阿部夏丸のレビュー一覧
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高3のある朝、起きてみると机の上にこの本が置いてあった。父がくれたのだ。父は何か伝えたいことがあるとき、こうして回りくどく主張してくる時がある。もう大学への合格通知を手にした後の出来事だった。私は父と同じ大学の同じ学部学科に進学することが決まっていた。
表題作の「父のようにはなりたくない」は中学の頃、国語の授業で扱われていた気がする。しかし、中学で読むのと、高校卒業を目前にして読むのでは重みが違った。中学の頃は父のようになることもできれば、ならないという選択もできる、完全に自由な状態だった。一方で、高3の私はその時点で父のようになるレールの上に乗りかかっていた。どういう意図で、そのタイミング -
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この表紙はいいなあ。最近表紙の話しばっかりしていますが、この写真だけでもジンとしてしまいます。昔はいつも川や田んぼで泳いでいました。魚を釣り、虫を取り、ザリガニを取りいつも何かにワクワクして過ごしていました。昔は中野区の辺りも虫が沢山居たし、夏休みは千葉か埼玉の親戚の家に入り浸っていたので、日夜生き物の捕獲に勤しんでいました。
この本も基本は川と少年たちの話しで、友情と魚の話しに終始します。これが何とも瑞々しい文章で、この人心に小学生がきっちり住んでいるなと、その小学生の心情を大人がいい文章で形にしてくれているという風情です。
いいよいいよ本当にいい。大事に取っておいてこっそりまた読もう。これ -
Posted by ブクログ
ネタバレ早くに両親をなくし、親の借金返済のために学校にいかずに祖父と漁業をしている小6の男の子。
このことが教育委員会や市役所などに知られ、本土の施設に入れられる話をきいた同級生(5人全員)が海の生き物や物をネットショップで売って借金返済を手伝おうとする物語だった。
子供のアイデアをもとに、だんだんと大人が協力していくところが面白かった。
販売するためにホームページ作成やテレビ出演など在り来りな方法でのPRのおかげで20万円も売り上げたのには驚いた。
結局、漁業をしている男の子とその祖父は、お金を受け取らないし施設にも行かないと言っていたけれど、その後借金返済はどうなったのか、また
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