丸山圭三郎のレビュー一覧

  • ソシュールを読む

    匿名

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    決して易しい本ではなくそれなりにフランス現代思想などの知識があった方が読みやすいとは思いますが、あまり無い僕でもソシュールが構造主義に与えた影響については理解することができました。

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    2024年08月17日
  • ソシュールを読む

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    すごい。
    バルトやボードリヤールの著作を事前に触れていた身として、ソシュールの主張する事柄のほとんどが二十世紀哲学、思想、文化、芸術等々へ浸透している実態に衝撃を受けた。
    言葉の実質性や概念の絶対性に信頼を置くロゴス中心主義のヨーロッパで、ソシュールが唱えた言葉の根本的曖昧性、体系のうちに差異をもとにして生み出されるのが価値。
    まさに視点の変化でもって知の枠組みに新基軸を打ち立てたソシュールに拍手を。
    ラングという言語の社会的性質を認めた上で、それをどう撹乱し、新たな思想やアイディアを生み出していくのか。

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    2023年10月27日
  • 言葉・狂気・エロス 無意識の深みにうごめくもの

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    ネタバレ

    ソシュール研究の権威という認識ですが、狂気と天才の差異を言語的な観点から解き明かすアプローチはスリリングで、自分の中の言語に対する理解の幅が広がった気がする。

    言語が一義的な意味との蝶番でがちがちに結ばれているという一般的な感覚から、そんなものは歴史・社会実践の惰性化であり、言葉の多義性、曖昧さという面があるです。和歌の例なんかは、まさにそうだと腑に落ちる。

    狂人の3パターンの分類も非常に興味深い。カオスにとどまる(昼行灯のような感じかな?)、深層心理から表層心理への円環循環が滞ってカタルシスに向かえない、表層心理にのみ留まって固執している。現代人というのは、大抵3番目の狂人にカテゴライズ

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    2022年09月16日
  • ソシュールを読む

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    最後の2章で提示される〈身分け構造〉、〈言分け構造〉の世界観は、私自身薄らと感じてはいるものの言語化できない文化的なモノのズレ感を言語化しているように感じて感動した。
    ただの言語学ではなく、生き生きとした丸山言語哲学の語りは読んでいてとてもワクワクする。

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    2021年04月07日
  • 言葉と無意識

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    読み終えてみると、なるほど納得のタイトルと内容。ベースにある部分の話から、文化にまで話が派生する。思想を具体的に昇華するといえばいいのだろうか。ソシュールをベースにロラン・バルトが主にテキストや映像で展開したことの文化や生活観といった日常的な枠に反映させたものといえばいいかもしれない。芸術が、やや特殊、特別なことだという感じが拭えない中で(それが世間一般にとってごく自然な日常の活動になれば別だけど)文化や生活の観点から再認識する丸山圭三郎の語りはビフォーアフターのある読書になると思う。わかっていそうで留保していない、このソシュールベースの感覚は個人的には、いい意味で感覚をアンロックしてくれた気

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    2017年12月18日
  • 言葉と無意識

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    言語学と心理学を繋いだ中間領域における既存研究の概説書のようなものだと思って買ったが、実際は思想書であった。予想外ではあったが、思想書だけあって掘り下げは深いし著者の熱量は感じられるしで大変面白かった。晩年の書ということで、著者の思想の総括的内容といえるのかもしれない。ソシュールの言語学を礎に言葉というものの考察から人間の精神活動および文化活動を統括的に説明し、西欧的科学合理主義を乗り越えようとするもので、個人的には結構ありかなと思えた。言葉の考察からここまで言えるのかとひとえに感動した。意識内だけに留まらず、意識外との関係にまで踏み込んでいるところが凄い(タイトルにある無意識も一般的用法と違

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    2016年12月16日
  • 言葉と無意識

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    ソシュール研究の第一人者である氏の言語論の入門書。ソシュールの言語論の発生論やそれと東洋哲学との接点などを平易かつコンパクトに説明しています。

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    2013年01月05日
  • 言葉・狂気・エロス 無意識の深みにうごめくもの

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    もう四半世紀も前だが、モグリで著者の講義に出席したことがあり、ちょうどその頃の講義で『ドラクエ』やら『イカ天』やらをモチーフに本書に書かれている内容を話していたのを思い出した。温和な語り口はさることながら、大教室での学部生への講義で内容も平易だったので、彼の著作を理解するには打って付けだったが、逝去された今ではそれが聞けないのが残念ですね。謹んでご冥福をお祈りいたします。

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    2012年12月29日
  • 言葉と無意識

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    [ 内容 ]
    現代思想の問いは、言葉の問題に収斂する。
    世界を分節し、文化を形成する「言葉」は無意識の深みで、どのように流動しているのか?
    光の輝きと闇の豊饒が混交する無限の領域を探照する知的冒険の書。

    [ 目次 ]
    1 情念という名の言葉?ロゴスとパトス(ロゴスと言葉;属性と考えられたパトス;ロゴスの重層性)
    2 ソシュール・人と思想(西欧における言語観の変遷;ソシュールの生涯;一般言語学理論)
    3 アナグラムの謎(アナグラムとは何か;詩法としての〈音〉の法則;深層意識の働き;複数の主体〈私〉=〈他者〉)
    4 無意識の復権(非合理的なもの;無意識と身体;人間存在の重層性)
    5 文化と言葉と

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    2010年11月20日
  • 言葉と無意識

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    言語学の地平を開いたソシュールを読み解き、言語文化をめぐって独自の思索を展開した丸山圭三郎晩年の刺激的な一冊。「言葉・狂気・エロス―無意識の深みにうごめくもの」同様、翻訳という一種の言葉の格闘をしていて、ふっと我に返るとき、自分の無意識の領野に広がることばの宇宙を見つめ直すためにひもとく本です。新書だと思ってあなどれないです。

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    2009年10月04日
  • 言葉と無意識

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    丸山圭三郎。大学2年?時のゼミ参考文献。ソシュール、言語学、記号学に関する書籍は無尽蔵に出ていますので、まずは入門書と合わせてまずはこれを読んでおくと安心。日本人でここまで掘り下げている人は少ないらしい(教授曰く)。間違いなく薦められる良書。丸山圭三郎という単語を知っていること自体が一目置かれるはず。

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    2009年10月04日
  • 言葉と無意識

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    丸山圭三郎。ソシュール研究の第一人者。戦前の生まれ。本物のインテリといった感じ。

    中盤で例示されるものが、ラテン語の詩、墓碑銘、演劇論、百人一首から、歌謡曲まで…とてもじゃないが、ついていけない。

    現代の知識人だったら、漫画とかアニメとかの例示をしがちだと思う…

    「表層の言葉には、深層・無意識の言葉の連鎖反応が現れる」というような部分は、フリースタイルラップを思い出し、理解が進む。

    表層の意識が主体的に考えているのではなく、ライミングという言葉の連鎖のほうが、むしろ思考内容を牽引している。

    そして、辞書で勉強して、意識的に仕入れた単語が、即興フリースタイルの場で、無意識を駆動させる。

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    2025年04月05日
  • 言葉と無意識

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    「言葉はどうやって習得されるのか」この本を読んで、改めて考えさせられた。
    概念説明などはやや専門的でわかりにくいところもあるが、筆者が遭遇した電車内での子どものエピソードは実に微笑ましい。「ママ、デンシャって人間?お人形?」

    こんな素朴な質問が言葉の概念の真髄を言い得ているのではないだろうか。「人間=動く、やわらかい」「人形=動かない、固い」、じゃ「動く&固い デンシャはどっち?」 という質問になるわけだ。幼い子どもの質問を意味のないこととしてしまうのは簡単だが、新しいカテゴリーの理解に困難を伴うというプロセスは語学習得を考える上で、必要な観点だと思う。

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    2019年12月26日
  • 言葉と無意識

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    『ソシュールの思想』など日本のソシュール研究のたぶん第一人者である丸山圭三郎が「言葉」と「無意識」について切り込んだもの。1987年の著作なので、ずいぶんと古いが、非常に魅力的なテーマのように思えたので読む。

    だが、やや期待外れ。たとえばソシュールのアナグラムを高く評価するが、共感できない。ラカンの「言葉こそが無意識の条件である。言葉が無意識を作り出すのだ」という言葉を紹介しているが、その主題となるべき無意識のテーマへの切り込みが浅いという印象を受ける。最近読んだジュリアン・ジェインズ『神々の沈黙』にも通底するような無意識に関する新しい視点が得られるかもなという期待もあったのだが、少なくとも

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    2017年12月29日
  • 言葉と無意識

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    ネタバレ

    第一章が難しかったけれど第二章からついていけました。なんとか。
    意識の深層に、制度や秩序を超えて流動的に動く力があるのではないか、
    それは従来の政治学が捉えられない目に見えない
    「政治的なもの」があるかもってところが
    東浩紀さんの『一般意志2.0』に繋がったりもした。

    しかし、総じて、この本は言語学者で構造主義の父と呼ばれる
    ソシュールを中心にした言語論です。
    それもチョムスキーなどが扱う表層の言語論ではなくて、
    言葉の生まれる深淵までをも覗きみるタイプの言語学のやり方です。

    表層の言葉、すなわちぼくらが口にしたり書いたりして、
    意識に上らせて使っているタイプの言葉を「ラング」といい、

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    2015年08月29日
  • 言葉と無意識

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    ソシュールの一般言語学講義ではなく、アナグラム研究を素材として、ロゴスとパトスの問題から治療論にまで至る野心的試みで、新書には収まりきらない密度。各界からの引用も豊富で十分な刺激を与えられる。岸田秀の「コンプレックス」に関するこういう見解は今まで知らなかったが、これは早速頂きである。

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    2013年11月10日
  • 言葉と無意識

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    ネタバレ

    ロゴスとは、名づけるることによって異なるものを一つのカテゴリーにとりあつめ世界を有意味化する根源的な存在喚起力として捉えられていた。ギリシャ語のパトスは、ふつう<情念>と訳されるが、これは同時に、一見全くことなった概念と思われそうな<受けること、被ること>ひいとは<受苦>や<受難>という意味を持っていた。孔子は「知る者は好むものに及ばず、好む者は喜ぶものに及ばない」と言っていたが、「読み、書き、生きる」行為が一つに重なる私たちの深層意識においては、ロゴスはパトスであり、パトスはロゴスであるからだ。

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    2013年04月14日
  • 言葉と無意識

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    はっきり言っていろいろ難しすぎて何を書いていいのかわからない。
    一部は、凡人からすると著者は妄想に捕らわれているんじゃないかと思うくらいだった。

    ロゴス(理性)とパトス(情念)の二分として、現実を捉えてきた哲学(?)の歴史とかそのへんは勉強になった。
    とにかく、自分の意見がうまく言えない。著者は何を一番言いたかったんだろうな。無意識によって人に普遍的に生み出される言葉もある、ということだろうか。

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    2012年11月25日
  • 言葉と無意識

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    スイスの言語学者フェルディナン・ド・ソシュール。彼の人生とその業績を追いながら、「言葉・言語」のメカニズムを探る良書。「記号表現(シニフィアン)」「記号内容(シニフィエ)」「ランガージュ」「ラング」「パロール」「恣意的」「差異」、様々な言語学にまつわる用語が出てきますが、この本を読めば、「言葉」について大変理解が深まるものと思われる。わかりやすい具体例が魅力的!
    個人的に、晩年彼が興味を持つこととなった「アナグラム(言葉遊びの一種)」に関する記述が面白かったです。ただ、タイトルのその名にし負う「無意識」についての記述が少なかったように思われます。

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    2010年03月18日
  • 言葉と無意識

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    初めてものすごく頑張って読んだ本。
    理解するのが難しい。
    丸山圭三郎の出す例は不思議。
    でもおもしろい。でもよくわからなくなってくる。

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    2009年10月04日