鈴木勇一郎のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本のおみやげ文化を、近代化の視点から捉えた異色の学術本。地理好きにも、歴史好きにも、旅行好きにも、鉄道ファンにもオススメの1冊である。
日本のおみやげ文化が近代化の装置(鉄道・戦争・博覧会・皇族・日本軍・モータリゼーション)によって発展した経緯を理解出来た。
また、諸地域と何かしらの“物語”によって由緒付けられた食品が名物化し、上記の近代化装置を活用して、おみやげとして地位を築くという、共通のパターンがあることを知り、大変興味深かった。
個人的には、岡山の吉備団子と、厳島のもみじ饅頭、東京の東京ばな奈の話が面白かった。今度旅行した際には、本書を思い出しながら旅を楽しみたいものである。 -
ネタバレ 購入済み
波長が合う人には良書
近畿日本鉄道沿線に住んでいるため、題名で即買いしてから不安に。
例えば鉄道のネット記事では関東偏重、関西その他は調査不足か知識が無いのか全く触れていない事が往々にしてあります。
この本では杞憂、読了していませんが見出しには中部地方の事も掲載されています。
文面が少し堅いので、その事をタイトルに表しました。 -
Posted by ブクログ
元国鉄総裁の仁杉巌氏の鉄道40年周期説に則り、日本の鉄道史を40年単位で論じた一冊。
ポストコロナ時代を迎え、鉄道(JR)の新たな在り方が問われる現代だからこそ、日本鉄道史を学ぶ意義が出てきたと感じる。国鉄の民営化は成功物語として語られることが多いが、ローカル線の赤字、整備新幹線の建設、三島会社の経営問題が表面化し、JRはモデルチェンジを迫られている。しかし、こうした危機は、民営化当初から内包されており、たまたま現在問題化したに過ぎないのだと本書で理解出来た。
国鉄民営化から40年を迎えようとしている今、日本の鉄道の未来は岐路に立たされている。小手先その場しのぎの鉄道政策は将来への宿痾とな -
Posted by ブクログ
読みやすく面白い。
第一部は国営か民営かを主軸に歴史を追う展開。
惜しむらくは地図をもう少し大きく充実してくれると現代との比較がしやすくなお良かった。知らないところも多く面白かった。
たとえば、8620/9600の開発は1906年の鉄道国有化で大量の私営鉄道を国有化した中で規格統一が急務だったことが背景にあるなんてのは驚きだった。今でいうM&AのPMI的なものだったのだ。だからこそ、あの辺りの時代からいかにも外国製という感じの機関車からなんとも日本的な蒸気機関車に変化するのだな、などとも思うなど。
戦後から国鉄民営化までを追う第二部は国鉄総裁を軸としながら様々なイベントをキーに流れを