唐戸信嘉のレビュー一覧
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Posted by ブクログ
ネタバレ元祖ドラキュラです。アニメやTVで子供の時から知ってるあの俳優の吸血鬼や、小野さんの屍鬼やキングの呪われた町など怖い吸血鬼を知ってるけど、そもそも元祖がどうだったのか気になってた。本家本元は意外に共通項も多く、ニンニクと十字架が弱かったり、コウモリや狼に化身する一方で、血を1回吸って、はい、バンパイア仲間の出来上がりと言うわけにはならないのである。
で、電子書籍では気づきにくいけど結構分厚くて立派な怪奇小説の本作、とても長くて読むのにすごく時間がかかった。日記形式で、各登場人物のモノローグで進むから、個々の心情が細かく色濃く(しつこく)語られ、良い意味で雰囲気がじっくり味わえる。恋人が徐々に冒されていき、じわじわと死が忍び寄る雰囲気はなかなか怪奇でよい。血が足りないから全員で献血輸血して(血液型関係ない笑)、その後師匠に吸い取られて弱って、その繰り返しのなか遂に不審死してからドラキュラ化するのだけど、その異様さもホラーの魁として、読みごたえがあった。あえていうなら、決戦で向かったルーマニア行程が長すぎで、その割にあっけなくという感じだったので、もう少し頑張ってほしかった気もするけど、そのあたりは古典文学、元祖でお許しをということかもしれない。この文庫ではフランケンシュタインも読んだし、後はなんだっけか。 -
Posted by ブクログ
平井呈一訳の『ドラキュラ』を読んだのは一昔前のことで、ストーリーをほとんど覚えておらず、まるで初読のように読み進んだ。映画の(どの映画だったかは覚えていないが)ドラキュラの印象が強かったので、「ああ、こういう話だったのか」と思うところが多かった。
もちろんメインとなるのは、 ”ドラキュラ” vs. ”ドラキュラを倒し、その企てを防ごうとする人たち” の戦い振りということになるのだが、「解説」にもある通り、この小説が書かれた時代、19世紀末のイギリスの社会状況が小説の中にいろいろと反映されているところに興味を惹かれた。
例えば、迷信深いルーマニアの人々に対する、魔術や迷信を否定するプロテスタントのイギリス人との対比、心理学の黎明期であるこの時代を象徴する、脳を専門とする科学者と精神病院医師という主要登場人物の間の思考法の相違など。
主な舞台となる場所の地図や適宜の注釈が付いていて、理解を助けてくれるのも実にありがたい。