インディーズゲームを作っている友人(恋に不器用なパン屋の息子)が参考にしたいと興味を示した為に、以前から本棚登録していたこちらを急ぎ拝読。
すぐ返さないといけないよ!
本書のテーマは「生きづらい世の中をどう生きて行くか」。
まず重要なのはエピクテトスが一体どういう人なのかについて。
一先ず彼の事を書けば本の内容を書くよりも興味が持てると思うのです。(時間が無いだけとも言う)
表題にもあるようにエピクテトスは古代ローマ時代の奴隷でした。
しかし、マルクス・アウレリウスやニーチェ、夏目漱石等の錚々たるメンバーに影響を与えた、哲学界では凄いお人なのです。
両親が奴隷だったという理由で本人も奴隷として生きる事が定められており、おまけに足に障害があった為に杖を使わないと歩けません。
当時の奴隷制度は期限が決められており、この時になったら解放するよ、みたいな感じだったのですが解放後も国外追放されて極貧生活。哲学の教師として余生を送ったそうです。
奴隷の犠牲によってローマは繁栄していたのですが、普通ならですね、自分は生まれのせいでこんなに苦労をしているのに、なんなんだよローマ。滅べよローマ。って恨み辛み、やってらんねぇよ状態だと思うんですよ。
なのにエピクテトスは達観している、それはもう生まれてすぐに解脱したんかレベルに達観してる。
何故なら…彼には哲学というエクスカリバーがあったからだ!!(カリパーではない)
エピクテトスはストア派と呼ばれる哲学の代表的な方です。ゼノーとかいう風邪薬のような名前の人が作った学派の一つなのですが、一言で言うと「禁欲主義」です。
とはいえ、ガチガチになんも欲を持つなと言うわけでは無く、自分のできる範囲内での欲望をコントロールするという感じです。
エピクテトスはマルクスの『自省録』ように自分で書いた物は残しておらず、現代に残っているのは全て弟子が書き留めた物らしいです。
ロマン!!(ロマンブーム)
なので、原文は当時のローマでのあるあるを使っている事もあって結構読みづらいです。
ですが本書は、上智大学の荻野先生が非常に分かりやすくまとめて下さっており、我々現代人向けになっています。
更には同じ奴隷仲間がエピクテトスに教えを乞うという創作漫画で説明してくれるのでめちゃくちゃ読みやすい!
哲学にちょっと興味があるなあ、でもしんどそうだなあ、と思われる方は本書から始めてみるのがお勧めです。
エピクテトス先生のお言葉は金言だらけなのですが、一先ずざっとまとめます。
・腹が立つ事などや、自分に財産が無くて自由がないと思う時も自分でどうにか出来ない事は軽く見ましょう。
自分次第でどうにかできるかどうか頭の中で整理をして、どうにもできないなら放り出せ!自分でコントロール出来る事にだけ集中しようぜ!
・自分の意思を大切にね!
他人からどう思われようが、何を言われようが意思だけは奪えないからね!自分の意思だけは自由なんだから。
他人の意思の中で暮らしちゃダメだよ。
・快楽ばっか追いかけてないで、目の前の小さな苦痛とも戦う勇気を持とうぜ!そうすればでっかい苦痛を避けられるかもしれないぜ?!
・常に自分を客観的にチェックして、己自身にしかない強さを見つけてね!
絶望的にまとまらなかった!
本書はこれをもっと分かりやすく例をあげて詳しく説明してあるので気になった方は読んで下さい。(自分ではどうにもできないので放り投げる)
エピクテトスは自身の体もままならず、更には奴隷という制約で固められながらも誰よりも自由な人だったのです。
妬まず、僻まず、腹を立てず…
哲学を極めると仙人のようになれるかも知れない。
しかしこれを参考にして一体どんな恋愛ノベルを書くつもりなのか…。
一先ず毒見は終えたのでミッション終了。
哲学書を読むと毎回思うのですが、やはり忘れてしまうのでメモるか買うかしないと真価は発揮できませんね、私の場合は。