鶴岡路人のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ウクライナ戦争についてのジャーナリスト的な本はたくさんでていて、どれも役にたつものだが、これは一味違った視点を与えてくれるものであった。
東京大学出版会からの本で、主として東大の教授などが中心となって執筆した論文集。
ロシアの侵攻に対する国よって異なる考えがあることがさまざまな地域の専門家が冷静に分析してある。
複数の視点をもつこと、価値観を共有することが難しい多極的な世界をどう理解するか、どう捉えるか。
と言っても、価値ニュートラルな相対主義的な世界にとどまることは、今回の戦争は倫理的に許されないという感覚がある。
そのあたりをしっかり考えるのに役にたつ。 -
Posted by ブクログ
イギリスのEU離脱の話が持ち上がったとき、「親戚同士の内輪もめ。日本やEU以外の国にはたいして影響ないんじゃない?」くらいに思っていたのだが、考えを改めた。
というのも、21世紀に入ってからEUは米国や中国、ロシアに対峙する存在として存在感を増していた。政治的にもしかり、経済的にもしかりである。
IFRSほか、国際的なルール作りでも主導的な役割を果たすようになってきたが、GDPで約15%、人口で約13%、国連安全保障理事会常任理事国であるイギリスが抜ける影響は少なからずあるだろう。
EU内のパワーバランスだけでなく、世界のパワーバランスにも影響が出そうな印象を持った。
それ -
Posted by ブクログ
ネタバレフライヤーで読書
ブレグジットについての知識があまりなかったので、
もう少し勉強が必要だなぁと感じた。
EU離脱は52対48という僅差で実現された。
EU離脱によってイギリスが混迷しているのは、
①イギリスがEU離脱の影響をしっかりと理解していなかった
②離脱交渉の目標がイギリス政権内で一致していなかった
③まともな交渉にならない絶対的条件を定めていたから。
イギリスは今までどっぷりEUにつかっていたので、
そんなにすぐに関係が切れるわけもなく、
その関係性の中で、主導権の手綱を手放してしまった。
イギリスがこのブレグジットで得たものはほとんどなく、
経済的損失は計り知れないものにな