清水ともみのレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
先程感想を書いた「ウイグル人に何が起きているのか:民族迫害の起源と現在」の著者・福島香織さんと清水ともみさんの共著。
本書の印象としては、上記に挙げた福島さんの本の内容を清水さんが漫画にしてより読みやすくしたうえで、さらに情報の肉付けをされている、といった感じ。
絵だけでなく現地の写真なども載っているのでイメージがとてもしやすいです。
清水さんのウイグル関連の前著「命がけの証言」(同様に基本漫画形式)よりも文章量は多いものの、純粋にウイグル問題のみを取り上げており、本書の方がウイグル問題を周りの人に知ってもらうために紹介しやすいとも感じました。
要するにウイグルの漫画で読む入門書としてベストだ -
Posted by ブクログ
漫画で世の中に有意義なことを表現し訴えていくことができるのはいまのところ日本人だけです。
漫画により中国人により受け続けてきているウイグル人達の惨状を世の中に広めて、ウイグル人達のことを救うためにこの本は作られました。
Abduxaliq Uyghur 詩人ウイグルの危機を訴えたことにより、盛世才により処刑
本書の冒頭のこの詩のことばの内容は、わたし自身を始めとして日本人にも向けらていて、とても当てはまって、身につまされる詩の内容だと思いました。
目覚めよ!(1921)より
さあ、哀れなウイグルよ、目覚めよ。
もう十分に眠っただろう。
おまえには財産はない、
次は命を失うだろう。
もし、お -
Posted by ブクログ
ネタバレこれは読むべき本です。
ほとんどの日本人が知らないであろう中国共産党の闇が書かれてありました。現代の社会で、隣国で、このようなことが実際に起こっているとは考えられません。
「『ウイグル族』と呼ばないでください」「ウイグル族と呼ぶことは私たちを少数民族と印象付けたい中国共産党の思惑に乗せられているのです」「私たちはウイグル人です」という言葉には、私も中国共産党のプロパガンダにハマっていたことを気付かされました。
アメリカがユニクロシャツの輸入を禁止するといったニュースもありましたが、このひとつのニュースは新疆ウイグル自治区での人権問題が取り上げられたものであると考えます。ユニクロなどの低価格製品 -
Posted by ブクログ
本書では、昨今話題になることも増えてきた中華人民共和国による新疆ウイグル自治区へのジェノサイドを訴える作品である。
著者が数少ない海外に脱出したウイグル人から直接話を聞いた内容を漫画という分かりやすいメディアで情報発信を行っている。
正直、本書を読むまでは、ジェノサイドが行われているということは見聞きしていたが、具体的にこんなにひどいことが行われているとは想像できなかった。まさに、ナチス時代の強制収容所と同じようなことが、現在の中国では平然と行われているのである。
証言をしたウイグル人の方たちは、大げさではなく命を懸けて証言を行っており、本書に実名を記している。当然、本書の著者や出版社も同様の -
Posted by ブクログ
このマンガを世の中に出されるために尽力された清水ともみさんをはじめとする、すべての関係者の方々に、心より尊敬と感謝とお礼を申し上げます。
ウイグル人たちの身に起こっていることは、とても日本人達にとっても他人事ではないです。
ウイグル人達ほどではなくても、現代を生きる日本人としての、人間らしい働き方、生活をしていない日本人達がとても多いのですから。
ウイグル人達のことを少しでも手助けができるのは、ウイグル人達がこんな惨状では、中国以外の世界中の協力しかないでしょう。
この本の初めに楊海英さんと清水ともみさんがご対談をされています。
その中でなぜか「人権団体」は、中国や北朝鮮の人権弾圧には -
Posted by ブクログ
中国がウイグル人にしている悍ましい【ジェノサイド】、それを証言に基づいて漫画化した作品。
タイトルの「命懸けの証言」とはどういうことか…
まさに拷問を掻い潜って亡命した人がその経験を告白していたり、
家族を人質にとられながら証言している人もいる。
彼らは実名を出しているが、中国共産党に監視されており、帰国すればたちまち逮捕され、死刑に処されるだろう。
それでも勇気を持って証言しているのは、この事実を世界の人々に知ってもらいたい、助けてもらいたいという魂の叫びである。
何の罪もないウイグル人が、およそ人とは思えないような残虐な仕打ちを受けている。
8畳の部屋の中で20人が押し込められ、食事、排 -
Posted by ブクログ
衝撃的な内容だった。
これは、第二次大戦や文化大革命が行われていた昔の話ではない。2021年代の今現在進行系で行われている、信じがたいほどの蛮行の話だ。
マンガとして出版したのは正解だと思う。1時間もあれば読み切れる。特に歴史や世界情勢に詳しくない人でも、その1時間で世界観が変わる。ぜひ一人でも多くの人に読んでもらいたい。
彼の国の統治方法は今も昔も同じなんだと痛感させられる。そしてこの先も変わらないのだとすると、我々日本人はよっぽど用心してかからないといけない。経済的には切っても切れないのだからという人もいるが、これは安全保障の問題だ。
最後に、ウィグル人の方々が一日でも早く迫害から