あらすじ
自らのがんの闘病の記録を上梓し、NHKのテレビ番組にも出演した著者の元には、日本全国の多くのがん患者から手紙、ファックス、メールが届くようになる。時間の許す限り対話を重ね、各地へ見舞いに向かう著者が「もっとも愛する大事な作品」とする本書は、がん患者とがん治療に携わる医療者との深すぎる溝をみつめ、患者が求める医療を実現するために何が必要なのか、日米を取材して歩いた記録。NHKのETV「がん患者に学ぶ」で行った571人へのアンケートも収録。
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Posted by ブクログ
がん患者学の最終章。
著書が告知から1年間手術と抗がん剤治療を受け、その後2年間山にこもって仙人の様な生活をした後の話。
告知から5年経っており現段階で再発はない。
現代医療は、命をかけた壮大な博打であるという言葉は胸に響いた。
がん治療に限らず当てはまることだと思う。
著者の「末期においては、もはやクオリティオブライフを追求するのではなく、クオリティオブデスを追求すべき」という考えには納得。
ダライ・ラマの「病気で死ぬのではなく完成したから死ぬ」という言葉は今後も覚えておきたい。
例え些細なことであってもその人はやろうとしたことを成し遂げ完成させた。だから誇りをもって去ることができるのだという教え。
人生の目的はお金持ちになることでも、地位や名誉を手に入れることでもなく、深い愛を知ること。深く愛し愛されることであると著者は悟っている。