池上英子のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
江戸時代の人々は様々な活動の姿、本書ではアバターと称しているが、を持っていたことを多くに事例で示している.松尾芭蕉、伊能忠敬、渡辺崋山、横山崋山、等々.終章で田中さんが上手にまとめているが、"江戸時代は高齢化社会ではなかったにもかかわらず、隠居の活躍する社会だった.アバターというテーマは非定常発達者だけの問題ではない.ひとつの空間に固執するべからず.自分の中に豊かなマルチ・ユニバースと分身を確保すべきだ(p304-305)" .国会でしどろもどろになっているおっさんに聞かせたいものだ.柳家花緑の話も楽しめたが、非定常発達者をいかに社会に取り込むかは大切な視点だと感じた.俳諧
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Posted by ブクログ
ネタバレ自閉症当事者は、他者とうまくコミュニケーションができないと思われがちですが、それは、インテリジェンスの形が多数派とは違うからであり、それぞれに個性的で内面に豊かな世界を抱えている人々がいるという事実を認識することは、社会全体にとってプラスになる、という指摘が印象的でした。
数々の自閉症当事者の知性に触れたことを、著者が「知性の多様性への旅」と表現していましたが、彼ら彼女らの世界観の豊かさの触れること自体を著者が愉しんでいたことが伺えますね。
著者が本書を通して、「『見え方・感じ方のマイノリティ』が、この世界を豊かにしてくれる」ということを伝えている気がして、勇気をもらえる人も多いのでは、と