石森愛彦のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
昆虫の学会で、若い研究者さんたちを優しく導く、著者の吉村仁先生、ナイスです!
この本は、そんなやさしさあふれる?吉村先生のロングセラーです。ページ数も少なく、フリガナ付き、やさしく読みやすく、小中学生以上にピッタリ。まるで30分の科学ドキュメント番組をみているようです。
石森愛彦さんのイラストもすばらしい!
読んでよかった。素数ゼミ(周期ゼミ)は知っていましたが、基本のとこ、誤解していることが多かったです。
わたしが誤解していたことは、1.サイズが普通のセミと同じ、2.全米に生息、3.全米で発生年がそろってる、4.アメリカには素数ゼミしかいない、など。そんなことなかったです。
吉 -
Posted by ブクログ
今年の夏ももう終わり。夏といえば、ここ一週間で元気な鳴き声が聞こえなくなったセミ。セミといえば、13年あるいは17年に一度だけアメリカの一部の地域ごとに大量発生する「素数ゼミ」という奇妙なセミの秘密が本書で解明されている。
そのような周期で成虫し、地方で億単位の匹数で発生する数種類のセミ。それまでは、ジッと地中で、その時を待っている。その謎を日本人の科学者が初めて解いたもの。
「素数」という言葉に得も言われぬ抵抗感がある方もいるが、これらのセミは、氷河時代を乗り越え、まさに「風雪に耐える」を幾度も経験しているため、絶滅を回避してきた逞しさがヒシヒシと伝わってくる。 -
Posted by ブクログ
素数ゼミは13年のものと17年のものがいます。
アメリカ全土で13年または17年周期にセミが一斉に羽化するわけではありません。
今年はこの地域の素数ゼミが羽化して、来年は別の地域の素数ゼミが羽化するという具合です。
幼虫の期間が長い理由は気温の影響です。
これは氷河期が影響しています。
気温が低いと成長に時間がかかりますし、寒いと幼虫の間に死んでしまう個体も増えます。
そうなりますと、羽化してもまわりに仲間がいないため繁殖の機会が得られないケースも出てきます。
そこで、氷河期と言えども盆地など比較的暖かい場所に、素数ゼミは固まって生息するように進化していきました。
次は発生のタイミング -
Posted by ブクログ
いやー,おもしろい本でした。しかも,納得させられてしまいました。
・13年と17年周期に出てくるセミたち
・なんでこの期間なのか。
・なぜ,同じ場所で大発生するのか
について,一つ一つそのなぞを解いていきます。
素数と言えば,「1と自分自身しか約数を持たない数」のこと。5年生の算数で習います。素数同士の最小公倍数は,そうじゃない数同士よりも結構大きめの数となります。これが,このセミが生き残ってきた原因でもあるのではないか…というのです。
これ以上話をするとネタバレになるのでよくないので,やめておきます。
ま,ドキドキしながら,著者の理論を読んでみてください。