伊勢武史のレビュー一覧
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ネタバレ自分の気持ちや感情でさえ、良い遺伝子を残す為に湧き上がってくるものという考え方を知り、感情的な時ほど冷静に考えることが必要だなと学んだ。
生物は皆(人間ももちろん)それぞれの環境で、ベストを尽くした結果、今の形があるということを知り、自分が存在するのは私の先祖がずっと環境から選ばれ続けたからと考えると、私も自分なりにベストを尽くして自分の遺伝子をより良く残していくことが大切だと思った。(それでもどこかで私の遺伝子は途切れるかもしれないがその過程を大事にする)
説明の難しい自分の感情や行動は何に基づいてるのか、知りたい方におすすめの本。 -
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ネタバレ・DNAはハードウエア、遺伝子=設計図はソフトウエア
・ソフトウエア転記時にミス発生したのが突然変異
・遺伝形質(元の髪は黒)、獲得形質(金髪に染めた)
・環境とは、その生物の生活に影響を与えるすべてのもの
・自然淘汰では、生存と繁殖の総合力が問われる
・生物達の歩く道の先にはしばしば崖がある。歪に進化した恐竜とはそこでお別れした。人間もこの先待ちているのは恐竜と同じ運命かもしれない。進化とは何かが良くなるという能天気なものではなく、たとえ滅ぶとしても進むしかない道のこと。
・約1万年ほど前から農業や牧畜などで人間の生活は安定していき、生きるか死ぬかと言うシチュエーションは減少。これにより知能 -
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この本で,伊勢武史さんの本は3冊目。地球をシステムとして捉えることの難しさと奥深さを教えてくれる素敵な本。読んでよかったです。
地球システムとは…。
地球とは,地球を構成する要素(岩石・海洋・大気・生物)がそれぞれ関わりあいながら、全体としてまとまりを持って動いている「システム」なのです。このようにシステムという言葉の意味を考えると,地球システム科学では地球を構成する要素同士のつながりを重視することがわかりますね。(本書p.17)
あっちもこっちも考える…それができないと生態系の維持や持続可能性などを議論することはできません。そういう意味で,本書は,まさにSDGsの入門書とも言えま -
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伊勢武史さんの本は,これが2冊目。前回読んだのが大変読みやすくて,内容も濃かったので,本書も買ってみた。
本書は,著者の研究分野(生態学)を紹介しながらも,身近な出来事について綴っている,ある意味,エッセイ集のようなものだと感じた。
これまでも,科学者の書いたエッセイは読んできたが,伊藤さんもなかなか面白震いで,ファンになってしまった。著者が触れる話題が,大変幅広くて,生態学とそれらが繋がっていくのも心地よい。
著者が触れている単語を挙げてみると次のような言葉がある。
生態系エンジニア,レジリエンス,コロナウィルス,満員電車通勤社会,科学リテラシー,遺伝子の乗り物,レジ袋有料,物質循環 -
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生物進化についての基本を、科学的でありながらもかなり平易な文章でわかりやすく解説した本。
ここまでなら良書ですね、と★4つで終わるのだが、7章で哲学と宗教の生まれた理由ですら生物進化のなせる技であると論じたところをプラスで評価したい。
著者の論でしかなく、浅い考察で留まっているものの、哲学・宗教をきちんと科学的な観点から論じていくというのは大変重要なトピックスだと思う。できればこの章を深めた内容でもう1冊本を書いてほしい。
その環境で有利に生きることのできる能力の高低は遺伝子のランダム性によるもので、個体自身の努力は関係ないということを淡々と説く。筆者が自然界の冷徹な現実を正しく捉えること -
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ネタバレ著者の専門は陸域生態系のシミュレーションモデリング(温暖化、森林生態系)。地球温暖化は二酸化炭素排出に注目されることが多いが、本著は二酸化炭素を含む炭素循環やその他の様々な要因が気圏、地圏、水圏、生物圏の地球システムの中でどの様なフィードバックでお互い影響、バランスを取っているかを難しい数式を使わずにやさしく解説している地球システムの入門書。又正しいデータの見方等も指南。
【興味深く、面白かった点】
・アルベド(地表面の白っぽさ、反射率)もフィードバックの大きな要素。
・温室効果気体の中で最大の効果を持つのは水蒸気。但し水蒸気は二酸化炭素と異なり、地球全体で混ざり合う前に消える性質のため、温室