宮崎雅人のレビュー一覧
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ぺティ・クラークの法則 1次→2次→3次産業構造への移行
サービス経済化 大消費地が正義 サービスはストックできない、移動できない。
企業内分業体制が地方の「発展なき成長」に寄与してしまった。
地方には単純労働をさせて、大都市には高付加価値を付与するものを残した。
地方の兼業農家は景気の調整弁であった。
兼業農家が死滅した後に派遣労働者で労働力を補ったという感想。
基幹産業が衰退した地域は衰退せざるを得ない。
「地域外に生産物を移出し、地域外から所得を得る基盤産業が衰退した地域は、衰退することが避けられない。」p89
資本主義システムが人、富の集まる場所にさらに人、富を呼び込むようにできている -
Posted by ブクログ
ケンミンショーやポツンと一軒家など人気テレビ番組で地方の良さをアピールしているが、本書を読むと地域コミュニティの衰退がよく分かる。
中でも面白かったのは、土木業と介護労働者の話。自治体が公共事業を土木業者へ発注する際には、事業者を資本規模に合わせてランク付けする。同じく、案件もランク付けされており、事業者は自社のランクに合った案件しか受注できない。例えば、海峡大橋の建設はランクAの業者しか受注出来ないが、河川の堤防工事はランクCの業者しか受注出来ない。このランク付けにより、地元業者の受注機会が保証され、ひいては地元経済の活性化と雇用創出に寄与してきた。しかし、高齢化が加速化する中では自治体の予 -
Posted by ブクログ
なぜ、日本人は増税をこれほどまでに嫌がるのか。
今の日本の閉塞感はどこからきているのか。
研究者らしく分析していて面白かった。
日本の借金返済にはまだ余裕があるから、まずは普遍的な福祉を充実させてから増税につなげるべきという考え方。
どうしたら増税ができるのか、それを考えなくては、財政再建もままならない。
支出を切り詰めるより、収入を増やすことを考える、成長神話は終わってるという考えは至極納得できる。
ただ、じゃあ増税に納得できる福祉ってなんだ、という部分が少し弱い気もした。
そこを考えるのは、また別の人、もしかしたら私たちなのかもしれない。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ地域衰退。
客観的に論じ、
精神論でなく分析的にこの先を見据える著書だと思い、
購読。
また、事例としている地域が、
著者の故郷であるという長野県の市町村であり、
私の記憶にも符合するものがあった。
2つの点で思考を深くした。
1.
地域の企業がいなくなると、地域経済は落ち込む。
しかし、だからと言って
「誘致しよう」と傾倒するのは違う、と言いたい。
これまで、「○○城下町」に胡坐をかき、
その企業に依存して、リスクヘッジを持たなかったから、
その地域は「衰退」したのだ。
企業は、ある土地固有の資源に基づいていない限り、
どこでも生きていける存在と考えるべきだ。
地域固有の資源に根差した、 -
Posted by ブクログ
・地域経済の成長を牽引するのは、地域外に移出され、当該地域に所得をもたらす基盤産業であるという移出ベース理論に立つ。
・有効求人倍率が高いのは、地域衰退の指標でもある。
・製造業事業者の減少が人口減に直結していない傾向もある→事業所サービスの存在
・日本全体の行政投資額に占める国の割合は2割程度。自治体に実施してもらうための誘導策が地総債。
・国による地方単独事業の誘発は各地方に存在する建設業者の経営に寄与したが、自治体の財政を悪化かせた。公債費が増大する中で、自治体は公共事業費を削減。
・事業所サービス業は大都市圏に偏在する。農業的地域では個人消費と一般政府への最終消費支出の依存が強い。
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