唐仁原多里のレビュー一覧
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妙ちくりんなキャラクターの表紙が目を引く本書。
大阪某所にある〈暁町〉を舞台にした、リレー形式の群像劇、13話が収録されております。
暁町にある市場・〈あかつきマーケット〉のマスコット・「あかつきん」の失踪を皮切りに、その界隈の人々が悩みや葛藤を抱えながらも、“それでも生きていく”様が描かれております。
寺地さんは心の機微の描写がお上手なので、登場人物達のモヤモヤが実にリアルに伝わってくるんですよね。
なので、読んでいてちょっと心がヒリつくような部分もありましたが、それでも、
“皆、何かしら事情を抱えながらも日々をおくっているのだな・・”
と、出てくる人々が愛おしく思えてきます。
それぞれ -
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「あかつきマーケット」という市場が閉店することをきっかけに、マスコットキャラのあかつきんが町の各所に現れるようになる。そんな町で暮らす人々、その家族等の老若男女の悩みや変化を描いた短編が15篇ほど収録されている。
タイトルがとても素敵だと思った。第一章のタイトルが「朝が明るいとはかぎらない」でプロローグでもそれに触れており、個人にとって明るくない朝もあるし暗くない夜もあるよ、という優しいメッセージを感じた。
各短編からも様々な感情や人生を肯定してくれるような優しさを感じられ、好みの短編もたくさんあった。
しかし各短編が20ページ程で、もう少し読みたかったという気持ちに度々なった。
物語の中で -
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p56
「君を粗末に扱っていい人間はどこにもいない。自分自身にさえそんなこと、許しちゃいけない。一人でいるのは嫌だなんて、つまらない理由でつまらない男の傍にい続けるのはやめてくれ。」
p264
「ばあちゃんはもうじいちゃんの一部になっている。ばあちゃんだけではなくて、今までの人生で関わった人ぜんぶが、自分の一部だ。好きな歌を歌っていた歌手、かっこよかった俳優、仕事を教えてくれた上司、通りすがりの人がしてくれた親切。そうゆうもんぜんぶ、自分の中に取り込んで生きとる。」
関わった人すべてが自分の一部、という言葉は自分を大切にすることに繋がると思った。自分の一部になるのなら、自分の好きな人達と関 -
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寺地はるな作品 初読み
大阪の片隅にある あかつきマーケットのゆるキャラ「あかつきん」
閉店もうわさされるマーケットのキャラクターが突如 失踪。
でも SNSでは街のあちこちに出没しているらしい。
同じ街に住んで、「あかつきん」に関わる街の人達 ひとりずつは知っているようで
それぞれが自分の想いがあり、生活があり、事件があり・・・・
何気ない日常だけど みんな悩んで、考えて・・・・・いきている
沢山の人のエピソードが ビーズのネックレスのようにつながっていく。
オムニバス小説
私は「昼の月」のバビルサの船出・・・・好きです。
自転車屋のおじいちゃんとその孫の話
ひと世界の中で生きていくの