岡田千晶のレビュー一覧
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ネタバレあの小川洋子さん作の絵本、ということで手に取った一冊。
読んでいて、映画『トイ・ストーリー』を思い出した。
小さなアンナちゃんの、お出かけ用のブラウスの一番上にとまっているボタンちゃん。丸いお顔のかわいい女のコ。
一番上にいるから、アンナちゃんの一番近くでアンナちゃんのことを見ていられる。いわば特等席に居られる存在。仲良しのボタンホールちゃんと一緒に、お出かけ中のちょっぴりおすましのアンナちゃんのことをニコニコしながら見守っている。
そんなボタンちゃんにある日ハプニングが。なんとボタンの糸が切れてしまってボタンちゃんが遠くに転がっていってしまい…。
小さなアンナちゃんがもっと小さな頃、大切 -
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小川洋子さん初の絵本は、小説で時折見られる、妖しくも甘美な毒は無く、お子さんと親御さんに送る、やさしい物語でした。
ただ、それでも、日の当たらなくなったものたちへの温かい眼差しには、絵本でも、やはり小川さんは小川さんだなと感じられました。
それは、幼い頃のお子さんの成長を助けたが、やがてお役御免となり、記憶の片隅に取り残された物たちへの眼差しを、ボタンちゃんの素敵な励ましを通して、私たちに見せてくれます。
確かに、実際に使われていた間は、幼いお子さんにはまだ自意識が目覚めていないから、やむを得ない部分もあるのだが(思い出せないだけで実際嬉しかったんだろうな)、大きくなってから実は、こんな -
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ネタバレあらすじ?
アンナちゃんのよそ行き用のブラウスの一番上のボタンのボタンちゃんと彼女を支えるボタンホールちゃん。ある日、ボタンちゃんが外れてしまい、部屋の床へ転がってしまいます。ボタンちゃんは、部屋のあちこちを探検しながら、アンナちゃんが小さい頃に使っていて忘れ去られてしまった思い出の品たちに会い、心を通わせていきます。ベットの下にいたところをアンナちゃんのお母さんに見つかったボタンちゃんは無事にボタンホールちゃんの元へ戻りました。時を経てアンナちゃんが大きくなり、ブラウスも着られなくなってしまうと、ブラウスも思い出の品に変わります。
感想
表紙ににっこりと可愛く笑ているボタンちゃんが描か -
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兄妹ぎつねの「コン」と「キン」は、表紙のような仲良しぶりが微笑ましく、かあさんぎつねも、陰からそっと見守ることが出来る、森の中のほらあなのお家で暮らしています。
ある日、そんなコンとキンの元に泣きながらやって来たのは、小さなうさぎで、彼らが何を聞いても泣いているばかりでしたが、やがて、かあさんぎつねの助けもあって、迷子になったことが分かり、コンとキンは、うさぎを抱っこしながら、無事お家を見つけてあげることが出来て、かあさんぎつねも、そんな親切な彼らを誇りに思っています。
それから、あくる日、かあさんぎつねが野いちごを摘みに出掛けた後で、コンとキンの元に泣きながらやって来たのは、今度は -
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「おかだこう」、「岡田千晶」夫妻、待望の最新作。
物語はまず、木の実をたくさん集めるため、初めて訪れる森に、おかあさんとやって来た、「こねずみ」の好奇心いっぱいの目線が印象的で、カエルやカタツムリを見つめる嬉しそうな表情や、綺麗な花(たぶん千日紅)に思わず手を伸ばそうとする、けなげな可愛らしさには、こねずみの心優しい一面が表れているようで、早速、感情移入させられます。
そんな新しい出会いに夢中になっていたら・・・
あれ? いつの間にか、おかあさんがいなくなっていたことに気付く、こねずみ。
空には夕暮れが漂いだして、思わず心細くなった、こねずみは、おかあさんを探すために駆け出します。
やが -
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ボタンちゃんをブラウスに繋ぎ留めていた糸が切れたことで思わぬ旅に出てしまうボタンちゃん。
アンナちゃんの成長の過程のお気に入りに出会い、アンナちゃんの今を教えてあげる。
やがてボタンちゃんも「思い出の箱」の仲間入りする。
柔らかい絵と共にボタンちゃんによって語られるアンナちゃんの成長。
ボタンちゃんが旅に出ているとき、ボタンホールちゃんのことをちょっぴり忘れていることはボタンちゃんの独り立ち?深読みかな。
最後のページのガラガラの音がアンナちゃんには聞こえない、という場面はちょっぴり寂しくて、でも誇らしげに見守る「思い出箱」の仲間たちの姿だ。
優しい気持ちになれる絵本だ。