あらすじ
日常生活から、里山や森などの自然まで、私たちの身のまわりを生態学的な視点で見てみると、そこには生きものと環境がお互いに影響し合っている姿が見えてきます。生態学とは、生物とそれを取り巻く環境の相互作用を考える学問分野です。生物学の一分野ですが、地質学や地理学、気象学などといった分野とも関連性が高く、総合的な学問です。世界的に関心が高まっている、生態系や外来生物、生物進化、生物多様性、環境問題といった話題について、親しみやすくやさしい文章で、生態学の考え方を紹介します。
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Posted by ブクログ
伊勢武史さんの本は,これが2冊目。前回読んだのが大変読みやすくて,内容も濃かったので,本書も買ってみた。
本書は,著者の研究分野(生態学)を紹介しながらも,身近な出来事について綴っている,ある意味,エッセイ集のようなものだと感じた。
これまでも,科学者の書いたエッセイは読んできたが,伊藤さんもなかなか面白震いで,ファンになってしまった。著者が触れる話題が,大変幅広くて,生態学とそれらが繋がっていくのも心地よい。
著者が触れている単語を挙げてみると次のような言葉がある。
生態系エンジニア,レジリエンス,コロナウィルス,満員電車通勤社会,科学リテラシー,遺伝子の乗り物,レジ袋有料,物質循環,適応度,琳派,酒井抱一,アニミズム,京都,神社仏閣,庭園,おくの細道,アーチズ国立公園,里山,千枚田,コウノトリ,トキ,ため池,ブラックバス,クズ,奥入瀬,パソコンおたく,進化心理学…などなど
これらが,ウェブのように繋がり合って紡がれていく文章。興味深いのに決まってますな。
Posted by ブクログ
生態学者の専門図書ではなく、生態学者が社会を見たときに考えたことを綴ったエッセイ。
途上国が先進国並みになること、ならないことを想定したCO2排出量の比較などがあるのも興味深い。
環境関係のことが多いと思うが、専門家目線の考え方を知ることができたのは価値がある。