内田百閒のレビュー一覧

  • 内田百閒随筆集

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    この著者の作品を初めて読んだが、すっかり魅了された。
    ユーモアに溢れている
    愛すべき人間味(非常に繊細で偏屈で扱いにくそうだけど情が深い。偉そうな感じや自慢げなところがない)
    大正、昭和前期などの社会や生活の様子が窺い知れる
    言葉遣い、漢字遣い、文章表現が惚れ惚れするほどかっこいい
    というわけで、ぜひ内田百閒の他の本も読みたい。

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    2025年08月31日
  • 文豪怪奇コレクション 恐怖と哀愁の内田百閒

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    信頼できない語り口と絶妙に噛み合わない会話がとても不気味で、じりじりとその不気味さに追い詰められていく感覚がとても怖くて良かった。物語の始まりが日常の一場面である事が多く、日常の延長線上に幻想怪奇の世界が存在している感じが良かった。
    『青炎抄』『影』『由比駅』『菅田庵の狐』が好みだった。

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    2025年07月01日
  • 文豪怪奇コレクション 恐怖と哀愁の内田百閒

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    今までいろいろ怪談モノ読んできましたが、この本が一番読んでる最中にゾワゾワとしてくると言いますか、読者のメンタルが不安定になっていくような恐怖を感じさせてくれて、とても面白かった。

    目が覚めた後に振り返ると理論の展開がおかしいことに気づく夢物語と言えばいいか……夢を見ている最中は変な展開になってもそれが「正常」として進んでいく奇妙さ。その世界の中に素面で放り込まれたような恐怖感――といった感じで。描かれてる世界が、現実なのか夢日記なのかわからない不穏さがたまらなくツボでした。

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    2021年05月27日
  • 百鬼園戦後日記III

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    戦後日記、完結。
    百閒先生の日常。日々の天気とお酒のこと。
    家にやってくる編集者の仕事の依頼を「ことわる」。別の日には、原稿を書く。
    しかし、毎日毎日、よくお酒を飲むなぁ、と。

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    2019年04月20日
  • 百鬼園戦後日記II

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    内田百閒の戦後日記。
    その第2巻。


    毎日に天気(気温や風など)と飲酒の量をこまめに記す。

    百閒先生、ほぼ毎日のようにお酒を飲んでいる。
    まれにみる「酒無し」や「不飲」の文字。


    配給制度が続く中でも、もらったり買ったりと。

    仕事の依頼も時々断る。

    やはり、日記なんだけれども、紙片に書き残した日々のメモ。4ヶ月後に、日記としてを記すというのは、かなり細かい性格なのではと。

    「巻末エッセイ」の高原四郎氏の「生き残った小鳥」も素晴らしい。

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    2019年03月30日
  • 百鬼園戦後日記I

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    大好きな作家、内田百閒の日記。

    戦後間もなくのころから昭和21年の12月31日までの日記。

    戦後の雰囲気を感じるというよりも、百閒先生が書き記したその日その日の天候、その日飲んだお酒を知る。

    毎日記す天気。冬の所では、暖かな日が続いた後、寒くなるというところでは、素人ながら、気圧配置などを考えた。


    しかし、この日記は、誰かに読まれることを意識して書いたのか、否か。

    ともかく百閒先生は、日記を書くのである。


    「日記の記入の遅れたメモがたまつて限りが無いから今日(引用者註:昭和二一年十一月一日)から間に余白をあけてこの帳に記入する。間の余白は大体の見当なれば書き込みで行くと足りるか

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    2019年03月20日
  • 内田百閒随筆集

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    自身が関わりを持った
    人(や猫)に対して
    非常に細やかな情を持たれる方
    そしてそれを指摘されると
    天邪鬼になってしまうタイプかな?
    でもそこがなんだか愛嬌になるのが
    百閒先生かなと思う

    とても良い随筆集!

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    2024年10月26日
  • 文豪怪奇コレクション 恐怖と哀愁の内田百閒

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    どのお話も大体雨が降ってて、それがどんどん強くなってくる。雨が強くなるにつれ、なんとも言えない不安感を煽られる。なんだか不安だな、と思ってると、お話も不安なまま終わってしまう。

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    2024年10月04日
  • 文豪怪奇コレクション 恐怖と哀愁の内田百閒

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    不穏で不安で悪夢のような短編が幾つもおさめられている。文章が端正でとても好き。天気の表現だけで不穏さを醸し出せるところが凄いと思う。とおぼえ、サラサーテの盤、昇天、枇杷の葉が特に好きだった。

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    2024年04月20日
  • 文豪怪奇コレクション 恐怖と哀愁の内田百閒

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    一番最初の「とおぼえ」を読んだときに、ぞくぞくと肌がひりつくような世界観に一気に引き込まれた。
    特に好きだったのは「映像」。狂気が滲む不気味なラストは、いっそ美しいのかもしれない。

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    2022年06月09日
  • 文豪怪奇コレクション 恐怖と哀愁の内田百閒

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    正直話の意味はわからんよ、全然。でも、うっかり仰向けで寝てしまってうなされて目が覚めて、目が覚めたことに気づくまでの不安定で重くてとらえきれない感覚が、理性働いてる端正な文章で立ち上ってくるところが、まともじゃなくて好き。映像とゆうべの雲は普通に怖いよ…

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    2022年02月26日