猪熊律子のレビュー一覧

  • 塀の中のおばあさん 女性刑務所、刑罰とケアの狭間で

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    ネタバレ

    そうだよねえ、と同意。女性の貧困と格差のしわ寄せが終の棲家を塀の中にするおばあさんたち。偉そうなじいさんたちと対になってみえる。暴力が当たり前の育ちがあることを見てショックを受けるかどうか。いかんともしがたいものと、どうにかなりそうなものと。運だと思う。

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    2023年08月30日
  • ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言

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    長谷川式簡易スケールは、臨床の場でよく使われる、医療従事者にとってはおなじみの検査。
    認知症の専門医である長谷川さんですら、当事者になったことで初めてわかったことがあるという。

    認知症だからといって差別をしてはいけませんとか、尊厳を持った1人の人間として接しましょうとか、そういった認識は医療従事者であれば持っていて当然で、むしろ当たり前すぎて「何を今更」と感じたのが正直なところ。

    しかし、読み進めていくうちに長谷川先生の認知症への探究心、認知症になってもなお、それに悲観せず認知症を深く知ろうとする姿勢に心を打たれた。
    同時に、自分がやってきた(やっている)看護やケアは実際のところどうなのか

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    2023年08月15日
  • 塀の中のおばあさん 女性刑務所、刑罰とケアの狭間で

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    「刑罰とケアの狭間で」とあり、まさにそう思った。刑罰よりもその人の周りの環境、心情を理解し、不足しているところに寄り添い支えることが重要である。ケアを女性に任せてきた世の中。その考えに縛られる時代から解き放たれたい。

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    2023年08月08日
  • ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言

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    「認知症になったからといって人が変わるわけではない。」
    「認知症は突然ではなく、それまでのつながりの中にある」

    といった言葉が印象的。

    認知症の人と接する時に、無意識のうちに抱いてしまっている「あちら側の人」意識を変えるきっかけになる本。

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    2023年01月09日
  • ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言

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    認知症ではないが、持病がある自分としては、健常者と同じように扱ってもらうありがたさが身に染みてよく分かる。自分がもし認知症になったら読み返してみたい。

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    2022年12月18日
  • ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言

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    長谷川式といえば医師で知らない人はいないと自信を持って言えるが、その作られるまでの経緯なども少し書いてくださっている。これまでの臨床医としての歩みや今思うことについて、身一つで書いてくださっており、全身で臨むような文章からは病院での姿が垣間見えるような気さえした。
    とても感慨深く読めた。

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    2022年09月08日
  • ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言

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    長谷川式スケールで有名な著者の本とあって“積読”してあったのだが、つい先日の訃報を見て引っ張り出してきた。

    長らく認知症治療の第一線にいただけに、認知症の医療や認知症の患者のとらえ方の変遷がよくわかる。

    現役時代は相当厳しい先生だったようだが、文面から伝わってくるのは好々爺然とした姿。

    認知症になって「とくにいいなと思ったのは、デイサービスに行ったときに受ける入浴サービスです。(中略)王侯貴族のような気分です」とは当事者にならねば分かるまい。

    高齢になっても「心がけているのは、明日やれることは今日手をつけるということ」だったとか。真逆の自分に恥じ入った次第。

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    2021年12月07日
  • ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言

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    著者の義理のお父さんの認知が進んで、一緒に食事をした時、「みなさまはどなたですか」と仰った。先生ご夫妻をはじめ周りのものたちがどう返答していいか思いあぐねていた時に、娘さんの言ったことば。「おじいちゃん、私たちのことをわからなくなったみたいだけど、私たちはおじいちゃんのことをよく知っているから大丈夫。心配いらないよ。」なんてステキな声かけだろうと思った。

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    2025年05月08日
  • ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言

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    ある日から突然認知症になって何もわからなくなるのではなく、連続した自分を生きているだけである、という言われてみれば当たり前だがついつい忘れがちなことに改めて気付かされた
    喜怒哀楽は最後まで失われにくいとのことで、軽く扱われたり存在を無視されたりした時の悲しさ、対等で尊厳ある人間として扱われていると実感できた時の安心感を想像したうえで行動したい
    人間を尊重するって死ぬほど難しいと思うけど。尊重するという行為は、軽蔑や拒否感、嫌悪感といったほぼ生理的反応を理性で封じ込めることで成り立つもので、道徳心が培われれば自然にできる類のものではないと思う。感情の訓練ともいえる、非常にストイック。
    皆望んで認

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    2025年03月02日
  • ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言

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    認知症という呼び方に変えた話は初めて知った。
    確かに『痴呆』というより良い。
    やや綺麗事な話ではあったが為になる本でした。

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    2025年01月12日
  • ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言

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    認知症の専門医で、日本の第一人者であり、自らが認知症となった事を公表している長谷川先生著作の一冊。
    認知症になっても、喜怒哀楽の感情は最後まで残ると言われています。映画、音楽、美術など、症状が進んでも、最後まで楽しみたい。
    また、先生も触れられているが、最後には、その人が信ずる宗教的支えは、是非ほしいものだ。欧米人に言わせれば、当たり前かもしれないが。

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    2024年04月07日
  • 塀の中のおばあさん 女性刑務所、刑罰とケアの狭間で

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    ウーン社会の問題はいろいろなところに歪ができますね。刑務所の中にもこんな問題が出てきます。自己責任と言ってしまえばそれまでなのですが、社会の問題として考えていかなければ大変なことになりそうです・・・。Eテレで元女性受刑者のホンネの話を面白おかしくやる番組がありましたが、笑い事ではありません。累犯が多いということは、だんだんに歳をとっていくのですから・・・。そうなります。

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    2024年03月18日
  • ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言

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    認知症のスケールを作った本人が認知症になったことでの想いを読める本 認知症だからといって違うものとして無意識に見てしまっていたことに反省…認知症の人もその人の人生を生きているから、色物として見ずに普通に接すること。おかしなことを言ったとしてもそれは自分でもあることだから、"その人らしさ"として関わっていきたいと思えた。恥ずべきことじゃない、認知症であることは。

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    2024年01月14日
  • ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言

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    ネタバレ

    自分の体験の確かさ、がはっきりしなくなる。
    なにをしたかがあやふやになり、何日かがわからなくなる。
    100歳を過ぎれば、ほとんどの人が認知症になる。
    最初に時間の見当がつかなくなり、場所がわからなくなり、人の顔がわからなくなる。

    講評したことで、あちこち取材を受けたことが進行を遅らせた。嗜銀顆粒性認知症だった。
    認知症の定義は、いままでの暮らしができなくなること。
    一生ならないのは、先に死ぬだけ。いかになる時期を遅らせるか。
    認知症は固定されたものではない。
    笑うことは大切。

    パーソンセンタードケア=その人中心のケア=小さな子が転んだとき、4歳くらいのお姉ちゃんが一緒に寝転がって笑いかけた

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    2023年12月06日
  • 塀の中のおばあさん 女性刑務所、刑罰とケアの狭間で

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    塀の中は知らないことだらけ、驚くことばかり。
    女性の犯罪は「窃盗」と「覚醒罪取締法違反」の二つで8割以上を占める。
    これらの罪を犯す受刑者は「これが三度目」「五度目」など、累犯が多い。「負の回転扉」と呼ぶ。

    独りでポツンが嫌なのか、平均50代、80代の高齢者もいる。
    最近まで、92歳の受刑者がいたというのも驚いた。

    冤罪により半年近く拘置所に勾留された経験を持つ元厚生労働事務次官の村木厚子さんが、「現代社会の中で生きづらさを抱えた人が、自分の弱さもあって逃げ込んだ場所が刑務所ではないかた思います」と語ったそうだ。

    弱さからくるものだけだとしても、そうならないようできることはなんだろうと思

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    2023年09月09日
  • 塀の中のおばあさん 女性刑務所、刑罰とケアの狭間で

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    女性刑務所も高齢化が進み、介護が必要な受刑者も多い。介護福祉士のリハビリがあったり、外よりも手厚い場合もある。なかなか難しい問題である。

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    2023年07月04日
  • ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言

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    長谷川スケールの長谷川先生が自ら認知症になったことを公表された著書。

    午前中は調子よく、午後は疲れてしまいわからなくなると言う。

    初期の段階で診てもらう方がいいのだろうが、やはり病院で検査を受けさせるのは本人が嫌がったりして連れて行きにくい

    将来的に認知症にならない薬ができるのだろうか

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    2023年05月06日
  • ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言

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    母がレビー小体型認知症を発症して、それが一体どのような世界なのか知りたくて選書した。印象に残っているのは「待つ」というのはその人に時間を差し上げることだと著者は言う。差し上げる作業が多いと苦痛になるが、一日のうち何時間かを差し上げたと思えばいいことをしたような気持ちにならないでもない。

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    2022年11月15日
  • ボクはやっと認知症のことがわかった 自らも認知症になった専門医が、日本人に伝えたい遺言

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    認知症の専門家である著者が、当事者になって初めてわかった事を書いてくれたことは大きな意味があると思った。
    認知症に限らず他の病気であっても、その人の尊厳が損なわれる事はないこと、病気ではなくその人自身と向き合う姿勢が大事だということが書かれており納得。当然のようだが忘れがちな事だと思うので、改めて肝に銘じておこうと思った。

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    2022年10月06日