吉野さやかのレビュー一覧

  • 無垢なる者たちの煉獄 下

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    カリーヌ・ジエベル『無垢なる者たちの煉獄 下』竹書房文庫。

    下巻。いよいよサイコパスとしての本性を現した獣医サンドラの夫パトリック。シリアルキラーと強盗犯の息詰まる攻防。強盗犯ラファエルと弟ウィリアム、囚われたオレリーとジェシカ二人の少女の運命や如何に……

    極悪非道、最凶最悪のサイコパス……

    二転三転の息をも付かせぬ展開に、ある程度は予想していたものの終盤のあっと驚く怒濤の展開。そして、何よりも結末が良い。男らしく、潔い結末……

    竹書房文庫はたまに当りがあるので油断出来ない。何しろキャロル・オコンネルの『マロリー・シリーズ』を世に出したのは竹書房文庫なのだから。最近ではハリー・ファージ

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    2019年03月12日
  • 無垢なる者たちの煉獄 上

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    カリーヌ・ジエベル『無垢なる者たちの煉獄 上』竹書房文庫。

    上巻は上々の滑り出し。なかなか面白い設定のサスペンス・ミステリー小説である。サイコパスでシリアルキラーのパトリックに比べたら強盗犯など生温い。

    14年の刑期を終えたラファエルは弟ウィリアム、刑務所仲間のフレッド、クリステルと宝石強盗を決行。3千万ユーロものの宝石を手にしたが、警官隊との銃撃戦によりウィリアムが負傷し、夫の帰りを待つ獣医サンドラの古びた屋敷に逃げ込む。ところが、サンドラの夫パトリックの正体はシリアルキラーだった……

    ラファエルの焦燥とシリアルキラーが獲物を狙う描写が交互に描かれ、ジリジリした展開が続く。強盗犯対シリ

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    2019年03月11日
  • アウシュヴィッツを泳いだ男

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    収容所での凄まじい時間とそれまでの普通の穏やかな生活が交互に描かれていて、少しずつ迫害されて行く様子が恐ろしくて読み進めるのに時間がかかった。アウシュビッツの惨状は『夜と霧』でも読んだけれど、何度見聞きしようが慣れることはないし言葉では表現できない重い気持ちになる。

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    2025年01月05日
  • 無垢なる者たちの煉獄 下

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    壮絶。こんなに痛めつけられても大丈夫なもんなんですかね。ラファエルたちが強盗だったことが吹き飛ぶほどの凶悪さ。彼らがいい人に見えてくるのを止められません。人のいろんな面を見せつけられて、サスペンスにとどまらない厚みがあります。ルフェーブル登場場面、いいですねえ。ラストへの流れも好みです。

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    2019年04月28日
  • 無垢なる者たちの煉獄 上

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    格調高いタイトルに惹かれました。さらさらとした文体で実に読みやすいです。悪vs邪悪の対決。最初悪人、と思ってた彼らが可愛く見えてきます。ラファエルの過去が繰り返し投影されるので、彼らが主役なんでしょう。ここから先挽回できるのか、下巻が楽しみです。

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    2019年04月25日
  • 無垢なる者たちの煉獄 下

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    警察に追われた宝石強盗犯たちが逃げ込んだのは田舎の一軒家。獣医の女性がいたので監禁した・・・しかし、彼女の夫はサイコキラーで女児を・・・

    うおー。なんて話だ。エロ、グロ、そしてサイコ。素晴らしい。

    あんまりネタバレしてはいけないけれど、獣医の夫が帰宅してから、立場が逆転し、強盗犯たちが酷い目に合うのだ。その逆転と、さらにその後のどんでん返し。

    上下巻あるけれど、割と素早く読める。登場人物が少ないのと、集中して読まないといけない山場は、ラスト100頁なので、それまではパパッと進む。

    エログロサイコとどんでん返しという私の好物ばかりで、お腹いっぱいいただいた。

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    2019年03月08日
  • 無垢なる者たちの煉獄 上

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    フランスのミステリー作品、初めて読みましたが面白かった。前半わりとモサモサしてるんだけど、パトリックという真打ちが登場してから、加速度をつけて悪夢さながらの頭脳戦が進んでいきます。悪人VS悪人の構図は平山夢明が好きな人にはフィットするかも。同様に、タランティーノが監督したらさぞ面白かろうと思ったのですが、エピローグまで読むとちょっとテイストが違うかな、どちらかというとデヴィッド・フィンチャーかなと感じました。こういう終わり方はフランスっぽいというか。これも一種のピカレスクロマンなんでしょうね。フランス国内で色々賞を取っている作家さんなので、是非他の作品も読んでみたいです。

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    2019年05月06日