三森ゆりかのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
日本人同士の会話は曖昧不確かに感じる事がある。
日常使いの日本語を元に他国語を使おうとすれば不都合が生じる。
日本語教育再考には私も賛同である。
他国語だけでなく日本語使いにも良い効果を生むのではないか。
ただし再読したら賛同しかねる事項もあった。
会話であれば矢継ぎ早な質問に対して、ゆっくり話してもらっても良いのでは。
道案内は質問されて答えるものと私は考えているので
「これから説明します」という口上は不要なのでは。
目次と補足
第一章 外国語と日本語の違いを意識する
1.日本の国語教育では外国語の習得に対応できない
2.国語教育の弊害
3.言語感覚の違い - 四カ国語の説明 →日英中韓 -
Posted by ブクログ
書籍の表紙からは、ノウハウやテクニックを紹介するような印象を受けるものになっていますが、全ての日本人が習得するべき「言語技術」だと感じました。国語の授業で広く習得していくべきものです。
第1章で、言語技術とは何かが記載されていますので、抜粋します。
言語技術 ゲンゴギジュツ language arts ある目的のために言語を効果的に使いこなす技術。人間がコミュニケーションの手段として言語を用いることのできる力を言語能力(language ability)といい、それは、(1)理解・受容する能力(a聞く能力 b読む能力)(2)表現・発表する能力(c話す能力 d書く能力)というふうに分けられるが -
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外国語を話そうとするとき、ふと自分が話している日本語そのものに欠陥があることに気付くことがある。「あれ」や「なんとなく」などという曖昧な言葉を使ったり、とりあえず思いついたことを思うままに喋ったり。母国語だからこそそれでなんとかごまかせるが、外国語という自分では不自由な道具を使うときにはそれらが障害となってしまう。
本書は外国語を話すためにはまずは日本語そのもの(話の構成の仕方や問いに対する答え方など)を立て直さなくてはならない、という考え方が根底にある。つまり、外国語を身につけるための「日本語」レッスンなのであって、この本には外国語そのものは出てこない。そのかわり、欧米人が当たり前に身につ -
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ネタバレ日本人と欧米人では考え方が根本的に違う。思考は言葉に影響される。英語やドイツ語などでは主語が無ければ文が成立しないのに対して、日本語は、主客合一の、曖昧で、抽象的な文が成立し、むしろそこに価値を見いだすことがある。
したがって、日本人は曖昧を好み、欧米人は明確を好む。たとえば絵画鑑賞をしたときに日本人は「きれいね」という感想を述べるだけで満足するが、欧米人は、どこが「きれい」だったのか、あるいは、どこが「きれい」ではなかったのか、分析的に対象を捉えるのである。
現代のグローバル化された社会の中で、日本人は欧米人のスタンダードに合わせる必要がある。そのためには、欧米人の思考を司る言語技術を -
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【星:4.5】
小・中・高と合わせて12年もの間、国語の授業を受けてきたのに、上手く書けない、深く読めないのはなぜだろう、そもそも国語教育とはなんだったんだろうという疑問を長年持ち続けてきた。
そんな私の疑問に対して、1つの答えを与えてくれた1冊として高めの評価とした。
昨今、論理的思考力、ロジカルシンキングという言葉をよく耳にするが、我々人間は思考するためには言語を用いるしかない。
そして、この言語を扱う技術を高めることこそが、思考力を高めるための重要なポイントであり、この技術を著者は「言語技術」とし、国語とは、母語によりこの言語技術を高めるための教科だと著者は説く。
ドイツの国語教育 -
Posted by ブクログ
英語学習のサポートをする仕事を始めたため、目に止まった一冊。外国語を身につけるためには、日本語能力がないと意味がないとある人から指摘をうけ心に引っかかっていたことも読もうとおもったきっかけだ。印象に残っているのは、語順、要不要な品詞の違いから、そのまま翻訳した単語を当てることでは、ニュアンスは伝わらないということだ。
当たり前に日本語会話の中で使うセンテンスを、そのまま英語の中に持ち込むと、全く何を伝えたい/聞きたいのかが分からなくなる...の例は深く肯いてしまった。
言葉や文化の特性をしり、母国語(私なら日本語)との感覚の差を理解して初めて、相手に伝わる外国語(英語など)^_^が使えるよ