あらすじ
地球を構成する水圏や大気圏、地圏、生物圏。これらは、それぞれ別々の学問で研究されてきましたが、これらをひとつのシステムとして考える、地球システム科学が最近注目されています。地球をひとつのシステムと考えると、地球温暖化やスノーボールアースといった気候変動や、生命の誕生・進化や地球外生命体といった生物学の謎をひも解くヒントが見えてきます! 学問の壁を取り払い、新しい視点で地球を見てみましょう。
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Posted by ブクログ
この本で,伊勢武史さんの本は3冊目。地球をシステムとして捉えることの難しさと奥深さを教えてくれる素敵な本。読んでよかったです。
地球システムとは…。
地球とは,地球を構成する要素(岩石・海洋・大気・生物)がそれぞれ関わりあいながら、全体としてまとまりを持って動いている「システム」なのです。このようにシステムという言葉の意味を考えると,地球システム科学では地球を構成する要素同士のつながりを重視することがわかりますね。(本書p.17)
あっちもこっちも考える…それができないと生態系の維持や持続可能性などを議論することはできません。そういう意味で,本書は,まさにSDGsの入門書とも言えます。本書の発行は2013年。まだ,SDGsという言葉は人口に膾炙していない頃です。しかし一方ではICPPの第5次報告書が出されて,各国政府も「なんとかせねば…」となってきたころでもあります。
科学をどう利用して、現状を打開していくのか。いろいろ考えさせられました。また読むなあ。
Posted by ブクログ
著者の専門は陸域生態系のシミュレーションモデリング(温暖化、森林生態系)。地球温暖化は二酸化炭素排出に注目されることが多いが、本著は二酸化炭素を含む炭素循環やその他の様々な要因が気圏、地圏、水圏、生物圏の地球システムの中でどの様なフィードバックでお互い影響、バランスを取っているかを難しい数式を使わずにやさしく解説している地球システムの入門書。又正しいデータの見方等も指南。
【興味深く、面白かった点】
・アルベド(地表面の白っぽさ、反射率)もフィードバックの大きな要素。
・温室効果気体の中で最大の効果を持つのは水蒸気。但し水蒸気は二酸化炭素と異なり、地球全体で混ざり合う前に消える性質のため、温室効果気体リストから除外されている。
・いくら温暖化が進んでも、地球上に生物(人類とは言っていない)が住めなくなるまで温度は上昇しない。(ステファン-ボルツマンの法則)
・温暖化の最終手段は、ジオエンジニアリング?