八島游舷のレビュー一覧
-
Posted by ブクログ
SF短編アンソロジー
今回が最後のGenesis、以後は紙魚の手帖に移行するそうです
海外作品ばかり読み耽っていた時期に、日本SFを読みたいと創刊号を手に取りました
以来ここで何人もの推し作家様と出会い、珠玉の作品の数々を拝読いたしております
自分の人生の一部であるこのアンソロジーが終了するのは少し寂しい気持ちです
深く感謝申し上げます
『風になるにはまだ』
第13回創元SF短編賞受賞作品
肉体を持たない“情報”として生きている女性が、現実の身体を1日借りるお話です
情報化の女性視点で久しぶりに生身を持った感覚は、まるで自分が体現しているように冴え、没入します
是非皆さま体感なさって下 -
Posted by ブクログ
ネタバレどの話も設定が面白く、ワクワクしながら読めた。
◆天駆せよ法勝寺
最初から世界観に驚愕させられ、そのままの勢いで最後まで読み切ってしまった。最後、大人が大人であるがため苦渋の選択し、それでも前へ進まないといけないのに対して、主人公の意識が子供から大人へと変わる様子が危うげながらも、頼もしく清々し感じられた。世界観は奇抜だけど、共感できる。
◆家の外なくしてみた
扉や窓の外が家の中と繋がっている設定は四畳半神話大系と似ているかと思ったが、こちらはだいぶポップ。2人の会話が丁寧なのにテンポが良くて読みやすかった。
◆この光が落ちないように
これも世界観がすごい。
「感情は火と同じ。」と、感情の否定 -
Posted by ブクログ
ネタバレSFあまり読んでないな…と思ったけれど、初見の作家さんあまりいなくてびっくりでした。SFだと思って読んでなかったお話もあって、SFというジャンルの拡がりを感じます。暴論ですが、面白ければなんでも。
どれもこれも面白かったです。好みの問題で、好きなのと引っかからなかったのはあるけど、面白くないお話がない。このおふたりが選者だと間違いない…すごい。
1話目からオーシャン・クロニクルで嬉しい。これだけ読めていなかったので出会えて良かったです。
既読は「山の同窓会」「ディレイ・エフェクト」「天駆せよ法勝寺」。彩瀬まるさんのは幻想小説として読んでたけど、系譜とされてた「侍女の物語」「大きな鳥にさらわれな -
Posted by ブクログ
ここしばらくいつものことながら、豊作だなあ!
上田早夕里「ルーシィ、月、星、太陽」
円城塔「Shadow.net」
小川哲「最後の不良」
我孫子武丸「プロジェクト・シャーロック」
酉島伝法「彗星狩り」
横田順彌「東京タワーの潜水夫」
眉村卓「逃亡老人」
綾瀬まる「山の同窓会」
伴名練「ホーリーアイアンメイデン」
加藤元治「鉱区A-11」
松崎有理「惑星Xの憂鬱」
新井素子「階段落ち人生」
小田雅久仁「髪禍」
筒井康隆「漸然山脈」
山尾悠子「親水性について」
宮内悠介「ディレイ・エフェクト」
そして 受賞作 八島游舷「天駆せよ法勝寺」
「プロジェクトシャーロック」「山の同窓会」「ホーリーアイア -
Posted by ブクログ
GENESIS(創元日本アンソロジー)シリーズが今回の五集目で最後になるという。いや~、実にもったいない、このシリーズとても気に入っていたのになぁ~。特に、表紙の絵(カシワイ作)が好きで毎回楽しみにしていた。まあ、社の方針だからしょうがないのかもしれないけど。私以外の人にはあまり好評ではなかったのだろうか。売り上げも伸びなかったのかな。
最近、帯の呼び込み文句が派手なものが多く、ちょっとこの傾向を懸念していたのだが、この本も首を傾げた。「日本SFを牽引する注目の書き手による最新作6編」って、ちょっと誇大広告でしょう。この6人のうち3人(宮澤・水見・空木)しか知らない。私も最近のSFを勉強して -
Posted by ブクログ
SFを読もうキャンペーン2冊目。
「ホーリーアイアンメイデン」、「プロジェクト・シャーロック」、「鉱区A-11」が個人的ベスト。初心者にも読みやすかった。物語の進行と共に、登場人物やロボ・AIに対する感情が変わっていきました。
「ルーシィ、月、星、太陽」は世界観が、「階段落ち人生」と「ディレイ・エフェクト」は設定が好き。
「髪禍」は気持ち悪さが後を引く。読み終わって数日経っても忘れられず、お腹と胸のあたりがぞわぞわする。きっと数年後の悪夢にも出てくる。
「漸然山脈」は車酔いしてる気分になった。さっぱり分からなかったけど、お酒を飲みながら読んだら楽しかったと思う。たぶん。 -
Posted by ブクログ
ネタバレ創元SFの年刊日本SF傑作選シリーズ。2017年に発表されたSF作品を集めたアンソロジー。なぜかシリーズを逆順で読み始めたため、『おうむの夢と操り人形』に続いて2冊目。2冊読んで思ったけど、テーマ別アンソロジーと違って、年刊アンソロジーは当たりもハズレも混在してるけどそういうもんだなーと。この中からいくつか気に入った作品と出会えたらラッキーだと思うべきかなと。
上田早夕里「ルーシィ、月、星、太陽」 ★★★☆☆
* プルームの冬により、地上が住めなくなったため、人類が海中で暮らせるように意図的な変異種を作り、ルーシィと呼ばれる種族となった。地球が暖かくなって氷上に出てきたが、すでに旧人類は