ダニエル・M・デイヴィスのレビュー一覧
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免疫学とその研究の発展、研究の実際的な描写とその大変さ、研究の医学への応用の試みと失敗、研究者たちの個性豊かなエピソード、そしてなにより人間の体の圧倒的な不思議と神秘
全てがバランス良く描かれていて、読みやすく、面白い。
著者自身が免疫学の教授で豊富な知識を有しながらも、膨大な未知を有する人体への謙虚な姿勢も持ち、さらにそこにワクワクする心も持っている。本書で紹介される研究者の多く(紹介されない多くの研究者もおそらく)もそうである。こういう方がのびのびと研究をすすめられる環境が世界中にあってほしいと願う。
また本書は多くの研究者へインタビューを行い作り上げているとのことで、著者のその行動 -
Posted by ブクログ
胚発生、神経系の生成、循環系の構築と維持、脳の環境に合わせた成熟 - 受精卵から成体に至り、その有機体を維持する仕組みがDNAによって構築と伝承が行われているのは奇跡のように不思議なことだ。
明らかになりつつある生体の免疫システムもそういった生物の奇跡のようなシステムの中のひとつだ。本書は、免疫システムに注目し、その解明の歴史とこれまでに分かっていることについて一般読者に向けて解説をしたものだ。
免疫システムの解明がここまで急ピッチで進んだのは、それが人の健康と寿命の維持に役に立ち、産業として利益を生む可能性があるからでもある。本書でも紹介されるコルチゾールなどはその事例の一つだろう。本書 -
Posted by ブクログ
牛痘、トル様受容体、樹状細胞、免疫チェックポイント…。免疫学の興りから最新の話題までを、基礎研究から医学応用に至るまで幅広く紹介した良書だ。
免疫でよく登場する、自己と体外から侵入してきた非自己を区別し、非自己を攻撃することで自己を守るという概念。分かりやすい考え方ではあるが、自己免疫疾患のように、細かい点を見ていくと例外も多くある。筆者は、免疫は多くのシステムが寄り集まったものであり、その全体像を一つの概念・原理で言い表すことは不可能とまで言い切る。本書は、その不思議な免疫学の、不思議さそのものを味わうことのできる本だ。
自分は一通り免疫学を大学で勉強した身だが、それでも、本書で初めて知るこ -
Posted by ブクログ
ネタバレバッタを扱った研究者らがバッタアレルギーになって、ハエに研究対象変えた件で爆笑!バッタアレルギー!あるんだそんなのw
第一部では以下過程が書かれていた
樹状細胞の発見、動態の解明、ワクチンの開発
インターフェロンの発見と応用
サイトカインの発見
第二部では、・・・難しかった
免疫システムの複雑さ、さまざまな条件下での面気質手もの変化、見たいの薬について書かれていた。
盛り上がったのは、樹状細胞を利用したワクチンの利用
研究者スタイマンガ肝臓がんになり自分の体で臨床実験するところが熱くなった。寿命数週間から数カ月と言われていたが、4年以上も持ちこたえたのはやはり何かしら効いていたことを指名 -
Posted by ブクログ
■評価
★★★✬☆
■概要・感想
○生物学の最新の進歩を、その研究を飛躍的に進歩させた人のストーリーに乗せて、説明している本。
○マイクロバイオームについて知りたいと思い手に取った。他で言われているように、良い食品があるというよりもその人に合う食品が何かを正確に捉えるほうが重要。GI値は目安に過ぎず、ケーキをバンバン食べても太らない人もいれば、寿司を食べると血糖値が急上昇してインスリンショックで太る食品となる人もいる。近い未来(既に到来している?)、自分にあう食事という側面で最適化されていくこともあるかと思う。
○プロバイオティクスは、エビデンスが揃っていないので、ウォッチする状態でいい