河内春人のレビュー一覧

  • 倭の五王 王位継承と五世紀の東アジア

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    倭の五王の宋へ遣使 (421-478) それ以前は266年の邪馬台国による西晋への遣使
    421 讃 425 讃 430 -- 438 珍 443 済 451 済 460 -- 462 興 477 -- 478 武
    3c半ばに奈良盆地南東部の大和柳本古墳群、4cに奈良盆地北部の佐紀古墳群、
    4c末頃から大阪・河内の古市古墳群、5c初頭に奈良盆地西部の馬見古墳群、
    5c半ばに和泉の百舌鳥古墳群。
    4c後半は、佐紀古墳群から古市古墳群に移動する時期。百済との外交を重視し、大和川流域の瀬戸内への交通の要衝。

    (中国の状況)
    中国が4c初頭いらい分裂 三国時代(220-280)、魏のあと西晋(265-

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    2024年04月25日
  • 倭の五王 王位継承と五世紀の東アジア

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    倭の五王について、これまでは記紀と中国史書の突合で、記紀の天皇との比定を行うことにエネルギーが注がれていた。

    本書では、記紀は八世紀における王権確立のためのナラティブ(全て正しいわけではない)との視点から、(間違いもあるにせよ)記録である中国史書を中心に、朝鮮史書や、広開土王碑や古墳群のような考古学的物証を活用しつつ、倭の五王がどの天皇かという点はさておき、五王の時代の国際関係や五王の遣使の意図などについて分析を試みている。

    意図としては、高句麗の南進という国際情勢の中で百済と同盟してこれに当たるという中で、国際的に宋から中国官位を得て正統性を得る必要があったこと(百済も同盟国ながら高い官

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    2022年09月25日
  • 倭の五王 王位継承と五世紀の東アジア

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    倭の五王の正体について無理に記紀の記述にあてはめようとはせず、最も客観的と思われる視点からアプローチしようとする。
    最も客観的な視点とは、中国による倭国の支配者への官位の叙任、巨大古墳の分布状況、朝鮮半島の情勢、記紀による内紛の記述、国内の出土品などである。少ないヒントを頼りに五王が統治したであろう日本の古代国家に迫る。継体以前にも複数の大王輩出の系統があったことや、国内の権力バランスが常に一定ではなかったことなど詳細に説明があり、豊かな想像力で歴史的テクストを読ませる。緩やかな三王朝交代説を様々な視点から補強する論述となっている。

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    2018年11月19日
  • 倭の五王 王位継承と五世紀の東アジア

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    河内春人「倭の五王」(中公新書)
    これまでの倭の五王の日本の皇統譜への比定について、中国史書と考古学の知見から批判している。
    0. 4世紀後半、中国は南北朝時代に入っていた、朝鮮半島は高句麗、百済、新羅、さらにいまの釜山あたりには加耶諸国があった。日本(倭)は百済や加耶とは国交があり、新羅とは和戦両方の関係にあった。高句麗は北朝とは緊張関係にあり、つねに南進を目指していた。高句麗、百済、倭ともに南朝との関係を保つことで東アジアでの地位を高めようとしていた。その中で倭の5人の王、讃・珍・済・興の南朝・宋への使節派遣が宋書に記録されている。
    1. 讃は421年に南朝・宋に使節を送った。東晋を2年前

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    2025年05月02日
  • 倭の五王 王位継承と五世紀の東アジア

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    五世紀に日本から中国に使節を派遣した王がいた。それも五人もの王が。宋の史書に倭の五王、讃、珍、済、興、武が中国に外交使節を派遣してきたと書かれている。この五王はそれでは一体誰なのであろうか?その謎解きの面白さがあるが、結論から言うと、その謎は解けていない。これからも解けないかもしれない。しかし、今までの各天皇に対応していた五王が、見方を変えれば違ってくるという面白さがある。また、考古学的に古墳群の成立時期とかを考慮する見方とか、「武」をタケルと読んでいたが、当時に訓読みは存在していなかったという話で、武だからワカタケルと呼ばれた雄略天皇ということにはならないのではないかとか。面白かった♪

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    2023年05月01日
  • 新説の日本史

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    歴史の本を読む時、時にはかなり古い本にも手を出すことがあり、正しい知識を持っていないと誤った歴史を史実として学んでしまうことがある。そんな自分の知識をアップデートしたいと思って手に取った本。自分と年齢の近い、若い研究者の人達がそれぞれの研究分野や時代の新説を解説してくれていて、内容もかなり簡単でわかりやすい。倭の五王の話や、関ヶ原の戦いの原因などは特に面白く読んだ。最後のブックガイドも参考になり、より深く理解するためにここから本を読んでみようと思った。個人的にははじめにに書かれた新説も詳しく知りたくなった

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    2022年05月05日
  • 倭の五王 王位継承と五世紀の東アジア

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    倭の五王ときいたら当たり前のように日本の天皇と紐付けていたが、この本では五王が誰かという点はおいておいて、中国や朝鮮の歴史から倭の五王がどんな外交を展開していたのか、その時代中国、朝鮮、そして倭はどんな情勢だったのかにまず迫っていく。そのうえで日本の天皇と結びつけている様々な説について検証していくが、今まで自分が信じていた説もかなりこじつけであることがわかってきた。歴史の思い込みを捨てて、ゼロベースで史料にあたることの大切さを教えてくれた。

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    2022年05月05日
  • 新説の日本史

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    学校で習った歴史は誰かが教えやすいように作った物語だったのかもしれない。
    もしもコレがこうだったら…と言うものもあっただろうし
    このエビデンスはないんだけどこうしておけ!だったのかも知れない。

    よくよく調べたらこちらが濃厚だとか、見方伝え方によってはこちらが正しい、それが新説の日本史なのではないかと思う。

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    2022年01月04日
  • 倭の五王 王位継承と五世紀の東アジア

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    五世紀に中国南朝へと遣使した倭の五人の王について、記紀に依拠せず中国史料と考古学の成果に基づいて、その実像を検討する内容。記紀の天皇との比定に関する従来の議論についての批判も章立てされており興味深い。

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    2021年12月21日
  • 新説の日本史

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    一般向けで大変読みやすいです。それぞれの時代で扱うテーマが少なく物足りなさを感じるので、続編希望です。

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    2021年05月02日
  • 新説の日本史

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    ネタバレ

    驚くよ「坂本龍馬は薩摩藩士」「仮想敵国のおかげで予算ゲットしたから開戦」「1609年江戸の人口は15万人」「義輝は御所巻からの勢いで殺害」

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    2021年02月25日
  • 新説の日本史

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    ネタバレ

    <目次>
    第1章  古代(河内春人)
    第2章  中世(亀田俊和)
    第3章  戦国(矢部健太郎)
    第4章  近世(高尾善希)
    第5章  幕末(町田明広)
    第6章  近現代(舟橋正真)

    <内容>
    近年の研究成果をコンパクトにまとめたもの。文章も読みやすく、ざっと確認できる。幕末などはかなり斬新な内容が載っている。

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    2021年02月22日
  • 倭の五王 王位継承と五世紀の東アジア

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    「本書に意義があるとすれば、
    記・紀に多少言及するにしても依拠せず、
    中国・朝鮮史料や考古学的な成果から
    描き出したことであろうか」
    と、あとがきにあるように、
    5世紀の東アジア情勢を背景とした考察は興味深い。
    「ワカタケル」と「武」を、同一とする違和感。
    「武」は「ム」であって「タケル」と読む訓が、
    5世紀にそもそもあったのか・・・など、
    もやもやしていた疑問を述べていることに好感を得た。
    しかし、
    「倭の五王」は、謎のままのファンタスティックな響きを残しているところがいい。
    継体天皇をも少し読もうかな。。。

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    2020年07月24日
  • 倭の五王 王位継承と五世紀の東アジア

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    古事記、日本書紀をベースにした半親和的な古墳時代の天皇家の系譜を宋書をベースに再解釈を試みる。また、朝鮮半島、および中国の王朝の政治的状況を分析し、ありえたこと、ありえなかったことを考えて、日本の政治状況を推理している。
    8世紀に成立した古事記、日本書紀は江戸時代から本格的に分析されているが、宋書と突き合わせてみると本当に5世紀に訓読みが存在していたかもわからず、倭の五王が本当は誰か、讃、珍、斉、興、武の最後の武が、獲加多支鹵(ワカタケル)であり、雄略天皇であるという定説が本当に正しいのかもわからない、とする。
    訓読みのみならず、長子相続ではなく、兄弟あるいは一族の有力者が家督を相続していたよ

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    2018年05月25日
  • 倭の五王 王位継承と五世紀の東アジア

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    前半は中国、朝鮮そして日本の朝鮮半島をめぐるAD5世紀頃の争奪戦の考察。白村江の戦の前哨戦。
    後半は倭の五王の推察。
    ロマン溢れる新書でした。

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    2018年02月10日
  • 倭の五王 王位継承と五世紀の東アジア

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    西暦400年代から500年代の日本と朝鮮半島(高句麗、新羅、百済、任那、加羅)と南北朝中国(東晋、宋、南斉、梁、前秦、北魏)の歴史を解説してあり、たいへん勉強になった。遣隋使の2百年前に日本(倭国)が外交を展開しているのは驚いた。中国には文献が残っているのに、日本側には外交文献が残っていないのは残念である。古墳つくる力があるのだから、何らかの石碑が残っていてもよいのに・・・
    倭の五王とは中国史書「宋書」倭国伝に記載されている讃・珍・済・興・武であり、それぞれ履中天皇(応神天皇、仁徳天皇の説もあり)、反正天皇、允恭天皇、 安康天皇、雄略天皇と目されている。作者は中国史書の文面、古墳や過去の学説や

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    2025年01月21日
  • 倭の五王 王位継承と五世紀の東アジア

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    主に中国と朝鮮半島との関係から倭の五王の時代に迫る。讃珍済興武と天皇との対照については、そもそもあまり意味がない、との立場。

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    2024年03月02日
  • 新説の日本史

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    日本史についてこれまでの通説と違った新設を扱った一冊。

    オムニバス形式なので、内容にばらつきがあるもの、読み物としては面白かった。

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    2022年09月26日
  • 倭の五王 王位継承と五世紀の東アジア

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    讃・珍・済・興・武

    日本史史上有名な倭の五王。

    宋書倭国伝に記載されて、日本史を少し齧った人間なら、一度は聞いたことのある用語。

    その倭の五王を記紀に依存せず、様々な資料から倭の五王を描いているのが、非常に新鮮であった。

    しかしながら、古代日本の基本史料は記紀。

    この記紀を検討してこそ、倭の五王を理解できるのではないか。

    記紀の勉強もしなければと思いながら、改めて中世が好きだなと思っている自分がいて複雑である。

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    2021年11月25日
  • 新説の日本史

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    どちらかというと、この分野に馴染みのない人向けといった感じの語り口で、さくっと読めた。内容としては各説の概要といった印象なので、入口的な位置付けの本かなぁ。

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    2021年02月16日