デイヴィッド・ゴードンのレビュー一覧

  • ミステリガール

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    めちゃ面白い!一日で読み終えた!

    ただ、中盤のSM映画やら、カニバリズム的な儀式?の映像やらは、怖かった。

    序盤、中盤、終盤で全く違った印象を受ける本。

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    2014年09月14日
  • 二流小説家

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    殺人鬼ダリアンが、色んな面があって興味深い。
    主人公ハリーの違ったペンネームで書いている小説が、所々に挿入されるのも面白い。
    それにしてもハリーはモテるなあ。
    著者近影ってあんまり信じない方がいいのかな?
    スピード感があって好き。

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    2014年07月26日
  • 二流小説家

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    久しぶりに、真っ当な人気海外ミステリを読みたくて選択。
    いつぞやの海外ミステリランキングを総ナメにした作品。
    面白かった。読んで損はない一作。ミステリちっくな、サイコちっくな、スプラッタちっくな内容が盛り沢山ながら、キャラクタの良さでまた違う雰囲気を出している、楽しめる作品。
    楽しんでよみ終わりつつも、もう一ひねり足りないなぁ、と思うのは贅沢か。ミステリ好きよりも、エンタメ好き(その定義は何?)のための一冊か。

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    2014年07月12日
  • ミステリガール

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    第一作の「二流小説家」より、第二作のこちらの方が面白かった。

    でも、それは小説の出来がうんぬんではなくて、
    私の方が、映画や書籍に関する薀蓄の部分を
    流せるようになったからかも。

    メキシコの場面は破天荒で面白かった。

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    2013年12月09日
  • ミステリガール

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     『二流小説家』はちなみに面白かったのか? とあなたはぼくに問われるかもしれない。でもぼくはあなたにきっと答えることができない。あるいはぼくはこう答えるかもしれない。ミステリとしてはどうかと思う。謎解き部分はあるけれどもそう秀逸な流れでページを繰る手が止まらないというスピード感覚があるわけでは全くない。むしろ忍耐を強いられると思うので、よほど本の好きな人、活字中毒者たちに対してしかぼくは正直なところ薦めたくないんだ。

     『ミステリガール』はどうだったのか? とあなたはぼくに問われるかもしれない。ぼくはきっとこう答えるしかないだろう。言葉は好きですか? あるいはあなたには本を読む時間を大切にできますか? 何故なら、この本は、スリリングでもスピーディでもなく、むしろ数々の無関係にすら覚える著者の博学エピソードによってブレーキがかかることのほうが多い小説なので、そういう博学エピソードを楽しめない口には、ぼくは全くお薦めできないんだ。

     というわけでひどく多くの複雑な条件付きでなければお勧めできない作家としてデイヴィッド・ゴードンをぼくが見ていることだけは、了承してほしい。そのくらい難しい書物だ。この小説は言わば総合小説であり、ミステリ単体でシンプルに作られたものではないことだけは請けあう。それ以上にハヤカワ・ポケミスで出されてよかった本なのだろうか? とさえぼくの足元が揺らぐ。

     本書は一作目の度をさらに超えて饒舌が疾走する。前作は作中作やら、小説家の持つ小説論、マルセル・プルーストを持って何を語ろうとしているのかわからない不明確さなどが、中途半端なきらいがあったが、本書はさらにそれらの無責任なプローブが世界をつつき回しては出来損ないみたいなフリークなキャラクターたちの哄笑という名の手術に晒される。よくもまあここまで何かに偏り専門化した変わり者たちをクリエイトしたものだ、と感心するくらいに、彼らの造形は見事なものなのだが。

     この本はミステリなのだろうかと一千回くらい思い疑いを極限に増したあたりで、えええええ? というくらいの驚きに晒された自分が少し情けなかった。でも嬉しかった。この本はミステリだったのかもしれない、と確信には程遠いが、いくばくかの可能性に安堵のため息を付くことができたからだ。さらに、三本目のフィルムの登場により、この小説がミステリであったことがようやく証される。おいおい、もう巻末近いぜ、との感想は置いておくとしても。

     そして離婚を言い渡して行方を絶った妻ジェインの物語が、主人公(そういえばこの人は小説家志望)の道筋に重なったときに、三度目の驚愕が訪れる。いずれも前作を上回るツイスト構造であることは間違いない。この瞬間を最高の快感とするためにこの小説が書かれたことは間違いないと思うくらいに。作者の小賢しい笑顔に降参した読者たちの悔しさ半分の苦笑が見えてくるくらいに。

     というわけでこの作家は90%の人には薦めない。映画が好きであったり本が好きであったり、マニアックでフリークである人たちの魂を応援できるか賛同できるかする10%(もいるか?)の人たちのために存在する作家であると言い切っていいのかもしれない。ぼくは『ワイルド・バンチ』と、その映画でマパッチ将軍の役をやったエミリオ・フェルナンデスのその後のメキシコでの人気ぶりに関するトリビアが個人的な収穫であった。そういう魂の部分に触れる歓びみたいなところをつついてくるとてもいやらしい手口を持っているのである、このふざけた作家は。

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    2013年08月14日
  • 二流小説家

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    パッとしないゴーストライターの私(ハリー・ブロックという名前)のもとに、死刑囚が自身の犯した事件について告白する本を執筆してくれと依頼してきたが、いざ面会のために刑務所を訪問したところ、思わぬ事態に巻き込まれてしまったので、その一部始終を(関係者等の実名は変えて)サスペンスストーリーとして執筆してみました…という体裁のサスペンス。
    事件の謎解きは、どんでん返しが複数回あって面白いが、ところどころにある猥雑なシーンは必要なのかな…と首を捻らざるを得ないが、主人公のハリー・ブロックが「ポルノ雑誌に雑文を書いていたゴーストライター」という設定で、本書はハリーが執筆したという体裁のため、仕方がないところ。
    ややメタな表現が散見されるのも、それが理由かと考えられる。
    章立ては細かく区切られていて読みやすいが、それでも全体として冗長な印象は受けた。

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    2025年02月19日
  • 二流小説家

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    (⁠⌐⁠■⁠-⁠■⁠)読みやすくオチもまずまずだけんど、小説ウンチクが長えね

    ⊂|⊃
    [ಠ⁠_⁠ಠ]後半盛り上がるし良いだろ

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    2024年11月21日
  • 二流小説家

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    冴えない小説家が死刑囚から事件の全貌についての執筆を依頼される。そしてその条件として、自分を慕っている女性とのポルノ小説の執筆も依頼される。二流小説家から脱却するため主人公はそれらの女性にインタビューを行うと新たな事件が発生し、主人公は第一容疑者になってしまう
    本筋の物語は面白く、助手との会話もユーモラスで楽しいが間に挟まれる主人公の作品による劇中作や作者の小説のような部分は読み飛ばした。また作者がポルノ業界の出だからか性的な用語が頻繁に出てくるので人を選ぶと思う

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    2022年08月12日
  • 用心棒

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    ネタバレ

    対テロリストの警戒強化の折、手厳しく手入れを受けたストリップクラブの用心棒ジョー・ブロディー。
    手入れにより留置場で一晩を過ごした際、顔なじみから持ち掛けられたヤマに加わることに。

    件の計画は、タレ込みにより悲劇的な失敗に陥るのだが、そこから挽回を狙っていく中でとんでもないどつぼにはまっていくジョー。

    犯罪仲間、商売敵であるFBI捜査官との微妙な距離感の色恋模様、傭兵集団内の裏切り、裏で手を引く絶対悪vsアンチヒローと、どこかで聞いたことのある話がてんこ盛りで、ザ・ハリウッド的な一冊。

    さくさく読めるノンストップアクションノワールとしては良作ではある。
    ではあるのだが、やっぱり『二流小説家』の印象が強過ぎるせいか、う~んこちの路線ですかという感じでした。

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    2021年10月03日
  • 続・用心棒

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    一作目が面白かったので二作目も読んでみた。前作で結果的にテロリストの野望を打ち砕いたため闇の世界の保安官に任命された主人公…というところで既に本作もかなり荒唐無稽な設定な訳だが本作では中東のテロリストが合衆国にヘロインを持ち込もうとしておりニューヨークの主だった犯罪組織が主人公にその対応を一任する、という話。そのために主人公は 1) 取引に必要となったダイヤモンドを調達する 2) 取引を行いヘロインを入手する 3) その上でテロリスト組織からダイヤを奪回しテロリストに打撃を与える という一連の難題に挑まざるを得なくなる…という前作にも増しての荒唐無稽さというかほぼコミックの世界。あとがきで指摘があったけど確かにルパン三世というよりウェストレイクのドートマンダーシリーズに少し似ていてとても無理と思われる犯罪計画にいろんな才能を持ったメンバー達が取り組んでなんとか成功させるのだけど…みたいな展開だがこちらの方が少し真面目な感じではあるかな。主人公もそうだけどそのまんま漫画にできそうな登場人物達の造形も相変わらず上手い。荒唐無稽なのもここまで振り切っていると面白くて次作も楽しみ。

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    2021年09月18日
  • 用心棒

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    ハーバードを中退し特殊部隊で活躍した後、ストリップクラブの用心棒をしているドストエフスキーを愛読する男が主人公、というおよそ現実味のない設定の作品。昔この作者の別の作品が面白かったこともあり大丈夫かと思いつつ手に取ってみた作品。結果的に非常に面白かった。ある晩、彼が勤めるクラブをFBIが急襲し豚箱に放り込まれた主人公。そこで旧知のチャイニーズ・マフィアの若者からある犯罪計画に誘われるのだがそこで予想外の事態となり…という話。FBIの捜査官が魅力的な女性で主人公とは敵対関係にある一方で互いに惹かれ合う、とか犯罪者仲間にはコンピュータやメカに強い黒人の青年とか、かなり魅力的なロシア女性がいたりとか、そもそも主人公が薬物で早く命を落とした両親に代わってペテンで世の中を渡ってきた祖母に育てられて今も同居しているとかとか…魅力的な登場人物と荒唐無稽な設定にルパン三世を彷彿させられた。かなりの強敵が最後はあっけなかったりとちょっと気になるところはあるけれどエンターテイメントとしてはかなり上出来の作品と思います。面白かった。

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    2021年09月18日
  • 続・用心棒

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     元陸軍特殊部隊のジョーは、友人でイタリア系マフィアのジオが経営するクラブの用心棒だ。今回は、ニューヨークに持ち込まれる400万ドル相当のヘロインをアルカイダのテロリスト売人と取引人を装い奪い取り、更に代金であるダイヤモンドも手に入れ、ニューヨークマフィアやギャング達のマーケットを守るのが仕事だ。

     まずは、代金のダイヤモンドを強奪する仕事に掛かる。金庫破りのエレーナ、ハッカーのジュノ、リーアム、ジョシュアの5人で見事にダイヤモンドを強奪した。

     いよいよ、ヘロインとの交換とダイヤモンドを奪い返す時が迫って来た。が、ジョーとエレーナに夫を殺された未亡人がこの取引を利用して復讐を画策していた。

     一作目同様、テンポ良く飽きさせない。またマフィアの用心棒というダークなヒーローは正義感と愛に溢れた頼れる男です。ただ毎回ラストで分配される取り分のお金、少なくない? 命掛けて傷だらけで1万ドルとか…
    その謙虚さも素敵です。

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    2021年06月14日
  • 用心棒

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     ニューヨークマフィアが経営するストリップクラブで用心棒をしているジョーが、アルバイトで密輸銃器を横取りする企みに加わったが偶然にもFBIの女性捜査官との遭遇で失敗に終わる。

     その企てた仲間から今度は、厳重な警備がされている弩級の香水を盗み100万ドルで売るという計画に乗る。

     ジョーの経歴は、詳らかでは無いが軍関係者であった事は間違いない。マフィアに雇われてはいるが良識?ある悪人だ。

     件の香水は、テロリストが100万ドルで強盗を依頼したウィルス兵器だった。
     ジョーとその取り巻きがたどり着いた結末は、、

     著者は、本作と同じポケミスで''二流小説家''を上梓してますがこちら同様にテンポ良い内容で読み易く楽しめる内容でした。

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    2021年04月25日
  • 用心棒

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    新鋭ゴードン、2018年発表の最新作。やや自分の色を出し過ぎて無骨さも目立った前作「ミステリガール」に比べて、構成が引き締まり、全体的にシャープになった印象。変化球を投げ込むオフビートな手法も熟れてきている。テンポ良く勢いのままに読ませる好編に仕上がっており、筆致には自信と余裕さえ感じる。

    ニューヨークのストリップクラブで働く用心棒ジョー・ブロディーは、FBIと市警察による一斉手入れの煽りを受けて職を失った。街に潜伏するテロリスト捕獲を狙ったものだったが、その界隈で〝営業〟する闇組織にとってはいい迷惑だった。店のオーナーでマフィアの親玉ジオ・カプリッジは、捜査を主管するFBIのドナ・ザモーラを訪ねて、テロリスト摘発に進んで協力することを申し出た。ジオは、一帯のギャング組織を束ねた上で、旧友でもあるジョーを役立てるつもりだった。一方、ジョーは、留置所で出会った旧知の小悪党から誘われ、武器強奪の仕事を請け負う。だが、事は容易には進まなかった。情報はFBIに洩れており、銃撃戦となって死人を出す。現場には捜査官ドナもおり、ジョーは口封じの機会があったにも関わらず、彼女を見逃した。犯罪者らは、何とか逃走する。襲撃時、武装強盗のプロであるクラレンスの命を助けたことから、ジョーは計画中の犯罪に加わるよう声を掛けられる。莫大なカネを手に出来る大仕事。武器の略奪は前哨戦に過ぎなかった。しかし、次こそ甘くはなかった。

    「用心棒」というタイトルだが、主人公は犯罪グループの一員として行動することの方が多い。導入部では一種のヒーロー小説かと思わせ、一転してリチャード・スターク張りのクライムノベルへと移行する。終盤でさらに変転し、序盤での伏線となる対テロリストの闘いへと流れていく。

    「悪党パーカーシリーズを手本にした」とゴードンが述べている通り、簡潔でリズミカルな文体によって臨場感溢れる活劇シーンを展開。犯罪者らの造形もB級テイストを貫いている。ただ、ハーバード大中退、ドストエフスキーを愛読する頭脳明晰な元特殊部隊員という主人公の設定は、存分に生かされているとはいえない。シリーズ化を意識していたらしく、レギュラーとなりそうな個性的人物を多数配置。FBI捜査官ドナとの関係など、次作に繋がるエピソードを散りばめている。気を衒うような〝遊び〟を盛り込んだデビュー時のインパクトがやや弱まったことは惜しいが、この先どこまで洗練されていくか楽しみではある。
    どうやら、2021年4月に「続・用心棒」が翻訳出版されるらしい。

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    2021年03月10日
  • ミステリガール

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    地元米国よりも日本で評判になったという「二流小説家」でデビューを果たしたゴードン、第2作目となる2013年発表作。タイトルから洒脱なハードボイルドを想像していたが、過剰なデフォルメを施した〝くせ者〟らが繰り広げる物語は、どこまでもオフビートな展開で、読み手を煙に巻く。

    小説家を目指す若者サム・コーンバーグは、店番を勤めていた古書店が潰れて失職、悶々とした日々を送っていた。メキシコ出身の美しい妻ララは、夢を追い続ける甲斐性なしの男を支えてきたが、突然別れを切り出す。家を出たララとの関係を修復すべく、サムは職探しに奔走。運良く助手として採用された私立探偵の自宅兼事務所に赴く。探偵ロンスキーは、歩行がままならないほどの巨漢だったが、前途多難なサムの境遇をホームズ張りの観察力で言い当てた。頭脳明晰であることは間違いないものの、明らかに変人だった。早速、ラモーナという若い女の監視を任されたサムは意気込むが、所詮は素人に過ぎず失敗を繰り返す。ついには海岸に面したホテルで、意図せず接触したラモーナと〝成り行き〟で体の関係を持ってしまう。翌朝、部屋のベランダから女が飛び降り自殺した。ラモーナは精神を病んでいた。ロンスキーは「女は殺された」と主張。続けて「わたしの愛する女を殺した犯人を探せ」と激昂し、サムを唖然とさせる。この探偵も狂気に取り憑かれていたのだった。

    この奇抜な序盤を経て、死んだ女の正体がロンスキーの独白(調査記録)によって明かされる。本作は基本的に主人公サムの一人称語り(ぼく)だが、物語の進行に応じて主要な事件関係者自身が語る章を挿入し、それまでの流れを断片的に補完、整理していく構成をとる。
    ラモーナの本名は、モナ・ノート。ヨーロッパを拠点にカルト映画の監督として名を馳せたゼッド・ノートの妻だった。米国に移り住んだゼッドはスランプに陥り、B級ホラーを数本撮ったのちに、自らの頭を撃ち抜き死んだ。その場面は、最後の作品に収録されていたが、フィルムの所在は不明となっていた。女優として出演したモナはゼッドの自殺を目撃、精神的打撃により入院した。そこで出会ったのが〝患者〟のロンスキーだった。
    サムは、またしても入院したロンスキーに代わり、モナに関わる謎を探り始めた。貸しビデオ屋に勤める悪友の手を借りつつ、ゼッドの映画に関わった俳優やスタッフを訪ねて回る。新たな事実を掘り起こすたびに、〝ミステリガール〟モナは変幻し、実像に迫るサムを翻弄し遠ざけた。

    プロットには捻りを加えているものの、やや空回りしている部分も目立つ。処女作「二流小説家」でも顕著だったが、実験的手法を大胆に組み込み、破綻するぎりぎりで抑えている。第一作目に比べて評価は今ひとつのようだが、創作に懸ける作者の思いが分厚い文章から溢れ出ており、新鋭ならではのバイタリティを感じた。〝メジャーではない〟小説や映画作品に関する大量の蘊蓄、強烈な個性を持つ登場人物らのやりとり、退廃的で乾いたユーモア、終盤ではメキシコを舞台に「マカロニ・ウエスタン」へのオマージュと思しき躍動感溢れる場景で楽しませてくれる。実際、本筋よりも生彩に富んでいると言っていい。
    主人公は「実験小説」を標榜する作家志望の青年だが、これにはゴードン自身の経験を反映させているのだろう。ジェイムズ・ジョイス「ユリシーズ」などの難解な書物を読みこなし、淀みなく一家言を披露するが、いざ実作となると才能の限界に打ち当たる。小説家としても探偵としても〝二流以前〟の男が、曲がりなりにも事件を解決するというコンセプトは、いわば「二流小説家」の焼き直しともいえるのだが、読者に楽しんでもらおうという気概が伝わってくる。残念ながら、インパクトと完成度では前作には及ばないものの、本作でもミステリへの愛は横溢している。ゴードンには、まだまだ注目していきたい。

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    2020年08月29日
  • ミステリガール

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    前半はダメ男の戯言と映画と文学の蘊蓄ばかりで読み進めるのが難しかったですが、それぞれに癖のある登場人物たちに引っ張られて何とか終盤まで。ドタバタはしてますが全ての出来事に対する説明はなされており思ったよりちゃんとしたミステリ作品でした。自分的には映画と文学のマニアックなところは不要でしたが、そこに興味がある人はもっと楽しめると思います。

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    2020年02月29日
  • 二流小説家

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    ネタバレ

    本名を出さずに仮名で色々なジャンルの小説を書いている小説家が主人公。
    主人公のハリーがある日、収監されている死刑囚の連続殺人鬼からの依頼である条件と引き換えに告白することを出版してもいいという依頼があり、死刑囚のダリアンに会うこととなる。

    ハリーの仕事を手伝う女子高校生、双子の姉妹を殺されたダニエラ、ハリーの弁護士のキャロル、その助手のテレサ、刑事のタウンズ等が登場し物語が進んでいく。

    出筆作業中にダリアンの手口と同じ殺人事件が起こり、その第一発見者がハリーであったことから、容疑者扱いされたりする。
    その殺人事件を解決する為にハリーが活躍していくのが、中盤からの流れになる。

    本書の戸途中でハリーの著作が出てくるので、それが謎解きと何か関係があるのかと考えながら読んだが、結局何も関係なかった。
    全体的に読みやすく、ユーモアもあり登場人物にも個性があり面白かった。

    が、焦点が分かりにくいのと、余分な文章が多いためページ数が増えた感があるのでマイナス面も多く、評価を低めにした。
    このミス等では、1位に輝くだけあり面白いのは面白い。

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    2019年10月10日
  • 用心棒

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    面白かったが、主人公以外の視点でのストーリーが多いせいで、主人公の影が薄まってしまっているように感じた。また、主人公の心理描写も少なかったので、私は感情移入しずらかった。巻末の「あらすじ」によると、続編が出るらしいとのこと。続編が更に面白くなることを期待したい。

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    2019年06月26日
  • 二流小説家

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    このミス海外編2012年版1位。この年の海外ミステリーの年間ベスト1位を独占したもよう。主人公である様々なジャンルで異なるペンネームで小説を出版している二流小説家が、死刑目前の連続殺人魔から刑務所に届いたファンレターの相手への取材を依頼されるところから始まるお話。主人公を取り巻く女性が魅力的なのは現実的にはあまりないとは思うけど小説的には好き。他の登場人物もきっちりかけてる。新たな殺人事件が発生するとこはビックリしたし、他にも意外な展開がときどきあって面白い。たんたんとした文体は論理的で好感が持てるしユーモアもあって緊迫したとこ多いけどあまりドキドキしすぎないのも良い。ただ、なぜか地の文が突然理屈っぽくなったり筆者の主張めいたものが長くなったりしてところどころ退屈なところあって残念。そのせいで寝落ちしそうになってなかなか一気読みまではいたらなかった。

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    2019年05月14日
  • 二流小説家

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    初デヴィッド・ゴードン 犯人の意外性とか話の面白さとかより端々に書かれている表現の方が強く刺さってくる。

    冒頭主人公は、元カノから別れを切り出されるとき「最後に詩を書いたのはいつだった?」ときかれる。 これは、何かを作りたくて心の何処かで野心を飼いながら、日々の忙しさに紛れさせてしまう人たちに刺さるのではないだろうか。 小技が綺麗に効いている一冊

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    2019年03月20日