関根正雄のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレ岩波文庫から出ている日本語訳(所謂「関根訳」)旧約聖書の『ヨブ記』。ビブリア・ヘブライカ(1937年版)を底本としており、詳細な注釈を施している他、一部文意が通るように節を入れ替えたりしている。
本書は「義人の苦難」、あるいは神義論をテーマにした旧約聖書中でも重要な書物である。「人は理由なしに神を畏れることができるか」という神と敵対者の賭けの中で、神はその証明として「全くかつ直ぐ」な義人ヨブに苦難を与える。常に神に従い、それ故に神の恵みを受けてきたヨブは、この唐突で理不尽な災いの前に苦悩し嘆くことしかできない。因果応報の立場から彼を悪人と断罪する彼の友人たちとの討論の中で、ヨブは(己の限界を認 -
Posted by ブクログ
YHVHさんがヨブを許したんじゃなくて
ヨブがYHVHさんを許したんだと思います。
きっと正面から文句を言ってくる人がいてくれて、
YHVHさんもうれしかったと思うのです。
でなかったらどうして、ヨブだけがYHVHさんにあんなにごほうびをもらえたんでしょうか。
YHVHさんは神棚にすえられておがまれるだけなのがさびしくて、
人とかかわりたかったんじゃないかと思うのです。
それがものすごく不器用なやり方で、人を殺すようなやり方しかできなかったとしてもです。
昔の人がYHVHさんをおがまないといけなかったとしたら、
それはYHVHさんが偉大かつ全能だからではなくて、
私たちと同じくらいにアホ -
Posted by ブクログ
旧約聖書最初の5つの書『創世記』『出エジプト記』『レビ記』『民数記』『申命記』は「モーセの五書」と呼ばれる。
モーセはなぜこの5書を書いたのか?それはエジプトを脱出し、これから約束の地カナンに入る前に、現在の若者たちにこれまでの歴史を知ってもらいたかったからである。当初エジプトで囚われた世代はもはやおらず、現在エジプトでのみ生まれ育った若者は、アダムとイブも、ノアの方舟もアブラハム契約も知らない。
旧約聖書の神は契「約」の神である。特に創世記はユダヤ人に関してというよりは人類全体の始まりを解説している。なぜ神が畏れるべき存在なのか、それはこの世界の創造者であるからだ。神の声を聞いたことのな -
Posted by ブクログ
バビロニアの神マルドゥクは、大洪水を起こす竜(海の神ティアマト)と戦い、勝利した。『エヌマ・エリシュ』 シュメール
神々は大洪水を起こすことを決める。すべての人間は土に帰る。しかし知恵の神エアが、人間ウトナピシュティムに四角い船(方舟はこぶね)を作らせて生命の種を救わせた。神々に選ばれたウトナピシュティムは不死を与えられ、楽園ディルムンに住むことを許される▼ウルク王ギルガメッシュ。友人エンキドゥの死を経験し、死の恐怖を抱く。私もいつか同じように死ぬのではないか。不死を求めて旅立つ。楽園ディルムンに辿り着いたギルガメッシュ。「自分も不死にしてください」。ウトナピシュティムは「お前が求めるその生 -
Posted by ブクログ
岩波文庫から出ている日本語訳(所謂「関根訳」)旧約聖書の『創世記』。ビブリア・ヘブライカ(1937年版)を底本としており、詳細な注釈を施している。
本書の特徴は、高等批評に基づく聖書本文の詳細な注である。訳者は文章仮説に基づいて、本文の各節がおおよそどの資料に由来しているのか(或いはそう考えられるのか)を注で事細かに解説している。またそれに合わせて、文意が通るように一部節を入れ替えている箇所がある。無論本文の単語や語句、その背景にある思想についても説明がされており、学問的にもまた文学的にも読みやすいものとなっている。
本書が訳されたのが1956年ということもあり、現代の聖書研究と比べ古い説を採 -
Posted by ブクログ
作者不詳。紀元前5世紀から紀元前3世紀頃のパレスチナに於いて成立したとみられる。
神への信仰篤く、その善に従って生きてきたヨブに、神は次々と過酷な試練を与え、ヨブは「神が在りながらなぜこのような災厄に見舞われるのか」と生の意味を喪失してしまう。しかしここには、信仰に於ける実利主義・応報思想・「幸福の神義論」(ヴェーバー)、則ち人間中心主義――人間は、神の神たるゆえに神を信仰するのではなく、所詮は自己の利益の為に信仰するのだ、という構え――が大前提として横たわっていると云える。そもそも、神をしてヨブに理不尽な苦難を与えるように仕向けた敵対者(サタン)に次のように云わせることで、作者は信仰とそ