小峰元のレビュー一覧

  • アルキメデスは手を汚さない

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    刑事の部下のような立場で読むことができました。
    物語が徐々に明かされていき、どんでん返しというよりも証拠に基づいて論理的に暴いていく物語なので、自分が物語の1人になれた気がしました。

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    2025年02月22日
  • アルキメデスは手を汚さない

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    ネタバレ

    4.9
    凄い。 どこまでも精密に作られた作品。
    まず第一に
    裏と表を絶妙に突いてくる。そして裏と表はとっても密接しているものだと教えてくれる。

    法律のもと行った仕事だと正当化しつつ、法律なんて関係ない私が犯人に手を下してやると言う、健次郎。

    そして、ラストには純朴、無垢な子供たちも
    自身の正義を生きるためには手を汚すことも厭わないと思う。 あんなに敵視した健次郎も歩んだ道だろう通路を行く。

    似たようなことなら、 父親に対し、近いからこそ憎しをもち、正しく生きようとするがその最中、自分から子を身籠りそして殺す選択をした事実。
    これは子供だからこそできる選択。

    女心もわからない鈍感男ね、と

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    2020年05月13日
  • アルキメデスは手を汚さない

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    元祖青春ミステリーだそうです。タイトルは普遍的で意味深い。人類は進歩し続けると共に失う、寧ろ自分自身を殺す羽目になる。そんな一つのパラドックスを投げかけてます。トリック云々を語る推理小説ではないです。高校生の現実を明るみにだした、当時としてはちょっとしたエポックメイキング的な作品だったのでしょうか。本作は東野圭吾氏が作家を志すきっかけとなったことで有名らしいです。

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    2023年12月20日
  • ディオゲネスは午前三時に笑う

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    小中学生の頃大好きだった哲学者シリーズ。正統派青春推理ってやつですが、作者も亡くなってしまったようだし、もう売ってないんですねー。なんか寂しい。

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    2009年10月04日
  • アルキメデスは手を汚さない

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    1970年代の日本

    東京オリンピックや大阪万博など景気の良い話の陰に、強引な開発や公害の垂れ流しを「多少の犠牲はつきもの」としてうそぶきながら大人たちが日本再建に躍起のなか、子供達はイデオロギーに戸惑いながら戦前からの道徳感を打ち破って、少しづつ新しい時代を自ら作り出そうとしていた。

    物語はそんな空気感の狭間で起こる事件をめぐり、大人たちと高校生たちを描く。

    女子高生の妊娠と中絶手術のはての死
    妻子ある男性との不倫とコンクリート詰の死体
    鉄ぐし差しの死体と密室
    青春ものとは縁遠いかに思われる内容が次から次へと起こる。

    70年代に書かれてあっという間に当時の若者たちの間で広がった小説。

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    2025年02月11日
  • アルキメデスは手を汚さない

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    「海のはじまり」を観ていたら、
    夏の本棚に本書が並んでいて、
    そういえば以前購入して
    積読状態とままということを
    思い出して読みました。

    1973年刊行なので、
    時代背景を考慮した上で
    読む必要があります。

    なので、本書についていけない人も
    沢山いると思います。

    かろうじて、当時の状況を
    想像することが出来ましたが、
    その時代に読んでいれば
    もっと高評価をつけていたはず。

    高校生が今より大人びていそう

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    2024年07月04日
  • アルキメデスは手を汚さない

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    堕胎手術で亡くなった女子高生美雪、誰の子を妊娠していたのか…父親が相手の男を探す話と思ってたら、そこからどんどん事件が発生してきて誰がどう関わってるのか全く分からん!読み進めるたび一転していく面白い。各々の正義がこうも狂わせるか……!

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    2023年08月06日
  • アルキメデスは手を汚さない

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    何かタイトルが今風かと思ったけど(アルキメデスの大戦と被ってるだけかも?^^;)、国鉄とか言葉出て来るから古い作品やな!
    関西地方の話やから、分かるけど、この頃から比べたら、だいぶ、交通の弁も良くなってるで!
    後で、調べたけど、めっちゃ有名な作品。東野圭吾さんが、作家を志すきっかけの作品やとか…
    半世紀前ぐらいの作品なんで、多少の古さはあるけど、推理小説としては良い感じ。
    時代背景は、感じるな。タイトルの意味もしかり。

    しかし、こんな賢い高校生おるか?ってのは思う。
    西村京太郎さんばりの時刻表のトリックとか(でも、西村京太郎さんの方が後発になるのかもしれん。)、アリバイ作りとか。
    アルキの会

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    2023年07月09日
  • アルキメデスは手を汚さない

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     東野氏の原点として紹介されていた作品。昔と今とで随分と推理小説の形態が変化したと感じる。昨今は奇をてらった殺害方法やストーリーに緻密なまでに張り巡らされた伏線とその鮮やかな回収、そしてどんでん返しが期待されているが、そんなものがなくても面白い作品は面白い。姉の死に関してほとんど説明がなくてもOKなのだ。現代で出版されていたら、レビューで解説が足りないとか謎が残ると言われそう。文章も難しく、昔の学生はこんな文章も読めていたと思うと、よりわかりやすく簡素化が求められている昨今の私たちは、知能指数が落ちてきているのかな、と思ってしまった。
     本筋の事件よりも、最後の弁当セリ市を開催していた田中の一

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    2022年11月25日
  • ピタゴラス 豆畑に死す

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    ネタバレ

    ギリシャ時代のエピソードをひっかけているが、推理としては無理を感じる。ピタゴラスの豆とは何か? 巻末でその意味が明かされる。人生のタブーの中の夢を追いかけていく。それぞれの豆。私にとっては何だったのだろうか。

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    2021年12月11日
  • アルキメデスは手を汚さない

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    単なる謎解きでなく、純粋な学者のふりをしても、結果として軍事利用される科学技術の戦争責任にまで問う視野の深さをこの題名は示している。70年代の若者の社会の偽悪に反発する風潮もうまくとらえて、見守ろうとする大人。

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    2021年12月05日
  • アルキメデスは手を汚さない

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    それほど古い作品だとは知らずに手に取りましたが、登場人物がなんとも言えない魅力を醸し出しているので、飽きる事なくあっという間に読めてしまいました。
    推理という面では少しあっさりした作品ですが、今の学生の青春とはまた違った形の青春を感じるストーリーが魅力的です。

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    2019年02月15日
  • パンドラの恋愛能力共通一次テスト

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    ライトノベル感のあるボヤキ系青春ミステリー連作短編集。「長門有希の100冊」に入っていたから買ったような気がしていたのに、調べたら入ってない。どこで見たんだ?

    共通一次試験の時代の話なのに、西尾維新や谷川流のキャラクタみたいに小難しい言葉や雑学知識を詳らかに交えながらぼやく主人公が出てくる。そのギャップが少し面白い。

    内容は至って阿呆で、「共通一次に向けて勉強している場合か。我々はこのままでは恋愛共通一次で足切りされてしまうぞ」とモテナイ男子高校生数名が一念発起色々やるうちに、いくつかの事件に巻き込まれたり絡んだりのっかったりする、という感じ。

    読みやすいし、ミステリとしてもしっかりして

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    2015年09月17日
  • ピタゴラス 豆畑に死す

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    ここに登場する、〜でゲスっていうしゃべり方の落ち研の男の子が大好きだった。
    女の子に、理性的な配慮ができるところが、好ましいです。

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    2009年10月04日
  • アルキメデスは手を汚さない

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    ネタバレ

    今の時代からするとちょっと昔風だなと感じる言い回しが多かったですが、舞台である1970年代の学校に通う学生たちの雰囲気がよく感じられました。美雪の死、毒入り弁当事件、亀井の死・姉の死といった事件が立て続けに起こり複雑な展開になっていく様は、現代にも通じる面白さがあると思いました。

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    2025年12月21日
  • アルキメデスは手を汚さない

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    学生らしい万能感と時代が重なった結果か

    時代背景(連合赤軍とか)をある程度知らないといまいちピンとこないだろうなという描写がある。
    が、小粒の謎が散りばめられている点が、今読んでも面白さを感じられるテンポ感につながっていたと思う。

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    2025年11月18日
  • アルキメデスは手を汚さない

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     50年以上前の昭和が舞台のミステリーで、設定や進行が現代の常識や価値観からみると荒唐無稽で、その当時の映画やドラマに感じる違和感を感じた。また倫理観も、例えば女性は陰険なもの等、現代では通じない倫理観が固定概念として扱われており、現代と乖離した昭和独特の雰囲気を感じた。しかし昭和のノスタルジーに浸れる感覚から、純文学を読んでいるような感じがよかった。物語は古典的ミステリー小説のトリックなどが多く使われ、現在に続くミステリー小説の原点のように感じられたが、反面として現代の感覚で本書を読むと、使い古された感のある物語に思えた。

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    2025年11月03日
  • アルキメデスは手を汚さない

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    第19回乱歩賞受賞作、なんと70年代!東野圭吾が読んで作家を志した本作、勉強がてら読んでみました。
    青春ミステリのはしりとも言われるこの作品、70年代の空気感は感じるがメッチャ読みやすい!
    大人と子供の理解の断絶は不変的なものなのだろうかな。謎が小粒だがタイトルがカッコいいね!

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    2025年06月02日
  • アルキメデスは手を汚さない

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    ・社会や大人に対して自分達を主張したい高校生による青春小説としても読める。そこに3つの事件が発生し心理的な攻防戦が展開されていくのが面白い。
    ・言葉の表現、空気感が時代性を感じるが思春期から大人へと変貌していく剥き出しの精神的な部分は今と変わらない。

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    2023年12月20日
  • アルキメデスは手を汚さない

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    ★もうお伽噺の年齢は過ぎたんだぜ。(p.374)
    3つの魅力(1)学生の頃、超ベストセラーでした。それゆえ逆に読む気になれなかったので、どんなんやったのかなあと楽しみ。(2)どうやら登場人物たちは高校生であり、この当時らしくそれ以前の世代に比してドライで、適度にシニカルで軽く、でもそれなりに反抗的、そして何かを探して焦っているように描かれてそう(読む前の予想)。読んでみて、この世代の雰囲気は出ているように思いました。まったく同世代なので、未熟なのに自分ではさばけているようなつもりになっているキャラたちに過去の自分を見るようで恥ずかしさがおもろいです。「新人類」という語が出たのはもうちょい後だっ

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    2023年11月04日