大竹伸朗のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
ネタバレモロッコ旅行記「カスバの男」は
巻末の角田光代さんの読書感想文での興奮度が理解できなかった。
描写は妙にさめているのに、記述内容では興奮している。
このエッセイ集は全く期待していなかったが、
通常のエッセイ集が数年前の古いネタなのに、これは、ついこの間のことが書かれ、
大竹伸朗、静かなその人の、感情の起伏が手にとるように描写されている。
現在開催中の回顧展の準備での数々のエピソードとそのときの心境、
牧場での展覧会の開催のいきさつ、宇和島駅のネオンのこと、
さらには、ロンドンでのラッセルミルズとの出会い。デビットシルビアンとの交友。
非常に興味深い内容ばかり。
「全景」を見た人、見る人には -
Posted by ブクログ
画家 大竹伸朗のエッセイ集。「既にそこにあるもの」の対峙の中から感覚的にぐっとくるものを形づくっていく大竹さんの創作物には、コンセプトでがんじがらめになったモダンアートとは違う開放感、また爽快感がある。ボアダムスのEYEちゃんとのエピソードは、お互いの感覚の素直さにおもわず笑ってしまったが、「これが素晴らしいもの」という固定概念でがちがちになった人々にはない自由さ、自然さがある。
エッセイ中の「わからないまま、わかろうとする」という記述には思わずなるほどとうなった。というのも人と人との付き合い方に必要な考え方だなと本能的に感じたからだ。人との付き合いの中でしばしば行なわれるカテゴリー分け。そ