本山聖子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
本山聖子さんはデビュー作の『おっぱいエール』がすごく良かったので、新作が出るのをずっと待ってました〜待望の2冊目!
前作では若年性乳がんを患う3人の女性が主人公でしたが、今作の主人公は不妊治療クリニックで胚培養士として働く長谷川幸、32歳。胚培養士とは、産婦人科医などの指導のもと、顕微授精や体外受精などの生殖補助行為を行う医療技術者のことなんだそうです。
少し前に、おかざきまりさんの『胚培養士ミズイロ』という漫画を試し読みして、普段の生活では関わりのない珍しい職業をテーマに描いてるなぁと、びっくりしていたところでした。
現在、4組に1組が不妊治療をし、14人に1人が体外受精で生まれているんだそうです。私が想像していたよりも、かなり多いですね。実際に不妊治療を経験した作者ならではの、とてもリアルな実情が描かれていました。
不妊治療やAID(夫以外の第三者から提供された精子で人工授精を行う技術)だけでなく、大人の引きこもりやシングルマザーや毒親、仕事に対する葛藤や血縁問題、死生観まで、盛りだくさんでした。
私自身も若い頃は結婚したら子どもを産んで育てるのは「普通」だと思ってました。でも今は妊娠や出産って本当に奇跡だなぁと思います。
結婚をするしないも、子どもを持つ持たないも、人それぞれだし他人が口を出すべきものじゃないですよね。普通ってなに?しあわせは人それぞれ、自分が決めることですよね。
主人公の幸がかなりネガティブで『おっぱいエール』のような爽快さがなかったのと、ラストがう〜ん、ちょっと私の好みではなかったのが残念でしたが、でもいろんなことを考えさせられて、時には目頭が熱くなり、読み応えもあってとても良かったです。