尾崎俊介のレビュー一覧

  • アメリカは自己啓発本でできている

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    めちゃ面白かった!『学問のすゝめ』は確かに自己啓発本ね。自己啓発本がアホみたいに売れるのは日米くらいだそうで、それはそれで良い社会の証明。ただ、会社が自己啓発本を勧めてきたら警戒すべし。
    一点ウーンという箇所があった。サッカー系自己啓発本はダンディズムを説き、野球系は組織論を説く…というのは違うんじゃないかと。サッカー系は主に選手が書き、野球系は監督ってだけでは? サッカーは選手ほど監督の一般社会での知名度がそんなに高くないだろうし…黒田さんの『勝つ、ではなく、負けない。』は組織論として面白かったよ

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    2024年12月11日
  • アメリカは自己啓発本でできている

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    自己啓発本のルーツ、3つ。
    努力して成功する、自伝系
    願えば全て叶う、引き寄せ系
    ポジティブシンキング
    アメリカの歴史から必然的に生まれてきた系統の解説が面白い。

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    2024年11月04日
  • ハーレクイン・ロマンス

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    前作『ホールデンの肖像』では、「ライ麦畑」の文庫化にまつわるエピソードに始まって、現代のブッククラブ事情まで論じたが、本書では改めてハーレクインロマンスシリーズだけを取り上げており、重複している部分がかなりあるのは確かだが、テーマが絞り込まれている分だけ考察が深くなり(販売チャンネルの挫折とその後の鮮やかなM&A戦略等々)、また近年のグローバル化に着目するという広がりも見せている。
    【付記】マーケティングであるとか、読書文化であるとか、いろんな切り口が見出せる面白い題材なのだが、なんといってもシリーズの隆盛が当時のウーマンリブ(第二次フェミニズム)の運動と真っ向からぶつかり合ったというくだりが面白く一体どうなったのかとハラハラさせられた。

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    2023年02月14日
  • ハーレクイン・ロマンス

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    友だちが貸してくれたのがきっかけで、「主人公とお相手の名前と職業と髪の色とあと物語の場所が違うだけで、展開はぜーんぶ一緒じゃん」と半ばバカにしながらも、何年かは結構ハマってずいぶん読んだなあ、と懐かしく思い出した (^_^;)

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    2021年05月05日
  • ハーレクイン・ロマンス

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    英米文学の専門家が、ハーレクイン・ロマンスについて書いた本。ハーレクイン・ロマンスは読んだことがなかったが、タイトルは知っているわけで、なぜ、読んだこともないし、周りで話題になったこともないのに、有名なのかがわかった。学術的に分析がなされており、ステレオタイプ的な表現もあるのかもしれないが、面白く読めた。ハーレクイン・ロマンスについてかなり詳しくなった気がする。
    「ハーレクイン・ロマンス:「恋は本屋さんで売っている」というキャッチ・コピーで日本でもお馴染みの、カナダ生まれの翻訳ロマンス叢書である。現在は「ハーレクイン・ロマンス」に加え「・イマージュ」「・ディザイア」「・セレクト」「シングルタイトル」といった様々なバリエーションがあり、各バリエーションとも月2回、5日と20日に3冊程度の新刊が出るので、合計すると月に30冊以上、年間で言えば400冊ものカナダ産ロマンス小説が日本の愛読者に提供されている」p10
    「ハーレクイン・ロマンスの読者はほぼ100%、女性に限定されているので、男性にとってはあまり縁がない」p10
    「(内容はほとんどどれも、単純なハッピーエンドの恋愛小説)世の女性たちは本当にこんなロマンス小説を読んで夢見心地になっているのか?と、男の私からすれば目が点にならざるを得ないのだが、売れているのである。それもとんでもない数が。何しろハーレクイン・ロマンスはオリジナルである英語版のほかに28か国語に翻訳され、日本を含む世界114か国で売られていて、これまでに累計67億部が売れている。書店の片隅の専用ラックにひっそりと並べられたハーレクイン・ロマンスは、実はとんでもないシロモノだったのである」p19
    「1957年、イギリスのミルズ&ブーン社とカナダのハーレクイン社は紳士協定を結び、両者の業務提携が始まった。提携後、初の出版物となったのは、ハーレクイン叢書407番 アン・ヴィントンの『ブワンボの病院』という病院を舞台にしたロマンス小説」p26
    「ミルズ&ブーン社とハーレクイン社との関係は、イギリスのミルズ&ブーン社からハードカバー本として出版されたロマンス小説の再版権をカナダのハーレクイン社が買い取り、それをペーパーバック化して「ハーレクイン・ロマンス」という名称の下、カナダで売り出すというものであった」p27
    「有名な1人の作家よりも大勢の無名作家」p34
    「ミルズ&ブーン社が「1週おきに2冊から4冊の本を出版する」という過密な出版スケジュールを確立したのは、貸本屋を訪れる女性顧客の心を捉えるための重要な戦略だったのである」p36
    「(内容の均質化)一般にロマンス小説を愛好する女性読者というのは、先の見えないハラハラ、ドキドキのストーリー展開を嫌う。ロマンス小説にそんなものを期待していないのだ。彼女たちがロマンス小説に求めているのは「たとえどんな状況であろうとも、いずれヒロインはヒーローと恋に落ち、結婚して、幸せになる」という安心感であって、その安心感を多少なりとも揺るがすような要素は要らないのである」p37
    「(アメリカ市場)1965年、年間600万部のセールスだったハーレクイン・ロマンスが、毎年35%の伸び率で売り上げを伸ばし、77年にはついに1億部の大台に乗るところまで急成長を遂げた」p65
    「(公式・約束事)大まかにいえば「ヒロインがヒーローに出会い、二人は障害を乗り越えて恋に落ち、そして結婚する」ということに尽きる」p66
    「ヒロインは、20歳そこそこの若い女性と相場が決まっている(読者はヒロインより常に経験豊富ということになる)」p67
    「ヒーローは、すべての登場人物の中で一番背が高い。しかも背が高いだけでなく、胸板も厚い。実質、ハーレクイン・ロマンスでは筋骨隆々のマッチョマンしかヒーローになれない」p72
    「(釣り合わないカップルであること)どう見ても釣り合わない二人、どう見ても出会いのなさそうな二人、どうみても気が合わなそうな二人、そんな二人がなんと恋に落ちる、というところがいいのである」p73
    「(3条件)「ヒロインの視点から物語が語られること」「ヒロインの内面の美しさによって高嶺の花のヒーローの心を捉えること」「ヒーローとの幸福な結婚により、ヒロインの社会的・経済的地位が上昇すること」」p79
    「(ハーレクイン・ロマンスの成功)「ハーレクイン・ロマンスはどれも同じであるから、読者はすぐに飽きて買わなくなるであろう」ではなく「どれも同じであるから、それを好む読者は安心して継続的に買っていくであろう」」p81
    「(パミラ)上流階級として地位もお金もある男が、貧しい平民の娘と結婚するのであるから、二人の結婚は政略結婚ではなく恋愛結婚だったのだ。これは当時としては、それこそビックリものである」p100
    「読者を赤面させない上品なロマンス小説が今、最も受け入れられるのは、東欧・中東・アフリカ・アジア市場であり、とりわけ巨大な中国市場である」p181

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    2020年02月18日
  • アメリカは自己啓発本でできている

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    ネタバレ

    自己啓発本の王道=努力して成功する。フランクリンの自伝、カーネギー自伝など。スマイルズ『自助論』など。その継承が『7つの習慣』。フランクリン・プランナーを見るとフランクリンの後継者を自認しているのでは。

    『原因と結果の法則』=人はだれでも考えている通りの人間である。ここから、引き寄せの法則が生まれた。エマソン、アトキンソンなど。宇宙のパワーを導入、不可解な現象の理論付けをした。ベストセラー『ザ・シークレット』

    自助努力系自己啓発本と引き寄せ系自己啓発本。自己啓発本は、知的上流階級の人たちからは不当に下に見られている。

    ポジティブシンキングの本。『積極的考え方の力』ノーマンヴィンセントピール。『チーズはどこへ消えた』。この時期、心理学会会長にセリグマンが就任。アメリカはポジティブ病社会でもある。

    金持ち指南の自己啓発本『ダイヤモンドを探せ』~『夢をかなえるゾウ』、アメリカでは金持ちになるにはセールスマンとして成功することとイコール。
    『隣の億万長者~成功を生む7つの法則』
    年長者が人生ととく=『ビジネスマンの父より息子への30通の手紙』~満足した人生が大前提。日本では、『君たちはどう生きるか』

    日めくり式自己啓発本=『プーアリチャードの暦』。カール・ヒルティ『眠られぬ夜のために』
    日めくり式は女性に任期。男性は、急速な上昇を望むもの。ウーマンリブ時代の『マインドカレンダー』

    スポーツ界の自己啓発本~元はスポック白紙の育児書。ベビーブーマー世代が選んだのがダイエット自己啓発本。『奇跡のランニング』『ジェーン・フォンダのワークアウト』など。スポーツが精神収容的なものとして扱われた。長谷部誠『心を整える。』など。

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    2026年04月20日
  • ハーレクイン・ロマンス

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    ネタバレ

    なんでハーレクイン・ロマンスはあいも変わらず読みつがれているのか。いつもいつも同じような筋書きらしいのに、飽きずに毎度毎度、発売を待ち構える読者がいるのはなぜか。いったい何がいいんでしょうか?

    このような疑問に大真面目に答えてくれるのが本書である。文学研究者たる著者(おじさん)が10年もの研究期間の成果をもとに書いたものであるから、資料と分析は確かである。
    ハーレクイン・ロマンス誕生以前の女性向け小説および女流作家の系譜もきちんと押さえられ、現代にいたるまでの流れがよくわかる。
    そして、おじさんであるゆえにハーレクインを読む女性の心理も客観的に分析されている。
    終盤はハーレクインを読まねばならない女性の理由も解明され、ちょっぴり切ないところもあった。

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    2026年01月21日
  • ゼロから始める 無敵のレポート・論文術

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    論文の書き方の指南書として、とてもわかりやすい。実例も多く、参考になると思う。アメリカ文化をテーマにした卒論を例示しているところが、自分の嗜好と異なるので評価を3としている。アメリカ文化に関心のある人にはその点でもおすすめかも。

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    2025年09月09日
  • ゼロから始める 無敵のレポート・論文術

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    『無敵のレポート・論文術』は、単なる「レポートの書き方本」ではありません。むしろ本書の真価は、「卒論とは何か?」という問いに答えを与えてくれる点にあります。これから卒論に挑む人にとって、まさに道しるべとなる一冊です。

    もちろん、この本だけで卒論がすべて完成するわけではありません。しかし、完成までの道のりをどう歩むか――そのための「ヒント」がぎっしり詰まっています。特に実際の卒論例が豊富に紹介されており、「卒論のイメージがつかめない…」という人には強い味方になるでしょう。

    中でも注目すべきは、巻末の補講として取り上げられているアメリカ文学の卒論例。これがなかなか面白く、アメリカ文学で卒論を書こうとしている人には特に有益です。内容の掘り下げ方や分析の視点など、実際の構成例として参考になるはずです。

    ただし、全体を通してみると、テーマ設定のアドバイスは的確なのに対し、その後のプロセス(構成の立て方や執筆の進め方など)についてはやや物足りなさを感じる部分もあります。実例が豊富なパートと、もう一歩踏み込んでほしかったパートが混在しており、その点では評価が分かれるかもしれません。

    とはいえ、これから卒論に取りかかる学生にとって、本書は「読んでおいて損のない一冊」です。完璧な指南書は存在しないとはいえ、『無敵のレポート・論文術』は間違いなく、その第一歩を後押ししてくれる良書です。

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    2025年07月28日
  • アメリカは自己啓発本でできている

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    自己啓発本の起源と発展がわかり面白かった、特に育児書のパートなどは、自己啓発本と人間の関係、また自己啓発本に影響された人間が他の人間に与える影響にも言及されており、単なる自己啓発本紹介に止まっていないのがよかった。

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    2025年02月28日
  • アメリカは自己啓発本でできている

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    自己啓発本の歴史、総まとめで分かりやすくまとめられ社会の風潮との関連にも言及してあり興味深い。
    また主要な本の著書や内容紹介も参考になりました。

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    2024年12月30日
  • アメリカは自己啓発本でできている

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    心の底から自己啓発本を馬鹿にしきっている私、「自己啓発本はアメリカ発祥でその出現にはそれなりに歴史的経緯がある」「自己啓発本を白い目で見ている人にこそ読んでほしい」ということで興味をそそられ、読んでみたが…
    残念。気持ちはほとんど変わらなかった!

    そもそも本書はかなり軽めの文体で書かれているが、自己啓発本に抵抗のある読者にきちんと読んでほしいと思うならばこの文体は間違いではないか。「やはり自己啓発本は薄っぺらくて軽い」という印象から全く抜け出すことができなかった。

    また、日本で自己啓発本が受容された理由の説明が適当すぎる。
    理由は「士農工商制の解体」と書かれていたが、一体その根拠は何か、全く記されていない。
    私の考えは、歴史学者安丸良夫が言うように、江戸寛政期における資本主義の台頭の時期に、人生は道徳的行いによって自分で好転させていくことができるとする「通俗道徳論」の考え方が芽吹き、自己責任的思考が多くの日本人に受容されたことが理由だと思う。(当然ながら、自己責任論と自己啓発本はとても相性が良い。)
    それに全く触れられていない時点で本書に対する信頼感を失ってしまった。
    自己啓発本の始まりは、ベンジャミン・フランクリンなどアメリカにおけるストイックな成功者の自伝であるという点は少し興味深かったくらい。

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    2024年09月13日
  • アメリカは自己啓発本でできている

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    自己啓発本は、「出世したければできる環境」と「出世したいと思う人」が揃わないと、成立しない。

    だから、米国発なのか。

    著者は、米国文学文化の研究者で、あるきっかけから自己啓発本の面白さに気づいて、読み漁ってきた人。愛に溢れている。

    元々は、自助力型であった自己啓発本が、引き寄せ型になり、父から息子への手紙であったり、カレンダー型になったりと、読み物としてわかりやすく面白い。

    先の大戦後、戦場から国に戻った若者が、平和な国内でのほのんと暮らしていた親たちとの間に溝を生み、あいつらのいうことなんか聞けっかー、でも子育てむずかしすぎてわかんねー、ので育児啓発系の本が一斉を風靡し、あんなジジイになるもんかー、と痩身系啓発、さらに健康ブームと、実のところベビーブーマー世代の成長とともに自己啓発の中心も遷移してきたという分析は膝を打つ。

    玉石は混交しているものの、総じて自己啓発本の魅力を肯定的に論じている著者で、引き寄せ系ですら「今日自分が置かれている状況に納得がいかず、さらに良い人生を求めるなら、自分自身が変わる他ない」とその一点を認めてるのは、おかしくないか。

    思えば実現するのはいいが、思ってるだけで何もせん。
    前向きになるだけでは、気がつくと回復不能になっている可能性もあろうもん。

    成功者の体験はいいが、生存者バイアスに過ぎないし、答えに導く方法があると言われた段階で、宗教、それも安易な新興宗教と大差ないとしか思えんのだよなあ。
    まあ、自己啓発本嫌いなんで、読んだことが殆どないからその辺、大量に目を通しておられる筆者の知見には全く及ばないのだが。

    最も全部いいよと言ってるわけでなく、とほほな本の一冊として、「水は答えを知っている」をあげておられる。ちょっと前なら、トンデモ本の筆頭で一部界隈に旋風をもたらしてた本なのだな。

    あれも自己啓発本になるのか。

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    2024年09月07日
  • アメリカは自己啓発本でできている

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    なかなかどうして面白い。
    「7つの法則」とか日本でも人気のある自己啓発書の位置づけなんかも歴史的経緯も含めてうまく解説されていました。

    そしてそして、本邦の自己啓発書として長谷部誠氏の「心を整える。」がベタ褒めされている。読まねば!

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    2024年07月25日