西野智彦のレビュー一覧

  • ドキュメント 異次元緩和 10年間の全記録

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    無機質な金融政策というテーマに対して、筆者の高度な取材力にもとづく、関係者の実名ありで展開される紆余曲折は、この10年に何があったのかを非常に手触り感のある形で読者に紹介してくれる良書。

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    2025年01月19日
  • ドキュメント 異次元緩和 10年間の全記録

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     あらゆるツテを頼りに、渾身のルポを書き上げ、経済に疎い素人でも読めるように、かなり分かりやすく解説している。安倍政権の、人事権を掌握して官僚達を言いなりにさせる手法は、ここでも有効に行われたわけだ。日本人は今地獄からの出口を探っている状態にいるようだ。安倍一強を生み出した国民が、巨大な負債を背負っていかなければならないのだという思いを新たにした。

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    2024年12月13日
  • ドキュメント 異次元緩和 10年間の全記録

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    多分、世の中の95%の人は、それほど楽しめない本だと思うが、、、
    20年、円金利を生業にしている私にとっては「よくぞここまで!」とうなるくらいの、深い取材に基づくドキュメント

    登場するすべての人を知っていて、あの時のこの発言の裏には、こんなやりとりがあったのかと、改めて確認できたり、、、

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    2024年10月16日
  • ドキュメント 異次元緩和 10年間の全記録

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    これが経済小説だったらどんなに面白いエンターテインメントだったろう。しかし残念ながらこれはドキュメントだ。こんな無謀な社会実験に日本国民を巻き込んで、結果トヨタを始めとする輸出産業と、海外に生産子会社を持つグローバル企業、そしてインバウンドに関わるごく小さな業界を為替誘導で潤しただけ。おまけにトリクルダウンも起こらないから、アベや黒田が待ちに待ったインフレや円安が逆に多くの国民を困窮に追い込んでいる。これで実験成功という認識なら政治家、政策責任者として失格と言わざるを得ない。
    この十年の異次元緩和で得た最大の成果は、デフレはインフレと違って貨幣現象ではなく、所詮は日銀が操作できるものではなかっ

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    2024年06月02日
  • ドキュメント 異次元緩和 10年間の全記録

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    臨場感がすごいです。「へえ、こんなことがあったんだ。こういう話だったんだ。」と答え合わせができる感覚。もちろん、真実というより事実として。国の舵取りや金融政策の判断等、重い責任を背負って、よく頑張るなと思いました。テレビを通すと政治や行政は腐敗している印象を持たされてしまいますが、やっぱり頑張っているよね、と安心します。
    壮大な実験がこれからも続きますが、「先進国」なんだから後続の国が参考とするような鮮やかな「成功」 となるよう期待しています。

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    2024年05月05日
  • 平成金融史 バブル崩壊からアベノミクスまで

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    「ドキュメント 異次元緩和」(岩波新書)を買ってみたら、同じ著者の本書が積ん読状態だったことに気が付き、読んでみました。
    金融機関の破綻処理や金融政策も理論だけでは動かず、政治の力学によって左右されることがよく分かります。
    一つ思ったのは、適切な見通しを持つことが難しいのは理解できるものの、日本では政策決定の前提となる見通しが甘くなりがちなのでは、ということ。
    これは少子化対策や年金問題についてもあてはまると思います。

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    2024年04月29日
  • ドキュメント 異次元緩和 10年間の全記録

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    うーんつらい。政治主導による経済運営によって異次元緩和、マイナス金利、YCCと自ら進んで金融実験のモルモットになってしまった我が国はどうなるんでしょうね、これから…
    日銀総裁人事を巡る攻防とか面白エピもたくさん載ってるよ

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    2024年04月04日
  • ドキュメント 異次元緩和 10年間の全記録

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    第2次安倍政権は2012年12月26日に始まり、安倍元総理の体調不良による2020年9月16日の辞任まで、約8年間続いた。安倍政権の経済政策は「アベノミクス」と呼ばれた。それは、①異次元の金融緩和②機動的な財政政策③民間の成長戦略という、いわゆる「三本の矢」から成っていた。本書は、そのうちの、「異次元の金融緩和」を扱ったドキュメント、ノンフィクションである。「異次元の金融緩和」は、日銀総裁に黒田東彦氏が就任してから始まった。それは、2%のインフレターゲット・物価上昇目標を置き、その達成に向けて、日銀が、ほとんど無制限に国債やETFを購入し、国のマネーサプライを増やすこと、すなわち、貨幣の価値、

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    2024年02月19日
  • ドキュメント 異次元緩和 10年間の全記録

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    黒田さんが日銀総裁に就任する少し前から植田さんが総裁になった少し前までの期間のドキュメントです。
    2年、2%、2倍というフレーズに決まった時のことや、イールドカードコントロール、YCC導入の経緯などが書かれていて、とても面白かったです。
    結局、10年にわたる壮大な実験はあまり効果がなかったのかな、というのが私の感想です。
    今の日本が物価上昇しているのは、ウクライナとロシアの戦争がきっかけだったように思います。
    そう考えると、インフレは貨幣的な現象だから中央銀行の政策で克服できるけれども、デフレは貨幣的な現象ではなくて、社会構造的な現象なのではなかろうか、だから日銀が一生懸命頑張ってもデフレを克

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    2024年01月17日
  • 平成金融史 バブル崩壊からアベノミクスまで

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    自分が政策側の担当者だったらゾッとするなと思うことの連続だった。
    金融に携わるのであれば、本書を読んで、日本の金融に何が起きて、今のような金融規制ができあがったのかは知っておくべき。

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    2023年01月29日
  • 平成金融史 バブル崩壊からアベノミクスまで

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    次々と銀行が破綻したり統合したりしたあの時期に、何が起こっていたのかをありありと描写するドキュメンタリー。世代的にも、今いる業界的にも、あまりにもぴったりで、むしろこれまで読んで来なかったことを悔やむほど面白かった。金融と政治がここまで密接に連動しているとは。

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    2022年01月10日
  • 平成金融史 バブル崩壊からアベノミクスまで

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    人は選ぶと思いますが平成の時代の金融や政府側の動きがわかっておもしろかったですね。
    どちらかと言うとドキュメンタリーで政治寄りですかね。

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    2021年09月25日
  • ドキュメント 日銀漂流 試練と苦悩の四半世紀

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    非常に面白い。
    バブル期以降の日銀にスポットを当ててドキュメントで書かれている。ので著者個人の見解等はほとんど入っていない、この点が非常に良い。
    単なるドキュメントであるがずらずらとただ書き並べているだけではなく非常に重点を絞っているので簡潔で読みやすく面白い。
    一方で重要な事態以外の部分はさらっと描かれているのでその部分を資料として必要な場合は別途検証した方が良い

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    2021年05月11日
  • ドキュメント 日銀漂流 試練と苦悩の四半世紀

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    日銀の漂流ぶりが見事に描かれている。あきることなく読めた。歴代の人物像が浮かび上がってくる。金融緩和の具体的な方法については素人でも分かるようにもっと詳しく書いて欲しかった。

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    2021年02月13日
  • ドキュメント 日銀漂流 試練と苦悩の四半世紀

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    「日銀」を中心とした、平成日本経済金融史2021/02/11
    1990年代バブル崩壊から、停滞の30年 日本金融の記録
    1997年金融危機の最中に、日本銀行法の改正が行われ、日本銀行は待望の「独立」を果たすが、他方、政治や世間と直接向き合うことの責任の大きさは望外に大きなものとなった。
    2020年コロナ禍のアベノミクスは金融政策を難しくし、結果的には徒に金融緩和を続ける、「日銀漂流」の事態に陥ってしまった。
    日銀総裁を時代区分とするまとめ方も「理念・思想」による経済政策史としてユニークであり、成功していると思う。
    2021/02/16日銀漂流 西野智彦☆☆☆
    1997年6月日銀法改正 戦時法「

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    2021年02月18日
  • ドキュメント 日銀漂流 試練と苦悩の四半世紀

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    日銀を取り巻く諸情勢がどんなものであったか、できる限りファクト・ベースで書かれた貴重な本。かなり日銀のみならず財務省、金融庁さらには政治家にまで取材をして、その上で国会議事録とかの公式文書を、場合によっては注釈を付けて綿密に記録を残してある良書です。霞ヶ関の劣化は言われて久しいが、日銀の経営層の劣化がいかに酷く進んでいるかがわかる。黒田後の日銀立て直しには数十年かかる気がする。

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    2021年01月19日
  • 平成金融史 バブル崩壊からアベノミクスまで

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    名著。バブルからアベノミクスまでを1つのストーリーとしてスッキリと纏めている。こうしてみると、平成の日本の金融は、昭和のバブルの後処理に追われた30年間だったように見える。その中で、また次の問題を抱え込んでしまっているのか?

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    2020年10月18日
  • 平成金融史 バブル崩壊からアベノミクスまで

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    平成時代はバブルのピークから崩壊過程 金融失政の30年
    金融記者として、舞台裏のドキュメントに詳しい ex拓銀破綻前夜19971114-
    金融バブル処理を日本的に時間を掛けてやってきたが、
    結果的には「鬼手仏心」短期決戦が正しかったと思う
    ex現在のコロナ対策も同じ2020/04/30
    ソフトにずるずる長期化すると最悪の結果になる
    政治家は断行できない 官僚は全く出来ない 
    誰もリードせず底なし沼に落ちていく 

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    2020年04月30日
  • 平成金融史 バブル崩壊からアベノミクスまで

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    失われた30年に重なる平成の間、バブルの崩壊から度重なる金融危機を経てアベノミクスへと至る流れを時に利害の対立する当事者達の目線を交えて描いており、迫力がある。

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    2020年03月14日
  • 平成金融史 バブル崩壊からアベノミクスまで

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    「平成金融史」だけど「平成金融破綻史」の方がふさわしいかもしれない。本書に書かれた時代、既に働き始めていて、その頃のことを思い出しました。思えば平成の金融、特に金融行政は、初めて市場というものとの対峙を余儀なくされたのでしょう。本書の中でも有名な大蔵省証券局長が、別館で合宿して証券会社の破綻スキームを練って上機嫌で記者会見までやったものの、コール市場が干上がっちゃってあらら、という話なんかは象徴的でしょう。その中で、比較的市場を学んでいた日銀が、アベノミクスに絡みとられ、市場の機能を削いでいく姿はなんとも哀れで泣ける(特に白川総裁の辞任)。

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    2019年09月20日