博報堂生活総合研究所のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
博報堂生活総合研究所が、Z家族(Z世代の子どもとその親世代)を、長期時系列調査、定量調査、インタビューなどをもとに分析する。まさに私自身がこのZ家族にあたるので、納得の嵐。
「みんなやってるよ!」「みんな持ってる〜!」の、「みんな」って誰?
と、親から言われたことのある人も多いだろうが、私自身は意識して、わりと幼い頃からこの「みんな〜」は使わないようにしてきた。この「みんな」には、大いなる主観からくる思い込みがほとんどだからだ。「今どきの若者は〜」という文脈で語られる「若者」の実態を、無条件に受け入れてはいないつもりでいたけれど、やはり数字で見るとハッとさせられる。
またこれらのデータ分析を受けての有識者のインタビューも興味深い。
何より、このデータ分析を実際に職場や社会でどう生かしていくかという実践的な提言が、この本の真骨頂だろう。
個人的には、ヘタな推理小説より、データが示す事実にゾクゾクする。 -
Posted by ブクログ
自分のZ世代の息子がとにかくよく母親とやりとり(会話、チャット)している様子に自分の若い頃と比べて違和感を感じていたのと、池上彰さんのテレビ番組で「自分の尊敬する人物は誰か」という問いで、「母親」という回答が爆増しているというのを見て何となく気になっていたところ、それに答えてくれたのが本書。帯の押見修造さんの『血の轍』を彷彿させる母と息子のイラストがありギョっとしたのだが、このギョっとしてしまう感覚こそ、「親密な母と息子」に対する、マザコン、過保護、毒親という従来のイメージなわけだが、そういうものとは全く違う、20歳過ぎても誕生プレゼントを貰ったり、息子と母親で洋服を共有したり、自分の人生に最も影響を受けた人物が偉人や好きなアーティストとかではなく親と言い、親に日常のこまごましたことから就職までアドバイスを求め、それに素直に従うというような、新たな関係性があったという、調査を行った側のZ世代の少し上の世代すら驚いた調査結果なのだった。本書では親を団塊ジュニア世代、2024年時点の19~22歳をコアZ世代とし、Z世代に対する世間の印象の誤解を解き明かすところから始まる。つまり世代論にありがちな、「世代的な」特徴と「年齢的な」あるいは「時代的な」特徴との取違えであったり、SNSで周囲と耐えず比較しているから自己肯定感が低いだろう、とか、環境問題に対して意識が高そうだ、とかいう然るべき論による思い込みとかだ。自分はリアルZ世代の子どもとその友人たちなどを見ているからそれほど誤解した印象を持っていなかったが、そうでない人は結構「へぇ~」と思うことも多いと思う。この仲の良い親子関係(母親だけでなく父親も含めて)が生まれた背景だが、まず、団塊ジュニア世代から現在の若者までカルチャーの衝突がない(属性的に同じ価値観である)という大前提があり、親と子というのは価値観の相違・衝突が当たり前、「大人はわかってくれない」では現在はないということだ(著者である博報堂生活総合研究所は「消齢化社会」という概念を提唱している)。そしてとりわけ母親の株が急上昇したのは、社会で働く母親が当たり前になり、的確な社会人的アドバイザー、いわゆるメンターとして頼れる存在になったことが大きい。このほかチャットアプリの登場で面と向かって会話する面映ゆさや億劫さという障壁がなくなったこと、そしてリビングで銘々がスマホを眺めているという、プライベートを確保するのに自分の部屋に籠る必要がなくなったライフスタイル、団塊ジュニアが就職氷河期で大変な思いで自分を育ててくれたという感謝、コロナによる家族間時間の深まり、いろいろな気遣いが求められる友人や異性という外コミュニティに対する「コンプラ解放区」としての家庭、などがとりあげられ、なるほどと思うことしきりであった。とりわけ女子の「異性と付き合っていない女子はいけてない」という旧世代の感覚の消滅という指摘は興味深く、実は親密な対人関係において「母との関係」が急増しているという数値は、「異性との関係」というパイを根こそぎ奪ったもので、父との関係、同性の友人との関係などはあまり変化はないらしい。個人的には端的にいえばローリスクコミュニケーションであることがZ親子関係ということなのかな、という印象であった。となれば、同じZ世代でも外国に比べて日本の若者は内向きで外へ向かっていこうとしないこと、主体性の抑制などが気になってくるのだが、ある意味これこそが世代論的誤解というやつで、もともと日本人全体としてその傾向があり、Z世代の若者はその親たちの行動規範に素直に従うのだという指摘には肯かざるを得ない。最後に、本書で一番面白いのは、10組くらいのZ親子のチャットアプリでの生やりとりのサンプル。口調も中身も、まるで友だち同士のようなそのやりとりは、へぇーーと感心しきりだった。
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Posted by ブクログ
20歳前後のコアZ世代に、30年前(親世代)と同じ設計の調査を実施して、Z世代の価値観、人間関係のあり方等を親世代と比較する形で分析されたものになっていて、「今の若者は・・・」で揶揄されるような内容についてデータをもって検証されるようになっており、興味深いものが多かった。
最近の若者の一番のメンターは母親ということだが、確かに最近「マザコン」というワードを聴かなくなったなと思い、何でも母親に相談するのが当たり前になってきているからなのかなと納得した。
一方の父親はどんな存在になっているかというと、昔の「上から」なスタンスは立ち消え、子が自ら考え、判断できるようになるための判断材料を提示するシステムになっていることが多いらしく、チャットGPTみたいな存在になっているのかなと思った。
しかし、子が適正年齢(生成AIを適切に扱える年齢)になるまでは、その代役としてこれからも必要なのだと思う(その先は、どうあるべきなのかはわからないが)
AIが更に普及した次の30年後の調査結果が気になる。 -
Posted by ブクログ
旧Twitterの広告で知って電子で購入。
まさにZ世代の息子を持つ私としては、興味津々。
そして分かったのは、親と仲がいいのはうちだけじゃなかったという驚きの事実。
小さいころから穏やかな子で、いるんだかいないんだかわからないくらいおとなしい子だった。
特に友人トラブルもなく、成人してしまった。
しまったというのもなんだけど。
そしてそれはうちの子が特別なのかと思っていたけど、そうか、Z世代の特徴なのね!
書いてある通りの我が家の息子ですwww
そしてわたしは書いてある通り完全なるメンター母だわ。
タイトルがミスリードというか、近「すぎる」ってネガティブにとらえてる内容と思われるよね。
まあ、私もドキドキしながら読み始めた。
だって帯の絵があれだし(漫画は未読)。
私としては、頑張りが報われるような世の中でもなし、家族はチームとして、乗り切って生き延びるという考え方です。
それがよかったのかどうか、私が死ぬころくらいにはわかるでしょうか。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ親世代からしたらZ世代の若者は可哀想だと勝手に思い込んでしまっていましたがそんなことはなく、
若者は若者で非常に満足して幸福な人生を送っているということが伝わってきました。
そしてその理由が自分たちの時とは違いメンターとして信頼できる親がいて(父母のどちらかというわけでなく)、
心理的に安心できているからだというのもよく分かりました。
社会環境や文明の利器などによって我々の頃とは全く違った子供時代を過ごした若者にとって、親という存在の在り方も全然違うのだということも実感しました。
一方で高校生から保育園児まで育てる親として昔の価値観のままで接している自分もいて今時の考えに改めていかないとなとも思いましたし、
職場での若者との関わり方にも色々な示唆を得られました。
(あくまでシステマティックに接する、評価するにしても目立つようにはしないし、感情を交えず事実確認のみを行う。若者の本音を聞き出そうとせず若手同士のやり取りに任せるなどなど)
コンプラといった言葉が過度に浸透した社会で小さい時から生きづらく育ってきた子どもたちならそうなるよなぁと納得。
そして30年前と比して同性の友人が恋人以上に家族と同様大事な存在となっていることを知り、
恋人を同じコミュニティで作りにくいが故にマッチングアプリなど出会い目的のツールが重宝されていることにも納得。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ面白かった!家族との関係性はZ世代の家族観と共感できるところも多かった 同じ質問を30年の時間軸でやっていて、巷で噂されることを印象論で語るんじゃなくて、ちゃんとデータで検証してるところが説得力があった それは若者だけじゃなくて親世代もそうでは?というのがいくつかあったりした
ただ正直、この手の本で若者を一緒くたにされることが不満 若者にはこう接するといい、みたいな文脈で「気さくに声をかけたり、距離を縮めたりしようとしない」とあった 精神的なつながりは不要とのこと だが自分は寧ろそういう声かけをしてほしいタイプの若者なのに主語を大きくして一括りにしないでほしい -
Posted by ブクログ
<目次>
第1章 消齢化の発見
第2章 消齢化の背景
第3章 消齢化の未来
第4章 有識者と考える「消齢化社会」
終章 発想転換のための8つのヒント
<内容>
「消齢化」。いわゆるジェネレーションギャップのようなものが薄れている状態。年齢によるファッション、流行、感覚の差がなくなっている状態。博報堂生活総合研究所が何十年も定点観測やアンケートを重ねた結果見えてきたものだそうで、自分も読んでいて感覚的に違和感がなかった。80、90年代の流行歌の再流行、本の帯にあるような男性ファッションの類型化など。さすが博報堂は、これについて有識者へのインタビューと、8つの提案をしている。 -
Posted by ブクログ
平成振り返る本がたくさん出版されている中、この本を選んだのはただの偶然。
たくさんのデータから「あくまで我々はこう考えますよ」というスタンスが好感を持てる。
読んでみて驚いたのが、高齢者の章にほとんど心躍らない自分。どれだけ冷たいんだよ。
実生活でもそんな感じかなぁ。「ま、勝手に元気に生きてくれ」という感覚は、ある。
同世代や子どもについては興味深く読める。
この狭い心をどうにかしたい。
【イマ・ココ・ワタシ】の充実に意識が向いてきているということだけど、どうなんだろう。
昔ながらの隣近所の付き合いは薄くなっているんだろうけど、別なつながりの形がどんどんできていて、その中でみんなで楽しむ、という風に見える。
楽しむ方法は、確かに多様化していると思う。
みんな一斉に同じ楽しみをしなくなったから、【イマココワタシ】に見えるのだろうか。 -
Posted by ブクログ
●親子関係の変化からリアルな「Z世代」の特徴を解き明かした若者論。
●今と昔で「若者」の何が違うのか、何が同じなのかを捉える。→若者じゃなくて時代が変わったというのはなるほどと思った。
●本書がデータで示すのは、変わったのは「若者」ではなく「時代」であり、その中心には親世代との距離が劇的に縮まった「Z家族」の姿があるという事実だ。「若者の○○離れ」という言葉に違和感を覚えていたが、データが示す若者像を見ることで、やはり世間はZ世代を不確かなイメージで見ている部分があったのだなと得心がいった。特に面白かったのは、若者の反抗期の減少や幸福度の高さの背景にある、親子の「感覚のギャップ(年齢による差)」が消えていく「消齢化」という視点。親が反抗すべき壁ではなく「価値観の近い味方(メンター)」に変化したことで、若者は家の中に絶対的な安心感を得ているという。単なる若者論にとどまらず、家族や職場の人間関係の「今」をフラットに見つめ直させてくれる作品。