遙々アルクのレビュー一覧
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ネタバレ 購入済み
衝撃的なお話でした
ARUKU先生名義の「嫌い、嫌い、愛してる」を読んですっかり沼にハマり、猿食喰山は凄いとレビューにあったので辿り着きました。
絵柄は人を選ぶかと思いますが、2話くらいからそんなこと気にしてる場合じゃなくなってしまいました。嘘の中に本当が混じる過去の話、現在の話、犯罪者と被害者とお互いにわかっていても恋に落ちてゆく不安感と多幸感。本当に構成が巧みでこの世界にどっぷりでした。
随所に出てくるカチカチ山の話はこのストーリーの象徴ですよね。
ウサギを騙す狸にも事情があったかもしれない、ウサギが狸を愛して許してしまうかもしれない。
感動的なラストシーンは火傷を負った狸にウサギが愛を告げるシーンだと思いました。3人で(なぜ“3人”なのかは読めばわかります。泣けます)新しい物語を紡いで行って欲しいです。 -
Posted by ブクログ
「明日屋商い繁盛」を読んでタダモノではないと、いたく感銘を受けてしまった作者さん。
究極の愛、真摯な愛を描かせたら、天下一品です。他の作品も読みたくなりました。
独特な絵柄なので敬遠されがちな気がします…現に読まず嫌いでした。まさか、こんなに深い世界観を描かれている方とは知らず…
何でもとりあえず読んでみるって姿勢は大切ですね。すごいめぐりあいがその中に潜んでいるかもです。
星グループの若き総帥である星義彦×彼の屋敷に入り込んできた謎の庭師の鷺坂貢。
主人公二人のネーミングがいいです。
生まれや育ちの違いがあっても、二人が抱えているのは大きな寂寥感。屋敷の庭がその心の象徴です。
冷たい風が吹きつける猿喰山の屋敷の庭に、鷺坂は約束していたちいさな薔薇の花を咲かせることができ、同様に義彦の心にもちいさな変化が起きていきます。
途中までは冷徹な王様が愛に目覚め、びっちな男も改心してハッピーエンドで涙、涙のメロドラマみたいなストーリーかと思っていたんですが、そんな甘っちょろい展開じゃありませんでした。衝撃を受けました。
ラスト号泣でした。究極の愛ですね。
「最後まで予測不能な純愛」と銘打ってあったけど、すごく頷けました。
悪人善人でくくってしまうことができない登場人物たち、本心がどうなのか、相手のことをどう思っているのか、中盤までは謎なんです。でも、伏線はしっかりあって、その伏線使いがまた巧みで、後からいろいろその辺りを思い返してはボロ泣きしてしまいました。
セリフのひとつひとつに意味があって、心に残ります。
心を揺さぶられるBLってホントに希少ですが、この方の作品はまさにそのひとつだと思います。大絶賛。 -
Posted by ブクログ
この物語は、外見の美しさがあればこそ、というお話ではなくて、外見の美しさにさえ気付いていないほどに三日月くんが孤独な青年であること。そんな彼が、自分の領域にずかずかと入り込んできた村山に恋焦がれられることによって、他者の存在を意識せざるを得なくなる、と言うお話だ。他者も三日月くんの存在に気を留めていないが、同時に三日月くん自身も他者を個別認識せずに、いっしょくたに「煩わしい存在」として片付けてしまっている。孤独を認識している人間のおごりがここにある。おごりはあるのだが、そのおごった孤独者をそれごと引っ張りあげて欲しい、と思うわけで、村山のアプローチは正にそれである。
色々しんどい時に、主人公の三日月くんが
(あのころと同じ深さで傷つくのか)
って言葉か必ず蘇る。年重ねると「これは平気」となる部分もあるが、10代の時に経験した「痛さ」は幾つになっても消えない。
私は自分の子供を持つことは生涯ないだろうけど、ARUKUさんの主人公の子供時代の佇まいや、へび子さんの三郎と五郎兄弟の子供の頃の話とか、胸がかきむしられる。でもこれは母性ではない…やっぱ未だに子供の自分が心の中にあり、子供を見る大人の目ではなく子供の目で子供に同調するんだと思う。大人の都合より、子供側で考えてしまうんだよね。それは現実に私が子供持った事ないからだろう。大人の方が我慢すべきだ、って発想になるんだよな。我慢や辛抱が出来ないのになんで子供を持とうとするんだ、って考えちゃうんだよね。子供は親を選べない、と言うのがずっと自分の中にあるからだろう。
BLの核心を突いた「帯」に書かれた名文句。この頃の遥々アルクさん名義の『ビター×スイート』にも「心に残る読書体験。」と書かれている…いつからただの煽り文句が幅を利かせるようになったんだろうなぁ。 -
Posted by ブクログ
全てを持っているようで、実は人に決められた人生に縛られているだけ、おカネはあっても愛は持たない、ってステレオタイプ的にお金持ちを表現するものは多々あれど、お金持ちを羨まないと言ったらそれは嘘になるだろう。愛が無くてもおカネがあればなんとかなるかも、と、持たない庶民は夢想しがちだ。おカネ有るんだから孤独くらい我慢しなさいよ、とも思う。そうやって、その通りに生きる人もいるだろう。
以前ツイッターのフォロワーさんと、この作品をハッピーエンドと思うか、思わないかでBLに何を求めているかが分かれる、と言う話をした事がある。切ないけども、あれがハッピーエンドと言わずなんと言ったらいいだろう、と私は思っている。どうしようもないやるせなさはBLだからこそ表現出来るものだと思っているので、少女漫画の亜流的に描かれる作品を私が避けるのは正にそこなんだ…。お勧めした人が「読んで良かった」と思ったくれた事がARUKU作品に触れる最たるものだとも思っている。読んでくれたありがとう。
もう、しつこいよお前は…ってくらい『猿喰山疑獄事件』読んでるんだけど、ARUKUさん作品はいつもよくやるようにCV誰それで、ってあんまり思わなくて、なかなか当てるの難しいな、って思ってたんだけど、詐欺師の鷺坂:たっつん、星義彦:みきしんで聴いてみたい…叶わぬ夢か。 -
Posted by ブクログ
アルク先生の初単行本です。近所の本屋にはなくて・・・。どうしても読みたくて遠くの本屋まで行きました。
表題作は可愛い・・・けどどこかぞくぞくする場面もあるお話でした。
零話が好きです。
私的に一番気に入ったのは雑巾姫です。
アルク先生の受けさんが涙を堪えている表情は、なんだかとても見ていて切なくなります。可愛くて愛おしくなります。
あと、ワンシーンワンシーンごとに映画のカットを見ているようでとても素敵です。本当に一コマ毎にドラマやキャラクターの心理が伺えるようで、すごいいいなあと思います。アルク先生のこだわりを感じます。
これでアルク先生の既刊は全部コンプリートしてしまったので、すごくもだもだしてます。もっとアルク先生のお話が読みたいです・・・!次のお話も楽しみにしています!