井出明のレビュー一覧

  • ダークツーリズム 悲しみの記憶を巡る旅

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    ダークツーリズムとは近代史の影の部分、とくに戦争と災害の現場となった土地を訪問する観光を指す。ダークツーリズムの核心は「悲しみの記憶を継承することで二度と悲劇を起こさせない」。戦国時代の戦場跡などは時代が古すぎるのでダークツーリズムには該当しない。

    観光とは国の光を見ること。隠されがちな影に目を向けるのは悪趣味、不謹慎と思われがち。しかし破壊や死の歴史に思いを馳せることで記憶を継承する、語り継ぐ、生きる意味を再確認するなどポジティブな意味合いもある。強固な学びの意思なく、「物見遊山で行ってみたら、かなりためになった」程度でも十分ダークツーリズムたりうる。

    本書では小樽、オホーツク、西表島、

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    2025年08月04日
  • 悲劇の世界遺産 ダークツーリズムから見た世界

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    フライドチキンは黒人奴隷の栄養食、サイパンの製糖工場のため韓国人街ができているなど、観光というよりダーク産業発展の歴史とでもいうべき良書。

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    2023年01月14日
  • 悲劇の世界遺産 ダークツーリズムから見た世界

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    「世界遺産」と聞きますと、日本人にとっては
    世界に認められた観光資源、と考えてしまうの
    が一般的と思います。

    そして原爆ドームなどは、悲しい歴史ではあり
    ますが、人類が後世に伝えるべき「負」の遺産
    とも考えられます。

    しかし「負の遺産」という言葉や概念は日本人
    だけが持っていて、当のユネスコもそんな区分
    けはしていないのです。

    そもそも自然遺産ならともかく、人間の営みが
    関係している産業や文化遺産には、見方を変え
    ればいくらでも「負」の部分は存在するはずで
    す。

    それは2018年7月に世界遺産登録された「長崎
    と天草地方の潜伏キリシタン関連遺産」の内容
    を詳しく見れば理解できると思いま

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    2022年05月02日
  • きみは「3.11」をしっていますか? ~東日本大震災から10年後の物語~

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    主に宮城県で震災及び津波の被害を経験した人たちの聞き書き。
    まんが、ノンフィクション、まとめ、河北新聞社の協力による巻末資料。
    短文で読みやすく、伝わりやすい、真実の言葉が綴られていると感じた。
    被災や復興が、過去のものではなく、現在進行形の人もある。
    これから共に歩む未来を感じさせる一冊。
    あれから10年後だからこそ、語れた人もいるのだと思う。

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    2022年03月31日
  • 悲劇の世界遺産 ダークツーリズムから見た世界

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    ハワイ行ったらパールハーバー、沖縄行ったらひめゆりの塔、一度は行くべきと思いながらも未だに行けず。逆に修学旅行で連れて行かれた?広島は、大人になってから再訪すると新たな発見があったり。ネット社会、情報化社会になっても実際、訪れて感じる、これが大事。

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    2022年02月26日
  • 悲劇の世界遺産 ダークツーリズムから見た世界

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    ダークツーリズムという言葉はなんとなく知っていたけど、こんなに研究されてる方がいたなんて。大学時代に知りたかったーと思うけど、もしかするとその頃はまだメジャーではない分野だったのかもしれません。

    沖縄とかグアムとかハワイとかを旅行して、「リゾート」「観光地」としてのそこを享受しようとしても、なんだか心から楽しめないな…という違和感はこれだったのかと思いました。

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    2021年11月15日
  • ダークツーリズム 悲しみの記憶を巡る旅

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    よく人が集まったり(観光だったり)または実際、今現在も普通にそこに住んでいる場所
    明るい観光地(と言っていいのか)の裏側の負の部分。
    あぁこういうのが正にダークツーリズムなんだなと思った
    自分が実際行ったことのある場所だったり観光地だったり、一見すれば分からないマイナスイメージだったり
    そこにある悲しい歴史だったりを巡っている内容。
    もっと読みたい!他にもぜひ!と思ってしまった。
    先日東日本大震災で被害の大きかった石巻に初めて行き、現地に住んでいる友人の案内で様々な場所を巡ってきた。
    仮に、では今後この本に登場するようなダークツーリズムな観光地として現地の経済を潤すこともできるのかもしれない。

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    2020年03月23日
  • ダークツーリズム 悲しみの記憶を巡る旅

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    「ダークツーリズム」とは何かという解説から筆者の実際に体験した旅の様子まで掲載されているので、ダークツーリズムについて未知の私にもよく分かった一冊でした。本書を通じてもっと興味が出てきたのでダークツーリズムについて調べてみたいです。

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    2018年10月14日
  • ダークツーリズム 悲しみの記憶を巡る旅

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    日本におけるダークツーリズムのポイントを、エッセンスを押さえながら紹介してくれる。

    そもそもダークツーリズム対象が観光地として整備されているケースが稀である(例外は網走刑務所)。
    なぜかというと体制がつくりたい町のイメージとあわないからだ、
    など心理的社会的理由によるものだとの考察がなされ、内省を促される。

    我々はもっと、負の記憶と向き合い教訓を汲み取っていくべきなのかもしれない。

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    2018年08月26日
  • 悲劇の世界遺産 ダークツーリズムから見た世界

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    光も影も付いて回るというのが世界遺産の思想である。筆者は日本人があまり思い浮かべない遺産の悲劇の記憶や人類普遍の価値とは何なのかを考え、ダークツーリズムという新しい観光の形を通して見るという提案をする。

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    2022年09月01日
  • 悲劇の世界遺産 ダークツーリズムから見た世界

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    世界遺産として登録させるための矛盾や、文化遺産として売り出すための戦略の影?が分かりやすく紹介されており,面白かった。

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    2022年04月06日
  • ダークツーリズム 悲しみの記憶を巡る旅

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    学術的な本なのかなと思いきや、それをふまえたうえでの、どちらかと言うとガイドブック寄り。
    新書とはいえ写真はめちゃくちゃ少ないし、それぞれのテーマについても最低限のことしか書かれてなくて、実際に見るなり調べるなり旅するなりして、知ってほしい感じてほしいと読み手に訴えてる感じがした。
    被災地はその土地の性質によって復興の方向性が変わるって視点は、今まで自分には全くなかったので、確かに!と思った。確かに、神戸と東北の沿岸部とでは住んでる人も土地も違いすぎるよなあ。
    結構面白かったので、この方の本は他も読んでみる。

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    2021年11月04日
  • 悲劇の世界遺産 ダークツーリズムから見た世界

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    観光学者 井出明氏によるダークツーリズムというフィルターを通して見た世界遺産の解説書。世界遺産に関する基礎的な説明に始まり、実践として著者が実際に歩いたアウシュビッツ、日本の産業遺産、島の存在、潜伏キリシタン関連遺産、自然災害に関する遺産等をまとめてあります。どんなものにでも光と闇の部分があり、どちらか一方が正しいというものではないというスタンスで色々なものを見直すという姿勢は重要かと思いました。おまけのカリブ海の国々を訪問した紀行文は面白かった。

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    2021年10月18日
  • 悲劇の世界遺産 ダークツーリズムから見た世界

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    <目次>
    第1章  世界遺産制度の概要とダークツーリズムの考え方
    第2章  アウシュビッツとクラクフから考える
    第3章  産業遺産の光と影
    第4章  ダークツーリズムで巡る島
    第5章  潜伏キリシタン関連遺産を観る眼
    第6章  復興のデザイン
    第7章  コロナ禍で考える世界遺産
    附章   カリブの旅

    <内容>
    ダークツーリズムとは、その地その時代を代表する観光地ではなく、戦争や災害、奴隷や民族殲滅などの「負の遺産」を巡りながら、歴史や政治を考えていこうという観光の考え方。著者は、それを早くから訴えていた人。観光というと、美術作品(建築や庭園)を観たり、美しい自然を愛でたり、美味しいものを食べ

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    2021年06月13日
  • ダークツーリズム 悲しみの記憶を巡る旅

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    観光学者 井出明氏によるダークツーリズムの解説書。第1章と第10章ではダークツーリズムについて学問の基礎的な説明や展望について展開し、第2章から第9章までは著者が実際に歩いた各地のダークツーリズムの実際をまとめてあります。紀行文みたいなので読みやすいです。まずは実践してみて、どういうものかを体感してみようということかな。日本には、ここで紹介されているような場所を観光で訪れようとすること「不謹慎」という言葉ですべて否定したがる風潮がありますが、やはり光と闇をきちんと知ることが重要だと思いました。

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    2019年06月29日
  • ダークツーリズム 悲しみの記憶を巡る旅

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    歴史の暗黒面を刻んだ観光地を訪れることを、「ダークツーリズム」と呼ぶのだそうです。普段、観光について取材する機会が多いにも関わらず、恥ずかしながら本書を手に取るまで知りませんでした。
    もっとも、ダークツーリズムという言葉が世に出て来たのはごく最近のこと。何でも、世界的に人気になっている旅の一形態なのだそうです。本書は、日本のダークツーリズム研究の第一人者が、世界各地の「負の遺産」を訪ね、観光の新潮流の行方を展望したものです。
    著者が訪れた場所を章ごとに順に紹介すると、小樽、オホーツク、西表島、熊本、長野、栃木・群馬、インドネシア、韓国・ベトナム―です。トップを飾った小樽でダークツーリズムとは意

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    2018年08月28日
  • ダークツーリズム 悲しみの記憶を巡る旅

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    悲しみの記憶をめぐる旅。
    悲しみの記憶を風化させないため、観光資源として遺構を残すべき。
    無言館と松代大本営は是非行ってみたい。
    今ひとつ読者対象がぼんやりとした本かなと感じた。それから、論文調だからなのかわからないけど、いちいちややこしい言い回しが気になった。もっと簡単な日本語でいいのでは?(例えばこれを著者風に書くと「一般読者の読解力・可読性を鑑みるに、もっと平易な日本語で記述されるべきであったか再考の余地がある」みたいな調子なのよね…)

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    2024年10月02日
  • 悲劇の世界遺産 ダークツーリズムから見た世界

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    旅の目的は人それぞれだが、私個人、若い頃はハワイやヨーロッパの人気の観光地よりも、東南アジアの奥地やネパールなど、観光地として綺麗に便利に整備された場所よりも若いうちじゃないと行けないような体力を使う場所中心に旅していた。よってショッピングを楽しんだり豪華なホテルでラグジュアリーな時間を過ごす事は、当然環境もお金も遥かに到達しないような身分柄出来なかったし、しようとも思わなかった。
    やがて生活に余裕が出ると、イタリアやスペインなどの南欧に加え、スウェーデンやデンマークなど北欧を回るようになり、言ってみれば日本とさほど都市的な発展度合いが変わらないが、食と人の見た目だけが海外風になっているような

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    2023年09月08日
  • ダークツーリズム 悲しみの記憶を巡る旅

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    負の記憶を想起させる場所を巡る旅。記憶を想起させるためには手がかりが必要なので,それらの保全や情報の整理がいる。保全や情報の整理はそれをする者の考えが反映されやすいが,その思惑を外れてしまうこともある。正?の記憶だけの場所というのもないのだろう。多くは正と負を併せ持つ。光を求めて旅にいくが,影を見ることでその光がより輝くことがある。負を前面に出す場所でも裏をみることで光があるのだろう。観光アプローチの一つとして面白いのだろう。「ダーク」という言葉が持つ怖いもの見たさ感は人を引きつけそうだし。

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    2023年01月29日
  • ダークツーリズム 悲しみの記憶を巡る旅

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    知っている場所もあれば知らなかった場所もあり、それは勉強になった。
    もっとも、一つ一つの場所に筆者は訪れているにもかかわらず、あまり詳しく書かれていないのがこの本の弱点だと思った。
    一冊でいろいろな場所をまとめている点に興味を持って読んだが、それぞれの場所について知りたいのなら、他の書籍も参考にする必要がある。

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    2021年10月20日