丸山圭三郎のレビュー一覧
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ソシュール研究の権威という認識ですが、狂気と天才の差異を言語的な観点から解き明かすアプローチはスリリングで、自分の中の言語に対する理解の幅が広がった気がする。
言語が一義的な意味との蝶番でがちがちに結ばれているという一般的な感覚から、そんなものは歴史・社会実践の惰性化であり、言葉の多義性、曖昧さと...続きを読むPosted by ブクログ -
もう四半世紀も前だが、モグリで著者の講義に出席したことがあり、ちょうどその頃の講義で『ドラクエ』やら『イカ天』やらをモチーフに本書に書かれている内容を話していたのを思い出した。温和な語り口はさることながら、大教室での学部生への講義で内容も平易だったので、彼の著作を理解するには打って付けだったが、逝去...続きを読むPosted by ブクログ
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「ナンセンスとは言葉による言葉の破壊であり、一義的記号としての言葉を多義化する充溢現象と、言葉を音のイメージの戯れに変えてしまう空語化という一見両極端の操作によって、言葉にグロテスクでエロティックな肉体性を回復させる運動」なのだと丸山はいう。それを見たいし、それをやりたい。Posted by ブクログ