村上紀夫のレビュー一覧
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京都では実に79%(2013年調べ)の町内で行われている地蔵盆。「子とものころに地蔵盆に参加したことのある大人たちに聞いてみると、一様に懐かしそうにその当時の思い出を語ってくれる。ただ、楽しいだけでは終わらない。多くの人は最後に『地蔵盆が終われば夏休みが終わる』と寂しい気持ちにもなったという」。私にとっても地蔵盆はまさにそんな存在。行灯の絵を描くことや、おやつの時間に拍子木を鳴らして町内を練り歩くことは子供たちの役割でもあった。楽しくて楽しくて3日間テントに張り付いていた。4日目にはレクリエーションで遊園地などに繰り出す。今思うと役員さんはさぞ大変だっただろう。これらの記憶は中京でのものだが、
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江戸時代、幕末を生きた、庶民といえる女性4人の日記を取り上げ、当時の日常生活に迫る。
教科書等における男性中心の政治や事件中心の「歴史」とはまた違った、地に足の着いた歴史の断片が明らかにされていて、とても面白かった。
数え年による年齢計算だった江戸時代でも誕生日を祝っていたなどの知られざる事実もあって興味深かったし、著者が強調する、史料を読み込む面白さも感じた。
親類・近所も交え年中行事をとても丁寧にこなすといった今とは異なることや、親としての子どもに対する思いといった今とも共通することの両方があるなと感じながら、取り上げられた4人の女性の人生に思いを馳せた。 -
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奈良大学文学部史学科教授として毎年学生の卒業論文指導に従事している著者が、歴史学での卒業論文執筆について、大学4年生の4月から提出後まで順を追ってするべき作業をわかりやすく解説。
歴史学での卒業論文執筆に向けて、研究テーマの決定から論文や史料の集め方、研究史の整理や史料の分析の仕方、注の付け方など、一つ一つの作業について、読みやすい文体で丁寧に指南されており、歴史学で卒業論文を書く必要がある学生なら、この本が手元にあれば重宝すること請け合いである。アマチュアで歴史学の論文を書こうと思っているような人にも有益だと思われる。
自分は隣接分野の考古学で卒業論文を書いた経験があるが、その時のたいへんさ