あらすじ
赤ん坊の頭大の卵管がん原発巣と、左右の子宮、卵巣、腹膜への播種状の転移が発見され、47歳でがん患者となったノンフィクション作家の著者は、「がん患者としていかにして生きていけばいいのか?」その答えを求め、取材を始める。本書には、「がん患者はなにを怒り、恨むのか」「抗がん剤治療、その選択権は誰に?」「栄養学はがん治療に無力か?」――近藤誠医師ほか、がん医療に関わるさまざまな専門家との対話にくわえ、著者自らのがんとの闘いの克明な記録を収録。
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Posted by ブクログ
前半部分は、著者とがんの専門家(主に医師)との対話形式で進む。
著者からは、現代医療への憎しみが感じられる。
とりわけ、抗がん剤については、かなりの拒否反応を示しているようで、玄米菜食や免疫療法などの代替医療を主に信頼している様子。
後半部分は、著者の母が卵巣がんで亡くなったこと、そして、著者自身が、母と同じ歳に同じ卵巣がんに罹ったことの体験談が書かれていた。
著者の現代医療への不信は、全てこの体験に基づいていると理解した。
昔のこととは言え、医者や看護師の患者に対する態度は、こんなにも横柄だったのかと驚く。
治療方法は、この時代と今はそんなに変わらないかもしれないが、医療を取り巻く環境(ICやセカンドオピニオンなど)は、驚くほど変わった。
今の時代にがんに罹った人は、昔に比べたらまだましなのかもしれない。
著者は結局、手術、抗がん剤と、1年間の闘病生活を経て、玄米菜食の仙人の様な生活を2年間送って再発する。恐らく続編は、再発後の話。