岩井勇気のレビュー一覧
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購入済み
タイトルに惹かれた
本当にくだらない話ばかりで、取り立てて事件もなくて、タイトル通りの内容だった。でも、「どんな日常でも楽しめる角度がある」という一節に、すごく元気づけられたし、あぁ、読んで良かったかもって思った。
相方の澤部さんの芸能人としての振る舞いなどについて話しているあとがき(書き下ろしらしい)も、面白かった。親戚や地元の同級生の話も出てきて、これが結構毒舌で、大丈夫?!ってヒヤヒヤしたし、少し後味悪かったりするものもあるけど、リアルな岩井さんの考えや生活を覗き見できている気がして、それはそれで面白かったです。 -
Posted by ブクログ
冒頭の『トーク番組で人生を面白おかしく話すのが苦手だ』という出だしに共感します。
私は一般人ですが、同じように対人関係の中で自分を語るのがどうも下手です。
岩井さんは、苦手と言いながらさすがネタを作ってきた人ならではの起承転結を心得た文章がうまいです!
又吉直樹さんやオードリーの若林さん‥などネタを書く側だった芸人さんたちは、おしなべて文章力がありますよね。
お客様をなんとかして笑かそうと、日々努力してネタを作っている人たちなので、書くことに関してはプロなのでしょう。
岩井さんのこの本は、目の前のお客さんを想定して書いているようで、水準の高さが伺えます。 -
Posted by ブクログ
共感ばかりの読書時間だった。アウトプットする事が無いため忘れかけていた感情が、この本のおかげで一気に引き戻された。とくに「歯医者」と「珪藻土と自然薯」に書かれた岩井さんの行動や思考が自分に当てはまりすぎて私も芸人になれるのでは?とちょっと思ってしまった。声を出して笑ったのは「魚雷」の話。普通の人は思いついても行動しないだろ、それ。みたいな恐ろしく尖った行動を何事も無いような顔でやっている岩井さんが想像できてとっても面白い。
学生の頃とは違い、同じことを繰り返す毎日で色が無くなっていた最近だが、岩井さんのように普段だったら通りすがるだけの事も、思考を巡らせれば面白おかしく捉え日常に色や感情をを -
Posted by ブクログ
・感想
岩井勇気さんの視点は“変わっている”のに、どこか親しみやすい。そのアンバランスさにくすっと笑ったり、じんわり共感したりしました。魚の骨が刺さったときの悶絶や、披露宴をすっぽかしても気まずさより描写に落ち着く筆致に、日常が切り取られるとこんなにも味わい深くなるのかと驚きます。
母親とのちょっとした“攻防”や、自意識がくすぐられるメイド喫茶での葛藤など、どれも一見何でもない出来事なのに、彼の文章になると“濃密な小宇宙”になります。また、「地球最後の日に食べたいもの」では、逆説的に死を意識しつつも、死への恐怖や生のしぶとさが見え隠れするのが胸に響きました。
総じて、肩の力を抜いて読みなが