作品一覧

  • がん患者学Ⅰ 長期生存患者たちに学ぶ
    4.0
    肺が胸水に漬かったための背中の鈍痛、深い咳き込み、さらに腹水による膨満感で衰弱の果てに運び込まれた大学病院への緊急入院。赤ん坊の頭大の卵管がん原発巣と、左右の子宮、卵巣、腹膜への播種状の転移が発見され、47歳でがん患者となった著者。検査、手術、抗がん剤治療……。延べ8ヵ月の長い入院暮らしで無数の患者たちの語りを聞き続け、死を敗北として扱う医療現場で彼らが深く傷ついていることを知る。「がん患者としていかにして生きていけばいいのか?」その答えを求め、医療の予測に反して長期生存をとげた18人のがん患者たちを訪ね、克明な体験談を聞いた記録。
  • 百万回の永訣 がん再発日記
    4.0
    さわやかな秋晴れの朝、がんが再発。左右両葉の肝臓に、最大5センチ15個の肝転移巣の影が見つかったのだ。5年生存をはたした祝いを受けた、1年半後。誰もが完全治癒を楽観していた6年半前の卵管がんだった。この日から、「試されている。いかに生き、いかに抗い、いかに達観し、いかに諦め、いかに死んでゆくのか、を」と記した著者の彷徨が始まる。絶望と孤独の中から、信じる医師とめぐり合うまで――がん医療のあり方を問い続けた650日の記録。
  • 「在外」日本人
    4.0
    遠く故国と離れ、地球サイズで生きる108人の日本人。彼らは外国人として、どのような体験をしているのか? 世界と日本をどのように見ているのだろうか? 足かけ4年にわたり、40ヵ国65都市、それぞれの地で生きる彼らのなまの声を集め、現在の地球の姿を浮かびあがらせた、かつてないインタヴュー・ノンフィクション! グローバル化した現代で我々が学ぶべき体験を先駆けた、先輩たちの生きる姿が目に浮かぶように甦る!

ユーザーレビュー

  • がん患者学Ⅰ 長期生存患者たちに学ぶ

    Posted by ブクログ

    がんと言えばこの本と言うくらい代表的な本らしい。

    著者自身もがんを患い、がんを乗り越えて寛解した人たちを取材している。
    抗がん剤治療を否定しているのかと思えば、標準治療で寛解している人も登場するのでそういうわけでもない。

    「こうするのが正しい」という押し付けが一切ないから読みやすい。
    登場人物も、様々な年齢、性別、社会的地位の方が登場して、がんとの向き合い方も千差万別。

    個人的には後書きの部分が1番響いた。
    病にかかること、病で亡くなることを失敗、不幸と決めつける社会の価値観に疑問を呈している。
    私達は病や死と常に隣り合わせで生きているのだから、病も死も常にセットで生活していると言える。

    0
    2022年06月24日
  • 百万回の永訣 がん再発日記

    Posted by ブクログ

    死は平等にやってくる。体が蝕まれても頭もぼけていたら、がんの苦痛も軽くなる。アンバランスが悲劇を招く。50代は早すぎる。

    0
    2012年07月09日
  • 「在外」日本人

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    日本を飛び出し海外で生活する日本人にインタビューしまとめたもの
    エピソードのひとつひとつがとても重くて深い
    下手な映画よりもドラマチックな人生を歩んでいる人が多くて
    まさに「事実は小説よりも奇なり」を充分に堪能出来た

    0
    2011年02月24日
  • 百万回の永訣 がん再発日記

    Posted by ブクログ

    医者の気持ちも残される人の気持ちもわかるけど考えない。
    自分は患者だから。患者の視点を失わないように。
    あくまで患者だって事を忘れないようにと、あえて患者の立場を貫いて書かれた闘病記。

    著者はノンフィクション作家で、今まで色んな人を書いてきたけれど、部外者の立場に気後れする部分があった。
    どこまで近づいたつもりになっても所詮は当事者じゃないから、自分が当事者になれる場所をみつけて安堵したというあたりはすごく解かる気がする。

    解説が、最初は粗筋書いてどうすんだよと思ったんだけれどもすごく良かった。そういう読み方をしたい。

    0
    2013年07月18日
  • がん患者学Ⅱ 専門家との対話・闘病の記録

    Posted by ブクログ

    ネタバレ

    前半部分は、著者とがんの専門家(主に医師)との対話形式で進む。

    著者からは、現代医療への憎しみが感じられる。
    とりわけ、抗がん剤については、かなりの拒否反応を示しているようで、玄米菜食や免疫療法などの代替医療を主に信頼している様子。

    後半部分は、著者の母が卵巣がんで亡くなったこと、そして、著者自身が、母と同じ歳に同じ卵巣がんに罹ったことの体験談が書かれていた。
    著者の現代医療への不信は、全てこの体験に基づいていると理解した。

    昔のこととは言え、医者や看護師の患者に対する態度は、こんなにも横柄だったのかと驚く。
    治療方法は、この時代と今はそんなに変わらないかもしれないが、医療を取り巻く環境

    0
    2022年06月24日

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