あらすじ
《とんでもなく複雑で、とんでもなく精巧──内なる秘境、人体。さあ“秘密の人体”へ分け入る旅へ!》
私たちの未来に最もインパクトを与えるのは、自動運転車でもロボットでもない。
――「ヒト生物学」だ。
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私たち自身の体内に広がる「ミクロの宇宙」。
知るためには、まず、見なければならない。
それぞれの時代時代で、研究によって得られた知識をもとに私たちは自らの体を「見て」、そして考えてきた。そこには、人体を見ようと奮闘した科学者たちの物語があった。その営みは今も脈々と続いている。
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新たなテクノロジーとツールによって明かされてきた人体の姿は、息を呑むほど精巧で、複雑で、多様性に溢れている。その光景は私たちに問いかける。
細胞とは何なのか、何をもって健康とするのか、そして、生命とは何か──。
「ヒト生物学」における近年の画期的発見の数々は、私たちの人生をいかに変えたのか。前著『美しき免疫の力』で優れたストーリーテラーぶりを披露し、英国で最先端の顕微鏡を用いて免疫細胞を研究するダニエル・M・デイヴィスによる、ヒト生物学の最前線。
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【目次】
■科学者のみなさまへ
■はじめに
■一章……超高分解能で細胞を見る──顕微鏡の発展とともに
■二章……命の始まり──遺伝子検査とゲノム編集
■三章……新しい治療法を生むテクノロジーの力──フローサイトメーター
■四章……色鮮やかに脳を染める──多色標識法と光遺伝学
■五章……内なる他者との共生──マイクロバイオーム
■六章……包括的な遺伝コード──ホリスティックな医療へ
■七章……全体を見る
■謝辞
■訳者あとがき
■原註
■索引
感情タグBEST3
Posted by ブクログ
ヒト生物学の6つの分野ー細胞、胚、臓器・器官系、脳、マイクロバイオーム、ゲノムーについて細胞を中心におきながら書かれている。
ヒト=人間の全体像を探り病気と健康とはを解明する科学の進展を解説している。
かなり専門的で分かりにくい部分もあるが考えさせられること新しい科学の進展を知らされる。
Posted by ブクログ
コネクトーム(脳の配線全体)の作成の話が、この本で紹介されていて、大変面白かったです。解析多色標識法と光遺伝子の発見を中心にどのように、作成のまさに解像度が上がっていったのか。アイデアとそれに至るプロセスが刺激的でためになります。
ブログで読んだ、興味を持った分野だったので、刺さりました!
Posted by ブクログ
翻訳者は、この本に対しての感想として細胞の存在感の大きさを言っていた。つまり、細目としての細胞ってことだな。
そこからしか、人体への探究は始まらないのだろう。包括的全体だ。
それにしても、知るためにはいかに近づくかが、重要だということは、よくわかった。そのための思考、手法、用具を誂え、揃えられるかから、既に知ることは始まっている、と。たとえ、それが漠とした潜入対象であっても。そこへの地図は、解釈も含め日々更新し続けることも然り。
Posted by ブクログ
■評価
★★★✬☆
■概要・感想
○生物学の最新の進歩を、その研究を飛躍的に進歩させた人のストーリーに乗せて、説明している本。
○マイクロバイオームについて知りたいと思い手に取った。他で言われているように、良い食品があるというよりもその人に合う食品が何かを正確に捉えるほうが重要。GI値は目安に過ぎず、ケーキをバンバン食べても太らない人もいれば、寿司を食べると血糖値が急上昇してインスリンショックで太る食品となる人もいる。近い未来(既に到来している?)、自分にあう食事という側面で最適化されていくこともあるかと思う。
○プロバイオティクスは、エビデンスが揃っていないので、ウォッチする状態でいいかと思う。食物繊維豊富な野菜などを積極的にとって、腸内細菌に栄養を届けることが、現状わかっている範囲のいいことかと思った。