鈴木勇一郎のレビュー一覧

  • おみやげと鉄道 「名物」が語る日本近代史

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    日本のおみやげ文化を、近代化の視点から捉えた異色の学術本。地理好きにも、歴史好きにも、旅行好きにも、鉄道ファンにもオススメの1冊である。

    日本のおみやげ文化が近代化の装置(鉄道・戦争・博覧会・皇族・日本軍・モータリゼーション)によって発展した経緯を理解出来た。

    また、諸地域と何かしらの“物語”によって由緒付けられた食品が名物化し、上記の近代化装置を活用して、おみやげとして地位を築くという、共通のパターンがあることを知り、大変興味深かった。

    個人的には、岡山の吉備団子と、厳島のもみじ饅頭、東京の東京ばな奈の話が面白かった。今度旅行した際には、本書を思い出しながら旅を楽しみたいものである。

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    2025年05月22日
  • 国鉄史

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    分かりやすくて読みやすい!"国鉄"中心に語られる日本の鉄道通史。シンカリオンで鉄道のみちに触れた者としては、ハヤトくんが言っていた鉄道知識や十河さん島さんの名前の元ネタ、都市と地方の格差の問題など、知りたかったことがたくさん載ってて嬉しかった。実際の現場のことも多く載っており、国鉄以後生まれには非常に具体的にイメージがわきやすかった。

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    2024年02月09日
  • 電鉄は聖地をめざす 都市と鉄道の日本近代史

    ネタバレ 購入済み

    波長が合う人には良書

    近畿日本鉄道沿線に住んでいるため、題名で即買いしてから不安に。
    例えば鉄道のネット記事では関東偏重、関西その他は調査不足か知識が無いのか全く触れていない事が往々にしてあります。
    この本では杞憂、読了していませんが見出しには中部地方の事も掲載されています。

    文面が少し堅いので、その事をタイトルに表しました。

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    2019年12月26日
  • 電鉄は聖地をめざす 都市と鉄道の日本近代史

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    明治・大正期に設置された電気鉄道の設立と社寺参詣との関わりについてまとめた一冊。

    事例は成田山新勝寺と成田鉄道、川崎大師と京成電鉄、穴守稲荷と京浜電鉄、池上本門寺と池上電気鉄道などなど。

    鉄道側だけでなく寺社側の思惑や鉄道をとりまく人々に注目している点は面白い。地元有力者が地域振興のために寺社と鉄道を利用するものとばかり思ってたけど、僧侶自身が寺の振興のために鉄道に注目するケースもあるらしい。あまり考えたことなかった。

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    2019年09月05日
  • 国鉄史

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    元国鉄総裁の仁杉巌氏の鉄道40年周期説に則り、日本の鉄道史を40年単位で論じた一冊。

    ポストコロナ時代を迎え、鉄道(JR)の新たな在り方が問われる現代だからこそ、日本鉄道史を学ぶ意義が出てきたと感じる。国鉄の民営化は成功物語として語られることが多いが、ローカル線の赤字、整備新幹線の建設、三島会社の経営問題が表面化し、JRはモデルチェンジを迫られている。しかし、こうした危機は、民営化当初から内包されており、たまたま現在問題化したに過ぎないのだと本書で理解出来た。

    国鉄民営化から40年を迎えようとしている今、日本の鉄道の未来は岐路に立たされている。小手先その場しのぎの鉄道政策は将来への宿痾とな

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    2025年05月16日
  • おみやげと鉄道 「名物」が語る日本近代史

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    日本の独自のお土産文化が、明治以来の殖産興業に沿って発展していった事、特に軍事と土産の相性の良さは着眼点の面白さがあった。

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    2025年03月27日
  • 国鉄史

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    読みやすく面白い。
    第一部は国営か民営かを主軸に歴史を追う展開。
    惜しむらくは地図をもう少し大きく充実してくれると現代との比較がしやすくなお良かった。知らないところも多く面白かった。
    たとえば、8620/9600の開発は1906年の鉄道国有化で大量の私営鉄道を国有化した中で規格統一が急務だったことが背景にあるなんてのは驚きだった。今でいうM&AのPMI的なものだったのだ。だからこそ、あの辺りの時代からいかにも外国製という感じの機関車からなんとも日本的な蒸気機関車に変化するのだな、などとも思うなど。

    戦後から国鉄民営化までを追う第二部は国鉄総裁を軸としながら様々なイベントをキーに流れを

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    2024年09月10日
  • 国鉄史

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    内容は日本国有鉄道の歴史だけではない。
    明治時代の官設官営鉄道や私鉄時代から説明し、いかにして全国ネットワークの統一的な巨大組織が生まれたのかということに前半部分を割いている。
    組織が世の動きについていくこと、そして鉄道を通じて国土をどうするかを決めることの難しさが感じられた。

    「あらゆる制度設計なんて三十年も持ちやしない」(252ページ)

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    2024年08月05日
  • 国鉄史

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    国鉄という組織の成立、成長、転機、そして終末について、主にその経営を担った人物と業績について着目しながら記述。歴史学の視点ならでは。

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    2024年04月29日
  • 電鉄は聖地をめざす 都市と鉄道の日本近代史

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    大都市の近郊私鉄(ここでは電鉄と定義)の起源に社寺参詣が関わっているとの話。
    小林一三的な要素だけでない指摘が面白かった。成田山、川崎大師の商売っぷり、また大鳥居に住んでいたので、穴守稲荷の話は興味深かった。20世紀までの都市の次のヒントの提案は面白かった。その点で地方に可能性があると感じた。

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    2024年02月01日
  • 電鉄は聖地をめざす 都市と鉄道の日本近代史

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    似たような内容の本で「鉄道が変えた社寺参詣」(交通新書)というのがありますが、あちらは鉄道に乗ってもらうために初詣などを編み出す鉄道会社の様子を書いてましたが、こちらはそもそも寺社のほうも鉄道を利用していたという内容。両方読むと鉄道と寺社の持ちつ持たれつが良く見えてきます。
    にしても成田山は江戸時代の歌舞伎の利用に始まり鉄道の招き入れまで、商売上手ですな。

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    2021年09月30日