ジェイ・バーレサンのレビュー一覧
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ちょっといろいろ挙げすぎていて浅い感じはするが、そこそこおもしろい。
火薬、ゴム、染料、ピルのあたりがおもしろかった。化学式や構造図みたいなのが載ってるのが特徴。
しかしまあ19〜20世紀の化学の進歩はすごいし、発明家たちは偉い。
「男性用の避妊薬はなぜ開発されなかったのだろうか?……マーガレット・サンガー、それからキャサリン・マコーミックはピルの誕生に決定的な役割を果たした。二人とも、女性こそが避妊をコントロールするべきだと信じていた。避妊薬が男性用であった場合、彼女らがその開発を支援したかどうかは疑わしい。」p.225
「男性用避妊薬の難しさは、生物学の問題である。ノルエチ -
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化学式は出てくるが化学物質にまつわる歴史の本と言った方が良いか、17の化学物質は重なりながら次の章へと続いている。
出だしは①スパイス、胡椒のピペリン、唐辛子のカプサイシン、生姜のジンゲロンは似た様な骨格を持ちこれが辛さに共通するのではないかと言う。ちなみに辛みは痛覚で感じる。クローブとナツメグを支配するためオランダはイギリスが支配するバンダ諸島のルン島をマンハッタンと交換する。そしてニューアムステルダムはニューヨークとなった。
スパイスへの探求が大航海時代の始まりならばそれを支えた化学物質は?②アスコルビン酸=ビタミンCである。イギリスのキャプテン・クックは記録に残る中では壊血病を克服し -
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・ノーベルは真に恐ろしい兵器こそ抑止力として、世界に平和をもたらすと固く信じていた。軍需品製造者でありながら、平和主義者であるという矛盾。
・研究⇒発見⇒特許化⇒商品化 PCのない時代に凄いや‼と思うが、PCがない時代の方がはるかに長いのに、想像すらできない。これは退化なんじゃないか。
・ペニシリンの化学構造が明らかになり、さらに合成に成功したのは、なんと1957年。今からわずか56年前。
・化学の構造式というもっとも苦手なものが、まるで絵本の絵のように描かれている本を手に取ってしまった。しかし、構造式によって本質が明かされてゆく。それは今後の人類を救うことになるのは明白。
薬草やスパイス -
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歴史上で大きな役割を果たしたと思われる有機化合物を20種ほど選び,その発見や,歴史について簡単に触れた後,その物質の科学的特性を化学式を使って解説している.
前後の関連も意識して配列してあるが,基本的にはどの章も独立で興味のある章から読み始めるのがいいと思う.私にはとても面白いいくつかの章(例えば避妊薬をはじめとするステロイドを扱った11章など)と,あまり興味がわかない章が混在していた.
歴史の解説は概して軽めで,化学的な解説により重点がある.その物質自体の歴史(つまり,単離,構造決定,合成などの歴史)もふれられている.分子構造からくる物質の特性の解説が似たような構造や性質をもつ物質へ広がって