柳原和子のレビュー一覧

  • がん患者学Ⅰ 長期生存患者たちに学ぶ

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    がんと言えばこの本と言うくらい代表的な本らしい。

    著者自身もがんを患い、がんを乗り越えて寛解した人たちを取材している。
    抗がん剤治療を否定しているのかと思えば、標準治療で寛解している人も登場するのでそういうわけでもない。

    「こうするのが正しい」という押し付けが一切ないから読みやすい。
    登場人物も、様々な年齢、性別、社会的地位の方が登場して、がんとの向き合い方も千差万別。

    個人的には後書きの部分が1番響いた。
    病にかかること、病で亡くなることを失敗、不幸と決めつける社会の価値観に疑問を呈している。
    私達は病や死と常に隣り合わせで生きているのだから、病も死も常にセットで生活していると言える。

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    2022年06月24日
  • 百万回の永訣 がん再発日記

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    死は平等にやってくる。体が蝕まれても頭もぼけていたら、がんの苦痛も軽くなる。アンバランスが悲劇を招く。50代は早すぎる。

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    2012年07月09日
  • 「在外」日本人

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    ネタバレ

    日本を飛び出し海外で生活する日本人にインタビューしまとめたもの
    エピソードのひとつひとつがとても重くて深い
    下手な映画よりもドラマチックな人生を歩んでいる人が多くて
    まさに「事実は小説よりも奇なり」を充分に堪能出来た

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    2011年02月24日
  • 百万回の永訣 がん再発日記

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    医者の気持ちも残される人の気持ちもわかるけど考えない。
    自分は患者だから。患者の視点を失わないように。
    あくまで患者だって事を忘れないようにと、あえて患者の立場を貫いて書かれた闘病記。

    著者はノンフィクション作家で、今まで色んな人を書いてきたけれど、部外者の立場に気後れする部分があった。
    どこまで近づいたつもりになっても所詮は当事者じゃないから、自分が当事者になれる場所をみつけて安堵したというあたりはすごく解かる気がする。

    解説が、最初は粗筋書いてどうすんだよと思ったんだけれどもすごく良かった。そういう読み方をしたい。

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    2013年07月18日
  • がん患者学Ⅱ 専門家との対話・闘病の記録

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    ネタバレ

    前半部分は、著者とがんの専門家(主に医師)との対話形式で進む。

    著者からは、現代医療への憎しみが感じられる。
    とりわけ、抗がん剤については、かなりの拒否反応を示しているようで、玄米菜食や免疫療法などの代替医療を主に信頼している様子。

    後半部分は、著者の母が卵巣がんで亡くなったこと、そして、著者自身が、母と同じ歳に同じ卵巣がんに罹ったことの体験談が書かれていた。
    著者の現代医療への不信は、全てこの体験に基づいていると理解した。

    昔のこととは言え、医者や看護師の患者に対する態度は、こんなにも横柄だったのかと驚く。
    治療方法は、この時代と今はそんなに変わらないかもしれないが、医療を取り巻く環境

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    2022年06月24日
  • がん患者学Ⅲ がん生還者たち──病から生まれ出づるもの

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    がん患者学の最終章。

    著書が告知から1年間手術と抗がん剤治療を受け、その後2年間山にこもって仙人の様な生活をした後の話。
    告知から5年経っており現段階で再発はない。

    現代医療は、命をかけた壮大な博打であるという言葉は胸に響いた。
    がん治療に限らず当てはまることだと思う。

    著者の「末期においては、もはやクオリティオブライフを追求するのではなく、クオリティオブデスを追求すべき」という考えには納得。

    ダライ・ラマの「病気で死ぬのではなく完成したから死ぬ」という言葉は今後も覚えておきたい。
    例え些細なことであってもその人はやろうとしたことを成し遂げ完成させた。だから誇りをもって去ることができる

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    2022年06月24日