栗原泉のレビュー一覧
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資料として役立ったので★5つ。本当は電子データで検索しながら読みたいくらい。索引のある学術書ではなく、「新書的な」読み物なので、「あれどこに書いてあったっけ」と探し回るのがちょっと大変だった。
以下備忘のため、本書より
・11世紀頃の城は濠をめぐらせた土塁の上に木造建築。十字軍遠征後に築城技術が発展して石造の主塔(キープ)がつくられるようになった。四角い塔は角の下を掘られて崩されることもあり、防衛上の死角ができるため、円筒形に変わっていった。居住区の建物は木造が多かった。
・ダンジョン(地下牢)は城の主塔を意味する「ドンジョン」から。後代になって(城の住み心地がよくないので)囚人の拘置や幽閉 -
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俳優 栗原類のお母さんの子育てに関わるエッセイ。
正しいとか間違っているとかではなく、自分がどう考えるか、ということを大切にしている点が印象に残った。
類君にとってはこの接し方は幸せな結果になったのではないかと思う。
日本、アメリカどちらでも育っているが、どちらもそれなりに制約があり、息苦しい。
発達障害に対する意識が進んでいるアメリカに行ったことはやはり大きいと思う。
日本の常識はアメリカでは常識ではない、逆にアメリカの常識も日本の常識ではない。
マイノリティーは、当然だがメジャーじゃないということ。
日本、アメリカを比べることで、「メジャーの作った”常識”からはずれることは問題で -
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泉さんご自身も発達障害で、ご両親も今でいうところの「毒親」。ご苦労が多かっただろうに悲観的にならずにとても冷静に分析して人生設計と子育てをなさっている。
子育てのノウハウが載っているわけではなく、あくまで類君の場合というスタンスで書かれているので参考になるかならないかは読みとり方しだいだけど、子育てに対する覚悟のようなもの(それがブレないということになるのかも)が素晴らしい。例えば、子どもにとってのベストな選択や環境は探すけれど、最終的には子どもの判断に任せるという部分。わかっていてもこれがなかなか難しい。ついつい「こっちの方がいいよ」と誘導しがちだ。けれど泉さんは類君の選択を否定しない。「向 -
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学生時代の一時期、アーサー王伝説にはまり、中世の騎士だの城だの必死で調べたことがある。確か、何でも輪切りにして構造を調べるシリーズの絵本の、「城」版も持ってたはずだ。もちろん映画もコスチュームプレイものが好きで、『ロビンフッド』や『三銃士』あたりは外せない。まあ、映画だと嘘が多いんだけど。
というわけで、城もの本を数冊所持。この本は多分、一番堅くて詳しい。なにせ城の生活について語るのに、普通は時代背景から始めるものなんだけど、この本は本当に「城の歴史」から始めているのだ。
土塁と囲い地様式の砦から石組みの城へ。城もゴシック様式の石塔が建つまでにはそこに至る歴史がある。というわけで、最初の10ペ -
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キリスト教社会では、結婚は死が二人を分かつまでの契約ではあるのだが、ある一定の層以上ではそれ以上のいろんな約束事の上で結婚は成立していたようである。
それ故に男性は初婚年齢が高く、結婚できない男性も多いようである。猶子でないとまともな財産ももらえず、猶子であっても、親が亡くなるあるいは隠居でもしない限りは財産の処分権がない。女性も同様で親兄弟がそれなりの財産を持たせないと結婚できない。修道院というのは結婚できない子弟の受け皿でもあったようだ。
結婚には財産の移動が伴い、それとともに姻族としての繋がりが広がっていくのは日本でも同じだが、それを利用して家の勢力を拡大していった一族のはなしもでてくる