山口マオのレビュー一覧
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Posted by ブクログ
子供を畳んで押入れにしまったり、町内に縄文人街があったり、1月8日から2月3日まで冬眠したり。
作者の川上弘美さんとイラストの山口マオさんの「あとがきのような対談」によると、「椰子・椰子」は川上さんが実際に見た夢から始まったものだそう。
どんなに変てこなことでも、そういうものだと受け入れてしまう、まさしく夢の世界。
山口マオさんのイラストがあまりにぴったり、というか、文章+絵でどちらか1つだけでは成り立たない、またちがう夢の世界が紡ぎ出される。
不可思議で不条理で、でも居心地はわるくない、夢の世界を起きながらにして見ている気分になりました。 -
Posted by ブクログ
電車内で読む。
独り、ニヤニヤしたり膝を打ったりほぉーっと感嘆したり…たぶん傍で見てたら、かなりヘン。
でも、降りるギリギリまで止められない。
まずは装丁のもぐら、里芋型の顔をして、ランドセル背負って手押し車を押しながら、
じっとこっちを見ている。
“私”はこのもぐらと一緒に写真を撮る。
このもぐら、小学6年生くらいの背丈でどこか人間じみている。
で、もぐらの気に障りそうな言葉が「唯物史観」「石鹸シャンプー」「ガラスの破片」など。
“私”は、気を遣いながらもぐらと話す。
話すうち、もぐらが妊娠していることを知り、あまり立ち入ったことは訊かないようにしよう、と“私”は思う。
…と、こんな世界