西野智彦のレビュー一覧
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「平成金融史」だけど「平成金融破綻史」の方がふさわしいかもしれない。本書に書かれた時代、既に働き始めていて、その頃のことを思い出しました。思えば平成の金融、特に金融行政は、初めて市場というものとの対峙を余儀なくされたのでしょう。本書の中でも有名な大蔵省証券局長が、別館で合宿して証券会社の破綻スキームを練って上機嫌で記者会見までやったものの、コール市場が干上がっちゃってあらら、という話なんかは象徴的でしょう。その中で、比較的市場を学んでいた日銀が、アベノミクスに絡みとられ、市場の機能を削いでいく姿はなんとも哀れで泣ける(特に白川総裁の辞任)。
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Posted by ブクログ
著者は、時事通信〜TBSの記者とのことだけれど、期待通りの読みごたえ。これはおもしろいよ。西暦で生活しているので、”平成”でくくることにあまり意味はないと思っているけれど、日本の金融問題の歴史は、平成の歴史とほぼ重なるからね。平成元年末の株価最高値から、ひたすら危機の戦い。
尾上縫とか、東京協和信用組合とかコスモ信用組合とかなつかしい名前も出てくるけれど、なんといっても、ハイライトは、平成9年(1997年)。11月に三洋証券、拓銀、山一証券が終了。3連休に北の大地に行ったときの日経朝刊を思い出すよ。
どうやら11・26が勝負の1日で、ここでひと山越えたようだけれど、その後も、長銀、日債銀、りそななどと続いていくよね。でも、これを読むと、大蔵省や日銀がいろんな策を考えるけれど、公的資金導入は、結局は世論との戦いで、そうなると、なんだかんだ最後は政治決断なんだよね。うまくいったものもあれば、結果的にうまくいかなかったものもあるけれど、橋本さん、宮沢さん、野中さん、梶山さん、柳澤さん、竹中さんetc、みんなそれなりに腹をくくって、厳しい決断を下してきてるよ。もう少し評価してあげていいと思うし、それに比べると、金融機関の経営者の方は、無能で器が小さい感じが否めないね。まぁ、小生も、95年頃は、住専に税金とかありえないだろとか思って、青島さんとか応援してたからえらそうなことはいえないけどさ。 -
Posted by ブクログ
2013年1月安倍政権の復活(自民党政権の復活でもある)は、衆議院議員総選挙の公約として「2%のインフレ目標」と「無制限の金融緩和によるデフレ脱却」を掲げ、大勝した。
それから10年もの間公約実現のため、日銀と安倍政権(菅政権まで)の表面的なニュースの裏側の事情を時系列に客観的な記録として残す意図に記述された。
特に➀異次元緩和の誕生と変貌、②「リフレ派」と呼ばれる論者たちの勃興と退潮、③路線転換をめぐる水面下の攻防を主たるテーマとしている。
その政策の功罪は著者は「エピローグに代えて」でP233以下で述べている。
それをどう評価するか読者に委ねられている。 -
Posted by ブクログ
1970年代初頭のニクソンショックからスミソニアン体制を経て変動相場制となるまでの日銀の動きから見た金融政策。
日銀の独立が十分に担保されていなかった当時、政府、大蔵省の顔色を伺いながらの政策(公定歩合)決定や通貨が切り上がることへの本能的抵抗感から、通貨・金利両政策が後手に回ったことにより列島改造論からオイルショックに至る狂乱物価を抑えられず、スタグフレーションを発生させるに至った経緯が発言録等により明らかにされる。
諸外国の的を射た(ているようにみえる)適時の対応に比べ、我が国の特殊事情に勘案したり当局の内部事情に足を取られ、対応が遅れたり小出しになるというのはバブル崩壊時もそうだったし、我が国の宿痾のようにも思われる。
遡れば日華事変もそうだった。
1ドル=360円から308円に切り上がったことは知っていたが、その後、今に至る変動相場制がいわば暫定措置として実施されたものとは気づかなかった。
特定郵便局の政治力を背景に利下げに貯金金利を同調させない郵政省の動きを見ると、郵政民営化には一定の理があったと思わされる。