佐藤雫のレビュー一覧
-
-
Posted by ブクログ
「言の葉は残りて」では源実朝と信子、「さざなみの彼方」では淀殿と大野治長と歴史に翻弄された男女の愛を描いて胸を揺さぶってくれた作者が、今度は緒方洪庵とその妻八重の歩んだ道を描く。
佐藤雫さんということで純愛ものを期待しすぎたからか、前2作と比べて夫婦のエピソードは少なめでちょっと物足りないが、牛痘種痘を広め、予防医学の礎を築くことに尽力した洪庵と適塾の志士に焦点を当てた群像劇となっている。
牛痘種痘はその種苗を外国から日本に持ち込むことがどれだけ困難だったか、漢方医の横槍にあって接種を進めることがどれだけ大変だったか、そのへんの書き込みは福井藩の笠原良策を主人公に描いた吉村昭の「雪の花」の