が電線に首を引っ掛けて死亡。彼は本当に空を飛んだのか。
浅草の遊郭で京助と一緒にいた娼婦の死。窮地に立った京助だったが。
人気イケボ声優が話題だったらしいアニメを2話ほど見て、意味が分か -
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歌人・石川啄木が国文学者・金田一京介を相棒に、貧困の金の足しに探偵業を営むミステリー。
探偵業とイメージが結びつかない、実在の人物二人が主人公というのに読む前は「?」となりましたが、石川啄木のくず…もといぶっ飛んだ性格・エピソードと明治後期にまだ潜む闇深さや世情が折り重なって、重厚な内容となり、地味ながらも個人的には大変好みで面白く読めました。
収められている5つの短編は、時代性もあってか、それぞれの結末は暗く、切なく、やるせなさが残りますが、啄木と金田一の噛み合っているような、いないようなホームズ&ワトソンぶりや、啄木の一句に結末を締められると、ひどく引きづるのではなく、独特の余韻となってい -
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アニメ化の告知を見て「アニメを本格的に見る前にある程度把握したい」と思って購入したもの。
アニメの石川啄木役の声優がとにかく好きなので、あの方が最初どんな風に演じようとしていたのだろう?というのも知りたくて、気付けば最後までガッツリ読んでいた。(どうやら最初にやろうとしていた演技は、「それだと浮世離れしている」と指摘されたそうなので)
原作の方が啄木さんの性格がキツい様な気がする。……何故だろう。
描写が本当に最低限で、挿絵もないので、合う合わない・好き嫌いの差は激しいと思う。
長々と細かく描写されるのが苦手な私には合っていた。
全体的に「ここはどんな風に動いていたのだろう?」と思いたくなる部 -
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生活に窮した石川啄木が副業として探偵事務所を開設。その人柄と類まれなる才能で、嫌がる金田一京助を助手に怪事件に挑むミステリです。史実と創作を織り交ぜて、自分の知識と照らし合わせてみたり、そう繋がるのか!と驚いたりできる・・・はずなんですが。どうも文章が読みにくい。流れが急に途切れてあらぬ方向へ進んだり、時系列が混ざりかけて今どの時点なのか分からなくなったりと、何回か数行前を読み返す羽目になりました。犯人の動機や啄木の性格も、金田一の一人称の視点で語らすに、なにかエピソードなどでわからせてほしかった。設定は面白いし、小道具の使い方や伏線の張り方もいいと思う。後は、書き方ですよね・・・。
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Posted by ブクログ
なんと石川啄木と金田一京助(耕助ではない!)が事件を解決していくというステキ設定なミステリー。私、こういう実在の人物系に弱いみたいです。
そーいえばトリビアでやってましたね、啄木は女癖悪かったって。(何が「働けど働けど」だよ!笑)もっと短歌とか絡んでくるかと思ったんだけどそうでもなく、いうなれば明治版「TR●CK」って感じでした。それは手品や幽霊のタネを見破ったりする筋だけでなく、貧乏なくせに見栄っ張りな石川啄木と、臆病ですぐ気絶する金田一京助はなんとなくあの二人っぽくありませんか(笑)
この啄木が間もなく世を去ってしまうことを知りながら読むと(彼の夭折は周知でしょうが)、見栄っ張りで要