唐仁原多里のレビュー一覧
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妙ちくりんなキャラクターの表紙が目を引く本書。
大阪某所にある〈暁町〉を舞台にした、リレー形式の群像劇、13話が収録されております。
暁町にある市場・〈あかつきマーケット〉のマスコット・「あかつきん」の失踪を皮切りに、その界隈の人々が悩みや葛藤を抱えながらも、“それでも生きていく”様が描かれております。
寺地さんは心の機微の描写がお上手なので、登場人物達のモヤモヤが実にリアルに伝わってくるんですよね。
なので、読んでいてちょっと心がヒリつくような部分もありましたが、それでも、
“皆、何かしら事情を抱えながらも日々をおくっているのだな・・”
と、出てくる人々が愛おしく思えてきます。
それぞれの物語のリンク具合も絶妙で、“次は誰が出てくるのかな?”という群像劇ならではの楽しみもあり、ちょいちょい出没する“あかつきん”も、滑稽なんだけど妙に可愛くて、ラストの“中の人”の話もじんわりきます。
個人的には「グラニュー糖はきらきらひかる」と「バビルサの船出」が好きでした。
颯真くん、優しい子・・。
〈トキワサイクル〉のおじいちゃんも、味のあるキャラで“なんか良くて(by恵吾)”。特におじいちゃんの、
「・・今までの人生でかかわった人ぜんぶが、自分の一部だ」
という台詞は心に刺さるものがありました。
全体的に展開は地味ですし、ドラマチックな奇跡などは起きないのですが、じんわり胸に染み入る作品でした。
そんな訳で(?)読み終わった後、“あかつきん”グッズが欲しくなった私です~。 -
Posted by ブクログ
「あかつきマーケット」という市場が閉店することをきっかけに、マスコットキャラのあかつきんが町の各所に現れるようになる。そんな町で暮らす人々、その家族等の老若男女の悩みや変化を描いた短編が15篇ほど収録されている。
タイトルがとても素敵だと思った。第一章のタイトルが「朝が明るいとはかぎらない」でプロローグでもそれに触れており、個人にとって明るくない朝もあるし暗くない夜もあるよ、という優しいメッセージを感じた。
各短編からも様々な感情や人生を肯定してくれるような優しさを感じられ、好みの短編もたくさんあった。
しかし各短編が20ページ程で、もう少し読みたかったという気持ちに度々なった。
物語の中で登場人物の繋がりが多数あり、人物名が前に出ていたかを確認したくなることも多かった。それ自体は元々好きなのだけれど、今作では素敵な一つ一つの短い物語に入り込みきれないまま終わってしまうもどかしさがあったように思う。 -
Posted by ブクログ
寺地はるな作品 初読み
大阪の片隅にある あかつきマーケットのゆるキャラ「あかつきん」
閉店もうわさされるマーケットのキャラクターが突如 失踪。
でも SNSでは街のあちこちに出没しているらしい。
同じ街に住んで、「あかつきん」に関わる街の人達 ひとりずつは知っているようで
それぞれが自分の想いがあり、生活があり、事件があり・・・・
何気ない日常だけど みんな悩んで、考えて・・・・・いきている
沢山の人のエピソードが ビーズのネックレスのようにつながっていく。
オムニバス小説
私は「昼の月」のバビルサの船出・・・・好きです。
自転車屋のおじいちゃんとその孫の話
ひと世界の中で生きていくのに 少し心疲れている方 おすすめです。